テキストに対する斜体の適用
文字を斜めに傾ける場合、従来の写植技術では、字形をフィルムにセットしたまま、レンズを使用して歪めていました。この傾斜スタイルを斜体と言います。斜体では、字形が拡大 / 縮小されるので、単純に字形を傾けたものとは異なります。InDesign の斜体機能を使用すると、字形の高さを変えずに、傾斜させるテキストの中心点からの縮小率や角度を調整することができます。
A. 拡大 / 縮小の適用なし B. 縮小率 30%、45 斜体 C. 「ツメの調整」オプションを選択 D. 「ライン揃え」オプションを選択
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テキストを選択します。
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文字パネルメニューまたはコントロールパネルメニューから「斜体」を選択します。
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次のオプションを指定して、「OK」をクリックします。
「縮小率」で、字形の歪みの割合を指定します(従来の写植技術と対比した場合、10 %の縮小は 1 番レンズと同等で、40 %の縮小は 4 番レンズと同等です)。
「角度」で、30、45 または 60 度を指定して傾斜の角度を設定します。
横組みテキストで横組みの行が水平に表示され、縦組みテキストで縦組みの行が垂直に表示されるように、「ライン揃え」を選択して字体を回転させます。
字送りを詰めるには「ツメの調整」を選択します。
斜体をテキストに適用した後、文字を個々に回転させて傾斜効果を微調整することもできます。
文字の回転
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文字を選択します。
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文字パネルで、「文字回転」 に値を入力します。マイナスの値を指定すると、文字が右回り(時計回り)に回転します。
文字の前後のアキ量の調整
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文字ツールを使用して、開く括弧類または閉じ括弧類を選択します。
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文字パネルの「文字前のアキ量」 または「文字後のアキ量」 で、追加するアキの量を選択します。
例えば、「二分」を指定すると 2 分の 1 の全角スペースに設定され、「四分」を指定すると 4 分の 1 の全角スペースに設定されます。行が両端揃えに設定されている場合、このアキは調整されません。アキの調整は、「文字組みアキ量」の設定を特定の文字について変更する場合に特に役立ちます。
縦中横の使用
「縦中横」(組文字または連文字とも呼びます)を使用すると、縦組みテキストの一部を横組みテキストにすることができます。縦組みテキストでは、数字、日付、短い外国語の単語などの半角文字を縦中横にすると読みやすくなります。
「縦中横設定」コマンドを使用すると、テキストを左、右、上、下に移動することができます。また、特定の半角文字に対して「自動縦中横」を設定することもできます。「自動縦中横」は段落属性として設定するオプションです。
文字パネルの「文字ツメ」または字送りを使用して、縦中横の文字間隔を調整できます。
縦中横の適用
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縦中横を適用するテキストを選択します。
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次のいずれかの操作をおこないます。
文字パネルメニューまたはコントロールパネルメニューの「縦中横」を選択します。
文字パネルメニューまたはコントロールパネルメニューから「縦中横設定」を選択し、縦中横設定ダイアログボックスの「縦中横」を選択して、「OK」をクリックします。
複数の縦中横の文字が連続する場合、それぞれを分離させるには結合なしの文字を使用します。書式/特殊文字を挿入/その他/結合なしを選択します。
縦中横の削除
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縦中横を適用するテキストを選択します。
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次のいずれかの操作をおこないます。
文字パネルメニューまたはコントロールパネルメニューの「縦中横」を選択してキャンセルします。
文字パネルメニューから「縦中横設定」を選択して、縦中横設定ダイアログボックスの「縦中横」の選択を解除し、「OK」をクリックします。
縦中横設定の変更
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文字パネルメニューの「縦中横設定」を選択します。
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「上下位置」で、テキストを上下方向に移動する値を指定します。プラスの値を指定するとテキストは上方向に移動し、マイナスの値を指定すると下方向に移動します。
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「左右位置」で、テキストを左右の方向に移動する値を指定します。プラスの値を指定するとテキストは右方向に移動し、マイナスの値を指定すると左方向に移動します。
特定の段落に対する自動縦中横の設定
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自動縦中横を設定するテキストを選択するか、段落にテキスト挿入点を置きます。
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段落パネルメニューから「自動縦中横設定」を選択します。
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「組数字」で、連続する半角文字を何文字まで縦方向に回転するかを桁数で指定します。例えば、2 と指定すると、「123」という文字列は回転しませんが、「12」は回転します。
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縦中横を欧文テキストに適用したい場合は、「欧文も含める」を選択し、「OK」をクリックします。
テキストへのルビの追加
日本語では、ルビ(ふりがなとも言います)は、通常、漢字の読みをひらがなで表すために使用します。ルビは、簡体中国語ではピンインと呼ばれ、繁体中国語ではチューインと呼ばれます。InDesign では、日本語のルビについては完全サポートを提供し、中国語のピンインとチューインについては限定的にサポートしています。ルビの位置、サイズ、カラーを指定して、ルビ設定を調整することができます。また、ルビが親文字よりも長いときのルビの配置を指定することもできます。ルビに縦中横を適用することもできます。
ルビをふる親文字が 2 行にわたっている場合、親文字は次の行に移動し、ルビが追加されます。
特定の状況(変数を含むスタイルを適用した場合など)では、ルビ文字が削除されることがあります。
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ルビをふるテキストを選択します。選択したテキストに強制改行が含まれている場合は、ルビをふることはできません。
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文字パネルメニューまたはコントロールパネルメニューの「ルビ」から「ルビ」を選択します。
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「ルビ」にルビ文字を入力します。
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ルビ設定を変更するには、ダイアログボックス左側のオプションを選択し、設定を指定します。
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「OK」をクリックします。
ルビ設定
ルビダイアログボックスの各パネルには次のオプションがあります。
ルビの位置と間隔
「種類」では、「モノルビ」または「グループルビ」を選択します。「モノルビ」を選択したときは、ルビ文字を入力する際に半角または全角の空白を入力して、各親文字に割り当てるルビ文字列を区切ります。例えば、「白熱灯」にルビをふる場合、「はくねつとう」と入力します。
「揃え」で、ルビ文字の位置を指定します。サンプルフィールドに表示されるグラフィックで位置を確認できます。
横組みテキストの上または縦組みテキストの右にルビを付けるには、「位置」で「親文字の上 / 右」を選択し、横組みテキストの下または縦組みテキストの左にルビを付けるには、「親文字の下 / 左」を選択します。
「横組み左右 / 縦組み上下」と「横組み上下 / 縦組み左右」で、ルビと親文字の間隔を指定します。マイナスの値を入力すると、ルビが親文字に近づきます。
ルビのフォントとサイズ
「フォント」で、フォントファミリーとフォントスタイルを選択します。
「サイズ」で、ルビ文字のサイズを指定します。デフォルトのルビサイズは、親文字の半分です。
「水平比率」と「垂直比率」で、ルビ文字の高さと幅の比率を指定します。
ルビの異体字(利用できる場合)を使用するには、「OpenType Pro のルビ字形を使用」を選択します。一部の OpenType Pro フォントには、ルビ専用のかな文字が用意されている場合があります。このオプションを選択すると、標準のかな文字の字形ではなく、ルビ専用の字形が使用されます。
「組数字」で、連続する半角文字を何文字まで縦方向に回転するかを桁数で指定します。例えば、2 と指定すると、「123」という文字列は回転しませんが、「12」は回転します。
縦中横を欧文文字に適用する場合は、「欧文も含める」を選択します。
OpenType 機能を使用するか字形を拡大 / 縮小して、ルビ文字と同じサイズ(1 em 四方)を持つ縦中横に強制的に実行するには、「幅に合わせる」を選択します。
ルビが親文字より長ときの調整
ルビ文字全体の幅が親文字全体の幅より長い場合、「文字かけ処理」で指定した幅のルビが親文字の両隣の文字にかかります。日本語では、文字かけ対象の文字種は JISx4051-1995 規格に準拠しています。
ルビをふるのに必要な親文字の間隔を「親文字間の調整」で指定します。サンプルフィールドに表示されているグラフィックは、別のオプションを選択すると更新されます。
ルビの文字幅を自動的に調整するには、「ルビの文字幅を自動的に詰める」を選択して、ルビの文字幅を詰める比率を指定します。
親文字を行の先頭と最後に合わせるには、「自動行頭 / 行末揃え」を選択します。
ルビカラー
リストボックスでカラースウォッチを選択します。
必要に応じて、濃淡の割合と線幅を指定します。
ルビ文字の塗りまたは線のオーバープリントを設定するには、「塗りオーバープリント」または「線オーバープリント」を選択します
(オーバープリントを手動で使用するかどうかの判別を参照してください)。
圏点の適用
圏点(傍点とも言います)は、強調したい文字に付加する点のことです。既定の圏点の字体から点の種類を選択したり、カスタマイズした圏点文字を指定したりすることができます。また、圏点の設定を調整して、位置、サイズ、カラーを指定することもできます。
圏点の適用
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強調する文字を選択します。
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文字パネルメニューまたはコントロールパネルメニューの「圏点」から「蛇の目」や「白丸」など、圏点文字を選択します。
圏点の設定と色の変更
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文字パネルメニューまたはコントロールパネルメニューの「圏点」から「圏点」を選択します。
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「圏点設定」で、次のオプションを指定します。
圏点種類
「蛇の目」や「白丸」などの圏点文字を選択します。「カスタム」を選択して、カスタム文字を指定します。直接文字を入力することも、特定の文字セットの文字コード値を指定することもできます。
位置
圏点と親文字との間の間隔を指定します。
表示される場所
横組みテキストの上または縦組みテキストの右に圏点を付けるには「上 / 右」、横組みテキストの下または縦組みテキストの左に圏点を付けるには「下 / 左」を選択します。
サイズ
圏点文字のサイズを指定します。
揃え
圏点を文字の仮想ボディの中央に表示する(「中付き」)か、左端(縦組みテキストの場合は上端)に表示する(「肩付き」)かを指定します。
水平比率と垂直比率
圏点文字の高さと幅の比率を指定します。
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圏点のカラーを変更するには、リストボックスから「圏点カラー」を選択し、次のオプションを指定します。
リストボックスからカラースウォッチを選択します。
必要に応じて、濃淡の割合と線幅を指定します。
圏点文字の塗りまたは線のオーバープリントを設定するには、「塗りオーバープリント」または「線オーバープリント」を選択します
(オーバープリントを手動で使用するかどうかの判別を参照してください)。
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「OK」をクリックします。
サイズの異なる文字の揃え
異なるサイズの文字を 1 行に配置するとき、「文字揃え」設定を使用して、行内の最も大きい文字にテキストを揃える方法を指定することができます。文字を仮想ボディの上、中央または下に揃えたり(縦組みフレームの場合は右、中央、左)、欧文ベースラインに揃えたり、平均字面の上または下(縦組みフレームの場合は右または左)に揃えたりすることができます。平均字面(ICF)とは、フォントデザイナがフォントを構成する全角文字をデザインするときに使用する標準の高さと幅です。
A. サイズの異なる文字を全角文字の上端に揃える B. サイズの異なる文字を全角文字の中央に揃える C. サイズの異なる文字を全角文字の下端に揃える
行のすべての文字が同じサイズの場合は、「文字揃え」を適用しても効果はありません。
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文字を揃える行またはテキストの範囲を選択するか、選択ツールを使用してテキストフレームを選択します。
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文字パネルメニューまたはコントロールパネルメニューの「文字揃え」から、以下のいずれかのオプションを選択します。
「欧文ベースライン」は、行にある小さい文字を、大きい文字のベースライングリッドに揃えます。
「仮想ボディの上 / 右」、「仮想ボディの中央」または「仮想ボディの下 / 左」は、行にある小さい文字を、大きい文字の仮想ボディの指定位置に揃えます。縦組みテキストでは、「仮想ボディの上 / 右」はテキストを仮想ボディの右側に揃え、「仮想ボディの下 / 左」は段落を仮想ボディの左側に揃えます。
「平均字面の上 / 右」または「平均字面の下 / 左」は、行にある小さい文字を、大きい文字の指定平均字面に揃えます。縦組みテキストでは、「平均字面の上 / 右」はテキストを平均字面の右側に揃え、「平均字面の下 / 左」はテキストを平均字面の左側に揃えます。