モニターの電源は 30 分以上入れたままにしてください。これによって、ウォームアップが十分行われて画面の表示が安定します。
カラープロファイルについて
正確で一貫したカラーマネジメントを行うには、使用するすべてのカラーデバイスについて、ICC 準拠の正確なプロファイルを使用する必要があります。例えば、スキャナーのプロファイルが正しくないと、適切にスキャンされた画像でも、スキャナーと画像を表示するプログラムの色域が違うだけで、別のプログラムでは正しく表示されないことがあります。このような表示上の問題が原因で、既に最適に設定されている画像に対して不必要な「修正」を加え、結果的に画像の正確な色が損なわれる場合も考えられます。正しいプロファイルを使用すると、画像の読み込み先のプログラムでデバイスとの色域の違いを補正し、スキャンされた実際の色を見ることができます。
カラーマネジメントシステムは次の種類のプロファイルを使用します。
モニタープロファイル
モニターが現在どのように色を再現するかを定義します。モニター上で色を正確に表示できれば、デザインの段階で重要な色を決定できるので、最初にこのプロファイルを作成してください。モニターに表示される色が、ドキュメント内の実際の色と異なっている場合は、正確な色を維持できていません。
入力デバイスプロファイル
入力デバイスが取り込むまたはスキャンできる色を定義します。デジタルカメラでプロファイルを選択することができる場合は、Adobe RGB を選択することをお勧めします。それ以外の場合は、sRGB(ほとんどのデジタルカメラにおける初期設定)を使用します。また、上級ユーザーによっては、光源別に異なるプロファイルを使用することも検討するかもしれません。スキャナーのプロファイルの場合、写真家によっては、スキャナーでスキャンしたフィルムの種類や製造元別に異なるプロファイルを作成することもあります。
出力デバイスプロファイル
デスクトッププリンターや印刷機器などの出力デバイスのカラースペースを定義します。カラーマネジメントシステムは出力デバイスプロファイルを使用して、ドキュメント内の色を出力デバイスのカラースペースの色域内の色に適切にマッピングします。また、出力デバイスプロファイルは、用紙とインクのタイプのような特定の印刷条件を考慮に入れて作成する必要があります。例えば、光沢紙はマットコート紙とは異なる範囲の色を表示できます。
ほとんどのプリンタードライバーにはカラープロファイルが内蔵されています。カスタムプロファイルを購入する前に、これらの内蔵のプロファイルを試してみることをお勧めします。
ドキュメントプロファイル
(PDF には該当しません)文書の特定の RGB または CMYK カラースペースを定義します。ドキュメントにプロファイルを割り当てる(プロファイルのタグを付ける)ことによって、アプリケーションはドキュメント内の色の外観を定義することができます。例えば、R=127、G=12、B=107 という数値のセットだけでは、様々なデバイス間で異なった色が再現されます。しかし、Adobe RGB カラースペースのタグを付けると、これらの数値は実際の色(光の波長)を指定します。この例では、紫の特定の色を指定しています。
カラーマネジメントがオンの場合、アドビアプリケーションはカラー設定ダイアログボックス内の「作業用スペース」オプションに基づいて、プロファイルを新規のドキュメントに自動的に割り当てます。プロファイルが埋め込まれていないドキュメントは、タグなしドキュメントとも呼ばれ、作成時のカラー値の情報だけを持っています。タグなしドキュメントで作業するとき、アドビアプリケーションは色の表示および編集に現在の作業用スペースプロファイルを使用します。
A. プロファイルに、入力デバイスとドキュメントのカラースペースが定義されます。 B. プロファイルの定義を使用して、カラーマネジメントシステムはドキュメントの実際の色を識別します。 C. モニタープロファイルは、ドキュメントの数値をモニターのカラースペースに変換する方法をカラーマネジメントシステムに伝えます。 D. 出力デバイスプロファイルに基づいて、カラーマネジメントシステムは、実際の色が印刷されるように、ドキュメントの数値を出力デバイスのカラー値に変換します。
モニターのキャリブレーションと特性の指定について
プロファイル作成ソフトウェアでは、モニターのキャリブレーションと特性の指定の両方を実行できます。モニターのキャリブレーションとは、あらかじめ定義された規格に準拠するようにモニターを調整することです。例えば、グラフィックアートにとって標準の白色点の色温度(5,000 K)を使用して色を表示するようにモニターを調整します。モニターの特性の指定とは、単に、モニターが現状でどのように色を再現しているかを示すプロファイルを作成することです。
モニターのキャリブレーションには、次のようなビデオ設定の調整も含まれます。
明度とコントラスト
モニターの明度とコントラストを表します。これらのパラメーターは、テレビの場合と同じように動作します。モニターのキャリブレーションユーティリティを使用すると、キャリブレーションに最適な明るさとコントラストの範囲を設定することができます。
ガンマ
中間調値の明度を表します。ブラックからホワイトまでの変化は、モニター上に直線的には表現されません。明度の値をグラフにすると、直線ではなく曲線になります。「ガンマ」は、ブラックとホワイトの間に描かれる曲線の形を決定する値です。
蛍光体
CRT モニターの光源を表します。各蛍光体にはそれぞれ異なるカラー特性があります。
白色点
モニターが再現できる最も明るいホワイトの明度を指定します。
モニターのキャリブレーションおよびプロファイルの作成
モニターのキャリブレーションを行うときは、モニターの仕様に準拠するように調整します。モニターのキャリブレーションが完了したら、プロファイル作成ユーティリティでカラープロファイルを保存することができます。プロファイルには、モニターでのカラー処理、つまり、モニターに表示できる色と表示できない色の種類と、色が正確に表示されるように画像内のカラー値を変換する方法が記述されます。
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モニターがフルカラー表示に設定されていることを確認してください。数百万色または 24 ビット以上の表示が理想的です。
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モニターのデスクトップにはカラフルな背景パターンを使用せず、中間色のグレーだけを表示するようにデスクトップを設定してください。ドキュメントの周りに凝ったパターンや鮮やかな色を使用すると、カラーを正確に見分けられなくなるからです。
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モニターのキャリブレーションを行いプロファイルを作成するには、次のいずれかの操作をおこないます。
Windows では、モニターのキャリブレーションユーティリティをインストールし、使用します。
Mac OS では、システム環境設定/ディスプレイの「カラー」タブにある「補正」ユーティリティを使用します。
最良の結果を得るには、サードパーティ製のソフトウェアおよび計測機器を使用します。一般に、計測機器は人間の目よりはるかに正確にモニターに表示された色を測定することができるので、ソフトウェアと共に比色計のような計測機器を使用すると、より正確なプロファイルを作成することができます。
注意:モニターは時間の経過とともに変化し精度が低下するので、月に 1 回は再調整し、プロファイルを保存してください。モニターを標準の状態に戻すことが困難または不可能な場合は、モニターが老朽化し、退色している可能性があります。
多くのプロファイルソフトウェアでは、新しいプロファイルが初期設定のモニタープロファイルとして自動的に割り当てられます。モニタープロファイルを手動で割り当てる方法については、オペレーティングシステムのヘルプシステムを参照してください。
カラープロファイルのインストール
多くの場合、カラープロファイルは、デバイスをシステムに追加するときにインストールされます。これらのプロファイル(汎用プロファイルまたはキャンドプロファイルとも呼ばれる)の精度は製造元によって異なります。また、サービスビューロからデバイスプロファイルを入手するか、Web からプロファイルをダウンロードするか、業務用のプロファイル作成デバイスを使用してカスタムプロファイルを作成することができます。
- Windows の場合は、プロファイルを右クリックし、「プロファイルのインストール」を選択します。あるいは、WINDOWS¥system32¥spool¥drivers¥color フォルダーにプロファイルをコピーします。
- Mac OS の場合は、/ライブラリ/ColorSync/Profiles または /ユーザ/[username]/ライブラリ/ColorSync/Profiles フォルダーにコピーします。
カラープロファイルをインストールした後、アドビアプリケーションを必ず再起動します。
カラープロファイルの埋め込み
カラープロファイルをオブジェクトに埋め込むことができます。Acrobat では、色を置換ダイアログボックスで指定された適切なプロファイルが、PDF の選択されたオブジェクトに添付されます。詳しくは、カラー変換とインキの管理(Acrobat Pro)を参照してください。
カラーを別のプロファイルに変換(Acrobat Pro)
カラー を 印刷工程で使用できる変換ツールを使用して PDF に変換します。詳しくは、カラー変換とインキの管理(Acrobat Pro)を参照してください。