長期的なアーカイブのために PDF/A ワークフローを強制

署名済みの文書が、将来にわたって読みやすく、アクセス可能で、コンプライアンスに準拠した状態を維持できるようにします。

PDF/A は、長期的な文書保存のために開発された特殊な形式です。 この形式では、暗号化、外部フォント、サポートされていないマルチメディアなどの機能が制限されており、ファイルを自己完結型に保ち、時間が経ってもアクセス可能な状態を維持します。

PDF/A を使用すると、法規制要件への対応、文書の完全性の保護、将来的なファイル形式の問題の回避が可能になります。 Acrobat Sign では、アップロードから署名、保存に至るまで、契約書のワークフロー全体にわたって PDF/A 準拠が徹底されています。

PDF/A ワークフローは、金融、医療、および官公庁などの長期保存が求められる組織にとって特に便利です。

PDF/A ワークフローを使用する利点

  • コンプライアンスおよび保管に関する規制への対応
  • 読みやすく安定した文書形式の維持
  • アーカイブファイルの再フォーマットや移行にかかるコストの回避
  • 署名済みレコードの整合性に対する信頼の向上

設定

利用対象:

  • Acrobat Standard および Acrobat Pro:設定不可
  • Acrobat Sign Solutions:サポート対象
  • Acrobat Sign for Government:サポート対象

設定範囲:

管理者は、アカウントレベルとグループレベルでこの機能を有効にできます。

この機能にアクセスするには、管理者の設定メニューから、グローバル設定/PDF/A ワークフローに移動します。

PDF/A ワークフローのコントロールがハイライト表示されているグローバル設定ページ。

次の設定が使用可能です。

この設定を有効にするには、アップロードされるすべての文書が PDF/A-2b 準拠である必要があります。 これには、送信者または署名者が「添付ファイル」フィールドを通じて追加する、最初のソース文書、添付ライブラリ文書、および添付ファイルが含まれます。

  • PDF/A 標準に準拠していない PDF は拒否されます。
  • PDF 以外のすべてのファイル形式も拒否されます。 
ファイルが PDF-A 仕様に準拠していないことを示すアップロードエラーが表示された「署名を依頼」ページ

注意:

この機能を有効にすると、アップロード可能なファイルは PDF 形式に厳密に制限されます。

PDF/A 標準に準拠していない PDF をアップロードして、ソース文書、ライブラリテンプレート、添付ファイルとして使用することが可能になります。 送信者にエラーが表示されない

PDF 以外のすべてのファイル形式も拒否されます。 

競合する設定

PDF/A のコンプライアンスを確保するために、コンプライアンスと競合する設定はユーザーインターフェイスで非表示になります。

作成されたハイパーリンクフィールドには、外部リンクを使用するオプションはありません。 契約書ページ内のリンクのみが許可されます。

通常のハイパーリンクオプションと、外部リンクを排除した非表示バージョンの例。

 署名済み文書のパスワード保護に関する管理者コントロールでは、電子印鑑のパスワードの適用を許可するオプションが非表示に変更されます。

元の表示と、パスワードを追加するオプションの両方が抑制された署名済み文書のパスワード保護の管理者コントロール。

「署名を依頼」インターフェイスと「ワークフローデザイナー」インターフェイスの両方で、ユーザーレベルでのパスワード追加オプションが削除されます。

非表示された契約書設定の「パスワードを追加」コントロール

Acrobat Sign は、PDF/A 文書の編集またはデジタル署名をサポートしていません。

「PDF/A ワークフロー」を有効にすると、デジタル署名ワークフローの「ダウンロードして Acrobat で署名」オプションが自動的に無効になります。 契約書は、クラウドベースの署名を使用して署名する必要があります。

使用方法

有効にすると、PDF/A ワークフローには、完全な準拠を確認するための検証ステップが含まれます。

  • PDF 文書は、PDF/A-2b 標準規格に準拠して検証されます。
  • PDF/A 要件を満たすファイルは、署名プロセス全体を通じて承認され、保持されます。
  • 文書の検証に失敗すると、契約書がブロックされ、エラーメッセージが表示されます。
    • {File Name} : ファイルが PDF/A 仕様に準拠していません - アップロードされたファイルが PDF/A-2b 要件を満たしていないことを示します。
    • {File Name} : ファイルをアップロードできません - パスワード保護または暗号化によってファイルのアップロードがブロックされていることを示します。

署名済み文書とその監査レポートには、PDF/A ステータスを識別するコンプライアンスマーカーが含まれます。

PDF-A 準拠を示すシールバナーを含んだ署名済み契約書

監査レポートおよびアクティビティログ

PDF/A ワークフローでは、契約書が PDF/A 準拠であること、およびその PDF/A 準拠レベルを示す監査イベントが生成されます。

アクティビティログには、次のような場合も、メモが含まれます。 

PDF-A 標準イベントがハイライト表示された監査レポート

API の動作

PDF/A ワークフローが有効になっている場合、関連する API には同じ制限が適用されます。

  • 外部タイプのハイパーリンクフィールドには、INVALID_HYPERLINK_TYPE エラーが返されます。
  • パスワードで保護されたセキュリティオプションは、PDFA_PASSWORD_PROTECTED_NOT_ALLOWED エラーを返します。
  • PDF/A 以外のファイルを含む API リクエストは、「PDF/A エラーを無視」設定が有効になっていない限り、拒否されます。

知っておくべきこと

PDF/A コンプライアンスにより、Acrobat Sign の以下の特定の機能に制限が適用されます。

  • パスワード保護は、PDF/A 契約書では無効になっています。 
    • 契約書に「署名済み文書のパスワード保護」を追加するオプション(契約書設定またはワークフローデザイナーを介して)は、パスワードの適用を防止するために抑制されます。
    • 署名済み文書のパスワードを要求する管理者メニューのコントロールが変更され、パスワードを許可するすべてのオプションが削除されます。
  • 外部のハイパーリンクは使用できません。 ハイパーリンクフィールドは、文書内のページベースのリンクに限定されます。 
    • 契約書にフィールドを作成すると、ハイパーリンクフィールドタイプにより、外部のハイパーリンクを含めるオプションが削除されます。
  • 暗号化」は、文書を復号するためにパスワードが必要でなくても、無効になります。 署名済み PDF/A 文書は、ダウンロード後に暗号化されません。
  • 準拠しない添付ファイルは拒否されます。 アップロードされた添付ファイルも、受信者からのアップロードを含む PDF/A-2b 準拠である必要があります。

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