PDF ポートフォリオについて
PDF ポートフォリオでは、複数のファイルが 1 つの PDF ユニットにまとめられます。PDF ポートフォリオでは、異なるアプリケーションで作成された様々なファイルタイプを組み入れることができます。例えば、PDF ポートフォリオにテキスト文書、電子メールメッセージ、スプレッドシート、CAD 図面、PowerPoint プレゼンテーションが含まれるとします。元のファイルは、個別のファイルとして保持されますが、PDF ポートフォリオという 1 つのファイルの構成部分になります。各コンポーネントファイルは、PDF ポートフォリオ内の他のコンポーネントファイルとは独立して開くことも、読み込み、編集、書式設定を実行することもできます。
使用環境によっては、複数のファイルを 1 つの PDF ファイルに結合する方法より、PDF ポートフォリオを作成するほうが次の点でメリットがあります。
追加と削除
ファイルの追加や削除が容易です。そのファイルから組み込まれた各ページを検索して選択する必要はありません。
ドラッグ&ドロップ
PDF ポートフォリオのナビゲーションパネルでファイルをドラッグして再配置、ファイルをフォルダーへドロップ、またはフォルダーを同じレベルの別のフォルダーへドロップします。
プレビュー
作成元のアプリケーションで開かずに、すばやくコンポーネントファイルをプレビューできます。
編集
他のファイルに影響を与えずに、PDF ポートフォリオ内の個々のファイルを編集できます。例えば、1 つの文書のページ番号を付け直し、PDF ポートフォリオ内の他の文書のページ番号はそのままにしておくことができます。また、PDF ポートフォリオ内の PDF 以外のファイルを作成元のアプリケーションで編集することもできます。変更内容は PDF ポートフォリオ内のファイルに保存されます。
配布
PDF ポートフォリオを他のユーザーと共有すると、他のユーザーはすべてのコンポーネントを利用できます。他のユーザーが表示できるように Web サイト上に PDF ポートフォリオを公開します。
並べ替え
コンポーネントファイルを、追加、削除、非表示およびカスタマイズが可能なカテゴリ別に並べ替えることができます。列見出しをクリックするだけで、一覧を並べ替えることができます。
画像として印刷すると、
PDF ポートフォリオ内のすべての PDF を印刷することも、選択したコンポーネントの PDF を印刷することもできます。
検索
PDF ポートフォリオ内の 1 つのファイルまたはすべてのファイルを検索できます。PDF 以外のコンポーネントファイルも検索できます。
他のファイル形式の組み込み
PDF 以外の形式のファイルは、PDF に変換しなくても既存の PDF ポートフォリオに追加できます。
ソースファイルからの独立
PDF ポートフォリオのソースファイル(PDF ポートフォリオに追加する既存のファイルも)は、PDF ポートフォリオの作成時に変更されることはありません。PDF ポートフォリオ内のコンポーネントファイルを変更しても、PDF ポートフォリオを作成するときに使用した元のファイルは変更されません。PDF ポートフォリオは、コンピューターやネットワーク上の任意の場所に移動できます。コンポーネントファイルが紛失または散逸することはありません。
再利用
同じファイルを複数の PDF ポートフォリオに含めることができます。
PDF ポートフォリオウィンドウの概要
Acrobat では、PDF ポートフォリオを作成および編集し、パネルウィンドウ、ツールバー、ウィンドウなどの様々な要素を使用して、コンポーネントファイルを処理します。
A. PDF ポートフォリオツールバー B. 左のナビゲーションパネルのコンポーネントファイルおよびフォルダー C. 前へボタンまたは次へボタン(矢印)を使用してコンポーネントファイル間をスクロール D. コンポーネントファイルを開くリンク
PDF ポートフォリオツールバーは、メインツールバーのすぐ下にあります。ファイルまたはフォルダーの追加、新しいフォルダーの作成、コンポーネントファイルの展開、またはコンポーネントファイルの削除などの一般的なタスクを実行できます。
左のナビゲーションパネルには、PDF ポートフォリオに含まれるファイルとフォルダーが表示されます。デフォルトでは、ファイルとフォルダーはアルファベット順に表示されます。ポートフォリオのプロパティダイアログボックスで並べ替え順を設定することによって、表示する順序を変更できます。
または、左ナビゲーションパネルのファイルを並べ替えるには、ファイルをドッグするか、ファイルをフォルダー、またはフォルダーをフォルダー(両方がポートフォリオ内の同じレベルにある場合)へとドロップします。
前へボタンと次へボタンでは、PDF ポートフォリオに含まれるファイルやフォルダー間をスクロールできます。デフォルトでは、選択したファイルのプレビューが表示されます。ただし、コンポーネントファイルが PDF 以外の形式のファイルであれば、文書領域に「プレビュー」ボタンが表示されます。「プレビュー」ボタンをクリックすると、PDF ポートフォリオ自体のファイルの内容を表示できます。
文書を開くリンクをクリックすると、選択したコンポーネントファイルが編集用に開きます。選択したファイルが PDF ファイルの場合は、文書領域でそのファイルが開き、その他の PDF 文書と同様に操作できます。選択したファイルが PDF 以外の形式の場合は、作成元のアプリケーションでそのファイルが開きます。コンポーネントファイルを編集して保存すると、PDF ポートフォリオで編集後のコンテンツを利用できるようになります。
レイアウト(プレビューモード)では、PDF ポートフォリオ内のコンポーネントファイルについて、そのファイルの種類に応じたプレビューが表示されます。各タイプのプレビューについての詳細は、ポートフォリオビューモードを参照してください。
詳細(またはファイル)モードでは、ファイルの詳細が一覧表示されます。列見出しをクリックすると、昇順または降順に並べ替えられます。
PDF ポートフォリオは、詳細(またはファイル)モードで開いた場合にアクセシブルになります。このモードにより、運動障害や視覚障害などの障害を持つユーザーがよりよい読み上げ機能を体験することができます。すべての PDF ポートフォリオがファイルモードで開くようにするには、編集/環境設定を選択して、環境設定ダイアログボックスを開きます(Windows)。Acrobat の場合にのみ、Acrobat/環境設定を選択します(Mac OS)。「分類」で、「アクセシビリティ」を選択し、「ポートフォリオをファイルモードで表示」を選択します。
ポートフォリオの表示モード
コンポーネントファイルは、レイアウト(プレビュー)モードと詳細(ファイル)モードの 2 つの方法で表示できます。レイアウトモードでは、前の図のように、左のナビゲーションパネルにコンポーネントファイルの一覧が表示されます。詳細モードでは、次のスクリーンショットのように、第 2 ツールバーのすぐ下にコンポーネントファイルの一覧が表示されます。
どちらの表示方法でも、画像とページのプレビュー、およびビデオと SWF ファイルの再生が可能です。詳細表示ではさらに、ファイルに関する情報も表示できます。ファイルをコンピューターに抽出(移動)できます。また、作成元のアプリケーションでファイルを開くこともできます(コンピューターにインストールされている場合)。表示/ポートフォリオのオプションを選択して、レイアウト表示と詳細表示を切り替えることができます。
文書ウィンドウ内で全画面プレビューが表示されている場合は、プラットフォームプレビューモードも使用できます。デフォルトでは、文書ウィンドウには PDF、SWF および HTML ファイルが表示されます。プラットフォームプレビューで電子メールポートフォリオ、フォーム集計ファイル、セキュリティを設定した PDF などの他のファイルタイプを開くには、表示/ポートフォリオ/ファイルをプレビューを選択します。プラットフォームプレビューを閉じるには、第 2 ツールバーのファイル名の後ろにあるプレビューを閉じる(「X」)アイコンをクリックします。
レイアウトモード、詳細モード、プラットフォームプレビューモードの切り替え
表示/ポートフォリオのオプションを選択して、レイアウト表示と詳細表示のモードを切り替えることができます。
また、表示/ポートフォリオ/ファイルをプレビューを選択して、プラットフォームプレビューモードに切り替えることができます。
PDF ポートフォリオで有効なその他の機能
次の操作を、PDF ポートフォリオ内のコンポーネントファイルに対して実行できます。
ファイルサイズを縮小
コンポーネント PDF のファイルサイズを縮小します。詳しくは、保存によるファイルサイズの削減を参照してください。
ポートフォリオをパスワードで保護
PDF ポートフォリオまたは PDF ポートフォリオ内のコンポーネント PDF に文書のセキュリティを追加します。コンポーネント PDF にセキュリティを追加するには、ファイル/ポートフォリオのプロパティを選択し、「セキュリティ」タブを選択します。詳しくは、パスワードによる文書の保護を参照してください。PDF ポートフォリオ全体にセキュリティを追加するには、「表紙」(表示/ポートフォリオ/表紙)を使用します。例えば、「表紙」を使用して、PDF ポートフォリオの親ファイルに署名したり、PDF ポートフォリオを開くパスワードを追加したりできます。「表紙」で指定する機能は、PDF ポートフォリオのコンポーネントファイルのコレクション全体に関連します。
PDF ポートフォリオおよびコンポーネントファイルでは、証明書セキュリティを含む他のセキュリティ機能も使用可能です。詳しくは、「PDF のセキュリティ方法の選択」を参照してください。
印刷
PDF ポートフォリオ内の文書を印刷します。詳しくは、PDF ポートフォリオの PDF の印刷を参照してください。