はじめる前に
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Acrobat は、画質を損なうことなく PDF ファイルのサイズを小さくできます。Acrobat の PDF 圧縮ツールは、最適化されたファイルのサイズと、画像、フォント、およびその他のファイルコンテンツで期待される画質とのバランスを取ります。
PDF の最適化には、PDF ファイルのサイズを縮小するための多くの設定があります。PDF の最適化の設定の一部は、Distiller を使用して PDF ファイルを作成するときの設定と同じです。これらの設定はすべて使用することも、一部のみを使用することもできます。どれを使用するかは、そのファイルの使用目的と、ファイルに必要な基本のプロパティによって異なります。
通常、デフォルト設定で最大の効果が得られます。具体的には、埋め込みフォントの削除、画像の圧縮、ファイルからの冗長な項目の削除によるスペースの節約が見込まれます。ファイルを最適化する前に、ファイルの使用容量を調査することをお勧めします。スペース監査の結果から、ファイルサイズを縮小する可能性についての判断材料が得られる場合があります。「ファイルサイズを縮小」コマンドを使用して PDF のサイズを縮小することもできます。
使用容量を調査すると、特定の文書要素に使用されている合計バイト数を示したレポートが得られます。文書要素は、フォント、画像、ブックマーク、フォーム、名前付き宛先、コメント、合計ファイルサイズなどです。調査結果は、バイト数とファイル全体のサイズに占める割合(パーセント)で表示されます。
ハンバーガーメニュー (Windows)またはファイルメニュー(macOS)から、その他の形式で保存/最適化された PDF またはすべてのツール/PDF を圧縮の順に選択し、「高度な最適化」を選択します。PDF の最適化ダイアログが開きます。
ダイアログで「容量を調査」を選択します。
コンテンツパネルで PDF の容量を調査することもできます。ハンバーガーメニュー (Windows)/表示、または表示メニュー(macOS)を選択し、表示切り替え/サイドパネル/コンテンツを選択します。コンテンツパネルのオプションメニューから、「容量を調査」を選択します。
Acrobat で PDF を開きます。
ハンバーガーメニュー (Windows)またはファイルメニュー(macOS)から、その他の形式で保存/サイズが縮小された PDFを選択します。
ファイルの保存先を選択し、「保存」を選択します。Acrobat に、PDF サイズの縮小が成功したことを示すメッセージが表示されます。
すべてのツール/PDF を圧縮に移動し、「複数のファイル」を選択します。
文書を配置ダイアログで、ファイルを追加/ファイルを追加を選択します。
ファイルを追加ダイアログで、追加するファイルを選択し、確認します。
目的のバージョンの互換性を選択し、「OK」を選択します。
すべてのユーザーが Acrobat または Acrobat Reader を使用している場合、互換対象を最新バージョンに限定することで、さらにファイルサイズを減らすことができます。
出力オプションダイアログで、目的のフォルダーとファイル名の設定を指定します。
ハンバーガーメニュー (Windows)またはファイルメニュー(macOS)から、その他の形式で保存/最適化された PDFまたはすべてのツール/PDF を圧縮の順に選択し、「高度な最適化」を選択します。PDF の最適化ダイアログが開きます。
デフォルト設定を使用するには、プリセットメニューの「標準」を選択して、手順 6 に進みます。PDF の最適化ダイアログボックスで設定を変更すると、プリセットメニューは自動的に「カスタム」に切り替わります。
互換性を確保メニューから「既存を保持」を選択して現在の PDF バージョンを維持するか、または Acrobat のバージョンを選択します(このパネルに表示されるオプションは、選択した Acrobat のバージョンによって異なります)。
パネル(画像、フォント、透明など)の隣にあるチェックボックスを選択して、そのパネルのオプションを選択します。パネルのオプションを無効にするには、対応するチェックボックスの選択を解除します。
(オプション)カスタマイズした設定を保存するには、「保存」を選択し、設定に名前を付けます(保存した設定を削除するには、プリセットメニューでその設定を選択し、「削除」を選択します)。
必要なオプションを選択したら、「OK」を選択します。
最適化して別名で保存ダイアログボックスで「保存」を選択し、元の PDF を最適化した PDF で上書きします。または必要に応じて、新しい名前や別の保存先を選択します。
複数の文書を一度に最適化する場合は、アクションウィザードの「出力オプション」を使用します。
PDF のサイズを縮小するには、PDF の最適化ダイアログボックスのパネルからオプションを使用します。
PDF の最適化の画像パネルを使用すると、カラー画像、グレースケール画像、白黒画像の圧縮および画像のダウンサンプルのオプションを設定できます。
必要に応じて次のオプションを指定します。
ダウンサンプリング
画像の解像度を低くすることによってファイルサイズを縮小する方法です。この場合、元のカラーピクセルを結合して大きいピクセルが生成されます。
注意:マスクされた画像および 16 x 16 ピクセルより小さい画像はダウンサンプルされません。
圧縮
不要なピクセルデータを除去することによってファイルサイズを縮小します。一般に、写真などのカラーグラデーションを含む画像に対しては、JPEG 圧縮および JPEG2000 圧縮を使用すると高い圧縮率が得られます。広い領域が単色で塗りつぶされているイラストや、単色の組み合わせによるパターンには、ZIP が適しています。白黒画像の場合は、CCITT より JBIG2 圧縮が適しています。PDF の最適化では JBIG2 圧縮を使用できますが、Distiller では使用できません。
画質
JPEG および JPEG2000 形式でのみ使用できます。一般に、JPEG と JPEG2000 は、ピクセルデータの一部が完全に削除される非可逆圧縮方式です。カラー画像に対しては、劣化を伴う JPEG 圧縮または JPEG2000 圧縮を様々なレベル(最低、低、中、高、最高)で適用できます。JPEG2000 圧縮の場合は劣化なしを指定し、ピクセルデータが削除されないようにすることもできます。白黒画像の圧縮は、JBIG2 圧縮を除き劣化なしです。JBIG2 圧縮では、劣化ありと劣化なしの圧縮モードが用意されています。
タイルの大きさ
JPEG2000 形式でのみ使用できます。圧縮する画像を指定したサイズのタイルに分割します(画像の高さまたは幅がタイルサイズの偶数倍でない場合、エッジに部分タイルが使用されます)。各タイルの画像データは個別に圧縮され、個別に解凍できます。デフォルト値の 256 をお勧めします。
サイズが縮小される場合のみ画像を最適化
このオプションを選択すると、画像の設定によってファイルサイズが増加する場合には、その画像の最適化が行われません。
元の文書と完全に一致させるには、使用されているすべてのフォントを埋め込みます。完全に一致させる必要はなく、ファイルサイズを小さくしたい場合は、欧文テキストや日中韓言語テキスト(繁体中国語、簡体中国語、韓国語および日本語)のフォントの埋め込みを省きます。元のフォントを持たないシステムで表示すると、これらの言語のテキストは代替フォントに置き換えられます。PDF の最適化のフォントパネルには、埋め込み解除が可能なフォントと埋め込み解除を行うフォントの 2 つのリストが含まれています。一部のフォントは埋め込みを解除できず、フォントパネルに表示されません。文書内の 1 つまたは複数のフォントを埋め込みフォントリストで選択し、「埋め込み解除」ボタンを選択して、文書に埋め込まれているフォントの埋め込みを解除します。埋め込みフォントのサブセットを埋め込まない場合は、「すべての埋め込みフォントをサブセット化する」の選択を解除します。文書内のすべてのフォントの埋め込み解除を防止するには、「フォントの埋め込みを解除しない」を選択します。
PDF に透明効果を持つアートワークがある場合は、PDF の最適化の透明パネルのプリセットを使用して、透明効果を統合してファイルサイズを小さくします(統合では、ベクターベースの領域とラスタライズされた領域に分割することで、対応するアートワークに透明効果が組み込まれます)。PDF の最適化では、他の最適化オプションを適用する前に、文書内のすべてのページに透明オプションが適用されます。
「Acrobat 4.0 以降」の互換性設定を選択した場合、透明パネルが有効になり、最適化時にファイル内のすべての透明部分が統合されます。これにより、透明効果をサポートしていない Acrobat 4.0 以前のバージョンとの互換性が維持されます。
分割・統合のプリセットを作成すると、透明パネルにデフォルトのプリセットと共に表示されます。
ファイルの保存後に、透明効果の統合を取り消すことはできません。
オブジェクトを破棄パネルでは、PDF から削除するオブジェクトを指定し、CAD 描画の曲線を最適化できます。Acrobat およびその他のアプリケーションで作成されたオブジェクトを破棄できます。オブジェクトを選択すると、PDF 内に出現するそのオブジェクトがすべて削除されます。
「破棄するオブジェクトの設定」セクションでは、次に示すオプションやその他のオプションを選択できます。
フォーム送信、取り込み、リセットのアクションをすべて破棄
フォームデータの送信または読み込みに関連するすべてのアクションを無効にし、フォームフィールドをリセットします。このオプションでは、アクションがリンクされたフォームオブジェクトは保持されます。
フォームフィールドの統合
ルックアンドフィールを変えることなく、フォームフィールドを使用不可にします。フォームデータはページに結合され、ページコンテンツになります。
すべての JavaScript アクションを破棄
JavaScript を使用している PDF 内のアクションをすべて削除します。
すべての代替画像を破棄
画面表示用の画像を除き、画像のすべてのバージョンを削除できます。一部の PDF には、低解像度での画面表示や高解像度での印刷などの様々な目的に対応するために、同じ画像の複数のバージョンが含まれています。
埋め込まれたサムネール画像を破棄
埋め込まれたサムネール画像を削除できます。このオプションは、ページサムネールボタンを選択してからサムネールの描画に時間がかかる、サイズの大きい文書で便利です。
文書タグを破棄
文書からタグを削除できます。このオプションを選択すると、テキストのアクセシビリティと折り返し機能も削除されます。
曲線のコントロールポイントを減らす
CAD 描画で曲線の作成に使用されるコントロールポイントの数を削減できます。この結果、PDF ファイルのサイズが小さくなり、画面のレンダリングが高速になります。
画像のフラグメントを検出して結合
薄いスライスにフラグメント化された画像またはマスクを探し、それらのスライスを 1 つの画像またはマスクに結合するよう試みることができます。
埋め込まれた印刷設定を破棄
文書に埋め込まれた印刷設定(ページの拡大 / 縮小や両面印刷モードなど)を削除します。
埋め込まれた検索用インデックスを破棄
埋め込まれた検索用インデックスを削除します。これによってファイルのサイズが小さくなります。
しおりを破棄
PDF からすべてのしおりを削除します。
ユーザーデータを破棄パネルを使用して、配布したり他の人と共有したくない個人情報を削除できます。個人情報が見つからない場合は、非表示になっている可能性があります。「文書の検査」コマンド(すべてのツール/PDF を墨消し/非表示情報をすべて削除を選択し、さらに非表示情報を検索して削除することを選択)を使用して、非表示のテキストおよびユーザー関連情報を検索することができます。
すべてのコメント、フォーム、マルチメディアを破棄
PDF からすべてのコメント、フォーム、フォームフィールド、マルチメディアを削除します。
文書情報とメタデータを破棄
文書情報辞書およびすべてのメタデータストリーム内の情報を削除します(「名前を付けて保存」コマンドを使用して、メタデータストリームを PDF のコピーに戻します)。
すべてのオブジェクトデータを破棄
PDF からすべてのオブジェクトを削除します。
添付ファイルを破棄
コメントとして PDF に追加された添付ファイルを含めて、すべての添付ファイルを削除します(PDF の最適化では、添付ファイルは最適化されません)。
外部相互参照を破棄
他の文書へのリンクを削除します。PDF 内の他の場所にジャンプするリンクは削除されません。
他のアプリケーションのプライベートデータを破棄
その PDF 文書を作成したアプリケーションでしか使用しない情報を文書から削除できます。これにより、PDF の機能が影響を受けることなく、ファイルサイズが小さくなります。
非表示レイヤーを破棄し、表示レイヤーを統合
ファイルサイズを縮小できます。最適化された PDF 文書は元の PDF と同じように見えますが、レイヤー情報を含まない文書となります。
PDF の最適化ダイアログの最適化パネルのオプションを使用すると、冗長な項目を文書から削除できます。文書の使用目的に合わなくなった古い要素や不要な要素が該当します。特定の要素を削除すると、PDF の機能に重大な影響を与えることがあります。デフォルトでは、機能に影響を与えない要素だけが選択されています。オプションの削除による影響を十分に理解しているのでない限り、デフォルトの設定を使用してください。
オブジェクト圧縮オプション
ファイルで Flate 圧縮を適用する方法を指定します。
エンコードされていないストリームに Flate 圧縮を使用
エンコードされていないすべてのストリームに Flate 圧縮を適用します。
LZW エンコーディングを使用するストリームで Flate 圧縮を使用
LZW エンコーディングを使用するすべてのコンテンツストリームおよび画像に Flate 圧縮を適用します。
無効なしおりを破棄
削除された文書内のページをポイントするしおりを削除します。
無効なリンクを破棄
宛先が無効なリンクを削除します。
参照していない移動先を破棄
PDF 文書内から参照されていない名前付き宛先を削除できます。このオプションは、他の PDF ファイルや web サイトからのリンクをチェックしないので、一部のワークフローには適さない場合があります。
ページコンテンツを最適化
すべての行末文字をスペース文字に変換します。この結果 Flate 圧縮が向上します。
Web 表示用に PDF を最適化
PDF 文書を再構築し、web サーバーから 1 ページ単位でダウンロード(バイトサービング)できるようにします。
Web 表示用に最適化すると、PDF 文書が再構成され、web サーバーからページ単位でダウンロード(バイトサービング)できるようになります。Web 表示用に最適化した場合、PDF 全体ではなく、要求したページだけが web サーバーから送信されます。ダウンロードに時間がかかるサイズの大きい文書では、このオプションを選択すると特に効果的です。
Web 管理者に問い合わせて、web サーバーソフトウェアがページ単位のダウンロードをサポートしているかどうか確認してください。Web サイト上の PDF 文書を古いバージョンのブラウザーで表示できるようにするには、(ASP スクリプトや POST メソッドへのではなく)文書への HTML リンクを作成します。また、短いパス名(256 文字以下)を使用します。
Acrobat で PDF を開きます。「ハンバーガー」メニュー の「ドキュメントプロパティ 」を選択 します。「概要」パネルの右下にある「Web 表示用に最適化」設定を確認します(「はい」または「いいえ」)。
次の手順で、PDF の作成時に「Web 表示用に最適化」が有効に設定されていることを確認します。
環境設定ダイアログボックスの「分類」から「文書」を選択します。
ダイアログボックスの右側の「保存の設定」セクションで、「Web 表示用に最適化して保存」が選択されていることを確認し、「OK」を選択します。
「Web 表示用に最適化」設定を環境設定で確認し、ファイルが「Web 表示用に最適化」に設定されていないことを PDF のプロパティで確認したら、この手順を使用します。
PDF を開きます。ハンバーガーメニュー (Windows)またはファイルメニュー(macOS)から、「別名で保存」を選択します。同じファイル名と保存先を選択します。
既存のファイルを上書きすることを確認するメッセージが表示されるので、「OK」を選択します。
Acrobat Pro では、「Web 表示用に準備」アクションを使用して、Adobe PDF ファイルのフォルダー全体で「Web 表示用に最適化」を素早く有効にすることもできます。「アクションの実行」を参照してください。