Text Layout Framework(TLF)テキストの操作

重要なお知らせ:

アドビでは、2023 年 1 月に Type 1 フォントを使用したオーサリングのサポートを終了します。詳しくは、PostScript Type 1 のサポート終了に関するヘルプ記事を参照してください。

注意:(Animate のみ)Text Layout Framework は廃止され、Animate でこの機能は使用できません。古いバージョンの Animate で以前に保存された TLF テキストが FLA ファイルに含まれている場合、そのファイルを Animate で開くと、TLF はクラシックテキストに変換されます。

Flash Professional CS5 リリースから、Text Layout Framework(TLF)という新しいテキストエンジンを使用して、FLA ファイルにテキストを追加できるようになりました。TLF では、様々なリッチテキストレイアウト機能とテキスト属性の詳細な設定をサポートしています。TLF テキストを使用すると、以前のテキストエンジン(クラシックテキスト)よりも、細やかにテキストを制御できます。

クラシックテキストよりも強化された TLF テキストの機能を以下に示します。

  • プリント品質のテキスト編集。

  • 追加の文字スタイル(行送り、合字、ハイライトカラー、下線、打ち消し線、大文字と小文字、数字スタイルなど)。

  • 追加の段落スタイル(余白の幅を指定できる複数列のサポート、最終行の位置揃えオプション、インデント、一行目インデント、段落間隔、コンテナパディング値)。

  • 追加の日本語テキスト属性の制御(縦中横、文字組み、禁則処理タイプ、行送りモデル)。

  • TLF テキストをムービークリップシンボルに配置しなくても、3D 回転、カラー効果、ブレンドモードなどの属性を適用できます。

  • 複数のテキストコンテナにわたってテキストをフローさせることができます。これらのコンテナは「スレッド」テキストコンテナまたは「リンク」テキストコンテナと呼ばれます。

  • アラビア語またはヘブライ語のスクリプト用に右から左に表記されるテキストを作成できます。

  • 双方向テキストのサポート。右から左に表記されるテキストに、左から右に表記されるテキストのエレメントを含めることができます。このサポート機能は、アラビア語やヘブライ語のテキスト内に、英単語やアラビア数字を含める場合などに重要となります。

TLF テキストについて

始める前に

テキストを作成するときは、Animate でのテキスト操作に関する以下の基本事項を理解しておくことが重要です。

  • TLF テキストコンテナには、ポイントテキストとエリアテキストの 2 種類があります。ポイントテキストコンテナのサイズは、コンテナに含まれるテキストのみに依存します。エリアテキストコンテナのサイズは、コンテナに含まれるテキストの量とは関係がありません。ポイントテキストがデフォルトのコンテナです。ポイントテキストコンテナをエリアテキストコンテナに変更するには、選択ツールでコンテナのサイズを変更するか、コンテナの境界ボックスの右下隅にある小さい円をダブルクリックします。

  • TLF テキストを使用するには、FLA ファイルのパブリッシュ設定で ActionScript 3.0 および Flash Player 10 以上が指定されている必要があります。詳しくは、パブリッシュ設定を参照してください。

  • TLF テキスト使用時のプロパティインスペクターには、現在のテキスト選択の種類に応じて 3 つの表示モードがあります。

    • テキストツールモード。ツールパネルでテキストツールが選択されており、Animate ドキュメント上のテキストが選択されていない場合。

    • テキストオブジェクトモード。ステージでテキストブロック全体が選択されている場合。

    • テキスト編集モード。テキストブロックが編集中の場合。

  • TLF テキストを使用して作成できるテキストブロックには、実行時にテキストをどのように動作させるかに応じて、以下の 3 種類があります。

    • 読み取り専用:SWF ファイルとしてパブリッシュしたドキュメントのテキストを選択または編集することはできません。

    • 選択可能:SWF ファイルとしてパブリッシュしたドキュメントのテキストを選択したり、クリップボードにコピーしたりできます。ただし編集はできません。この設定は、TLF テキストのデフォルトです。

    • 編集可能:SWF ファイルとしてパブリッシュしたドキュメントのテキストを選択および編集できます。

  • クラシックテキストとは異なり、TLF テキストでは PostScript Type 1 フォントがサポートされていません。TLF でサポートされているのは、OpenType フォントと TrueType フォントのみです。TLF テキストを使用している場合、テキスト/フォントメニューから PostScript フォントは選択できなくなります。他のフォントメニューのいずれかを使用して、TLF テキストオブジェクトに PostScript Type 1 フォントを適用しても、Animate では自動的に _sans デバイスフォントに置き換えられます。クラシックテキストを使用している場合、インストールされているすべての PostScript フォントをフォントメニューから選択できます。

  • TLF テキストでは、実行時に Flash Player で使用できるように、特定の ActionScript ライブラリが必要になります。再生するコンピューターにこのライブラリがない場合は、Flash Player によって自動的にダウンロードされます。ライブラリについて詳しくは、TLF テキストを含む SWF ファイルのパブリッシュを参照してください。

  • TLF テキストは、オーサリング時にレイヤーマスクとして使用することはできません。テキストでマスクを作成するには、ActionScript 3.0 を使用してマスクを作成するか、マスクに対してクラシックテキストを使用します。ActionScript 3.0 開発ガイドの「表示オブジェクトのマスク」を参照してください。

  • TLF テキストのアンチエイリアス設定は、Animate ファイルが SWF ファイルとして書き出されるまではステージに反映されません。アンチエイリアス設定の効果を確認するには、制御/テストコマンド、またはファイル/パブリッシュコマンドを使用します。

  • カスケーディングスタイルシート(CSS)を使用する場合は、ActionScript を使用してスタイルシートを適用します。詳しくは、『ActionScript 3.0 開発ガイド』の「CSS の適用」を参照してください。

  • TLF には、実行時にテキストフローを作成し操作するための多数の ActionScript API が用意されています。これらの API によって、テキスト文字飾り、インラインイメージ、HTML および TLFMarkup 言語の読み取り機能などの、動的コンテンツ作成に役立つ追加機能が使用できます。

クラシックテキストと TLF テキスト間の変換

あるテキストエンジンから別のテキストエンジンへテキストオブジェクトを変換する場合、Animate では大半の書式が保持されます。ただし、テキストエンジンごとに機能が異なっているので、一部の書式(文字間隔や行間など)は多少変更される場合があります。変換後のテキストを十分に検証し、変更されたり失われたりした設定は適用し直してください。

クラシックテキストから TLF テキストへ変換する場合は、1 度だけ変換を行ってください。2 回以上変換したり、逆方向に変換したりしないでください。TLF テキストからクラシックテキストへ変換する場合も同様です。

TLF テキストとクラシックテキスト間を変換する場合、Animate ではテキストの種類を次のように変換します。

  • TLF 読み取り専用テキスト→クラシック静止テキスト

  • TLF 選択可能テキスト→クラシック静止テキスト

  • TLF 編集可能テキスト→クラシック入力テキスト

TLF テキストを含む SWF ファイルのパブリッシュ

正しく機能するために、すべての TLF テキストは、特定の TLF ActionScript ライブラリ(ランタイム共有ライブラリまたは RSL とも呼ばれる)に依存しています。パブリッシュされた SWF ファイルとライブラリは切り離されているので、SWF ファイルサイズは最小限に抑えられます。オーサリングの実行中は、このライブラリは Animate によって提供されます。実行時には、パブリッシュされた SWF ファイルを Web サーバーにアップロードすると、このライブラリが次の方法で提供されます。

  1. ローカルコンピューター。Flash Player は、再生中のローカルコンピューターでライブラリのコピーを検索します。TLF テキストを含んでいる SWF ファイルを以前に再生したことがあるコンピューターでは、ライブラリのローカルコピーがコンピューター上の Flash Player キャッシュ内に既に存在します。TLF テキストが以前からインターネットで使用されていた場合、ライブラリファイルのローカルコピーはほとんどのエンドユーザーのコンピューターに保存されます。ただし、Flash Player のエンドユーザーは自分のコンピューター上でこの機能を無効にすることが可能です。

  2. Adobe.com。使用できるローカルコピーがない場合、Flash Player はライブラリのコピーについてアドビのサーバーに問い合わせます。ライブラリのダウンロードは、1 台のコンピューターにつき 1 回行うだけで済みます。それ以降は、同じコンピューターで再生されるすべての SWF ファイルで、以前にダウンロードしたライブラリのコピーが使用されます。

  3. Web サーバー。何らかの理由でアドビのサーバーを使用できない場合、Flash Player は SWF ファイルが置かれている Web サーバーのディレクトリでライブラリを検索します。このような予備的なバックアップを提供するには、ライブラリファイルを SWF ファイルと共に手動で Web サーバーにアップロードします。サーバー上のライブラリを代替パスとして指定することで、様々な場所にある複数の SWF ファイルから、単一のライブラリのインスタンスを参照することもできます。アセットファイルについて詳しくは、後述の説明を参照してください。

TLF テキストを使用した SWF ファイルをパブリッシュすると、SWF ファイルのディレクトリ内に、Animate によって textLayout_X.X.X.XXX.swz という名前の追加のファイルが作成されます(X はバージョン番号に置き換えられます)。作成されたファイルを、SWF ファイルと共に Web サーバーにアップロードするように選択することもできます。まれなケースですが、アドビのサーバーが何らかの理由で利用できない場合には、この方法を考慮してください。

また、SWF ファイル内でアセットをコンパイルすれば、Flash Player で別途 TLF アセットをダウンロードしなくても済みます。この操作は、FLA ファイルの ActionScript の設定で行うことができます。ただし、パブリッシュ後の SWF ファイルのサイズがかなり大きくなるので、ダウンロードのパフォーマンスを考慮しなくてもよい場合にのみ、アセットを含めるようにしてください。この機能は、外部 URL へのアクセスを禁止されている閉じたネットワークや非公開のネットワークで SWF ファイルをデプロイする場合など、アドビのサーバーを利用できない場合にも役立ちます。

TLF ActionScript アセットをコンパイルしてパブリッシュされる SWF ファイルに含めるには:

  1. ファイル/パブリッシュ設定を選択します。

  2. 「Animate」タブをクリックします。

  3. スクリプトメニューの横にある「設定」ボタンをクリックします。

  4. 「ライブラリパス」タブをクリックします。

  5. デフォルトリンケージメニューの「コードにマージ」を選択します。

様々なデプロイシナリオで TLF ライブラリを扱う場合の推奨事項を次に示します。

  • Web ベースの SWF ファイル:デフォルトのビヘイビアーを使用して、必要な場合に Flash Player による RSL のダウンロードを許可します。

  • AIR ベースの SWF ファイル:RSL をコンパイルして SWF ファイルに含めます。こうしておくと、オフラインでの再生中も、AIR アプリケーションのテキストが支障なく機能します。

  • iPhone ベースの SWF:パフォーマンス上の理由により、iPhone で TLF を使用することはお勧めしません。iPhone で TLF を使用する場合は、TLF コードをコンパイルして SWF ファイルに含めてください。これは、iPhone では RSL をロードできないためです。

TLF ActionScript アセットが SWF ファイルに埋め込まれていないか、再生先のローカルコンピューターで利用できない場合、Flash Player がアセットをダウンロードしているときに、SWF の再生で若干の遅延が発生する場合があります。アセットのダウンロード時に Flash Player で表示されるプリローダー SWF の種類を選択できます。プリローダーを選択するには、ActionScript 3.0 の設定でプリローダー方式を設定します。

プリローダー方式を設定するには:

  1. ファイル/パブリッシュ設定を選択します。

  2. 「Animate」タブで、「ActionScript 3.0 設定」ボタンをクリックします。

  3. ActionScript 3.0 の詳細設定ダイアログボックスで、プリローダー方式メニューから方式を選択します。選択できる方式は次のとおりです。

    • プリローダー SWF:これがデフォルトの設定です。Animate によって、パブリッシュする SWF ファイル内に小さなプリローダー SWF ファイルが埋め込まれます。このプリローダーは、アセットがロードされるときにプログレスバーを表示します。

    • タイムラインのプリローダーループ:ユーザー独自のプリローダー SWF を使用する場合は、この設定を使用します。

    プリローダー方式の設定は、「デフォルトリンケージ」が「ランタイム共有ライブラリ(RSL)」に設定されている場合にのみ使用できます。

チュートリアルおよびビデオ

TLF テキストによる SWF ファイルサイズの削減(CS5.5 のみ)

ほとんどの TLF テキストでは、特定の ActionScript ライブラリを SWF ファイルにコンパイルする必要があります。このライブラリによって、ファイルサイズが約 20 KB 増加します。

ファイルサイズをできるだけ小さく抑える必要がある場合、ActionScript ライブラリが一緒にコンパイルされないように、TLF の使用を次のように制限できます。

  • 「選択可能」または「読み取り専用」の TLF テキストタイプだけを使用する。

  • プロパティパネルで、すべての TLF テキストインスタンスにインスタンス名を一切付与しない。これにより、TLF テキストを ActionScript で操作できなくなります。

これらの制限があっても、TLF テキストのテキストレイアウト機能の利点を活用できます。

文字スタイルの操作

文字スタイルは、個々の文字または一連の文字に適用される属性です。段落全体やテキストコンテナ全体には適用されません。文字スタイルを設定するには、テキストのプロパティインスペクターの「文字」セクションと「詳細な文字設定」セクションを使用します。

プロパティインスペクターの「文字」セクションには、次に示すテキストのプロパティが含まれています。

フォントファミリー

フォントの名前(TLF テキストでは OpenType フォントと TrueType フォントのみがサポートされています)。

スタイル

標準、ボールドまたはイタリック。TLF テキストオブジェクトでは、擬似イタリックおよび擬似ボールドのスタイルは使用できません。一部のフォントには、追加のスタイル(ブラック、ボールドイタリックなど)を含めることもできます。

サイズ

文字のサイズ(ピクセル単位)。

行送り

テキスト行間の縦間隔。デフォルトでは、行送りはパーセント単位で表されますが、ポイント単位で表すこともできます。

カラー

テキストの色。

トラッキング

選択された文字間の間隔。

ハイライト

ハイライトカラー。

カーニング

特定の文字ペアの間隔を増減します。TLF テキストでは、ほとんどのフォントに組み込まれているカーニング情報を使用して、カーニングが自動的に適用されます。

日本語テキストオプションが無効な場合は、「自動カーニング」チェックボックスが表示されます。自動カーニングがオンになっている場合は、フォント内のカーニング情報が使用されます。自動カーニングがオフになっている場合、フォント内のカーニング情報は無視され、カーニングは適用されません。

日本語テキストオプションが有効な場合、「カーニング」には次のいずれかの値を指定できます。

  • 自動:ラテン文字のフォントに組み込まれているカーニング情報を使用します。日本語の文字については、カーニング情報がフォントに組み込まれている文字に対してのみ、カーニングが適用されます。漢字、ひらがなおよびカタカナにはカーニング情報がありません。

  • オン:常にカーニングをオンにします。

  • オフ:常にカーニングをオフにします。

アンチエイリアス

次の 3 つのアンチエイリアスモードから選択できます。

  • デバイスフォントの使用:SWF ファイルのフォント表示に、ローカルコンピューターにインストールされているフォントを使用します。通常、デバイスフォントを使用すれば、ほとんどのフォントサイズで文字を読みやすく表示できます。このオプションを使用しても SWF ファイルのサイズは増えません。ただし、フォントの表示はユーザーのコンピューターにインストールされているフォントに依存します。このため、デバイスフォントを使用するときは、一般的にインストールされているフォントファミリーを選択してください。

  • 読みやすさ優先:特に小さいサイズのフォントの読みやすさが改善されます。特定のテキストブロックにこのオプションを使用するには、テキストオブジェクトで使用されるフォントを埋め込みます。

  • アニメーション:整列とカーニング情報を無視して、滑らかなアニメーションを作成します。特定のテキストブロックにこのオプションを使用するには、そのテキストブロックで使用されるフォントを埋め込んでください。

回転

文字を個別に回転できます。縦組みレイアウト情報を含まないフォントの回転を指定すると、予期しない結果が発生することがあります。

「回転」の値は次のとおりです。

  • 0° - すべての文字を回転しません。

  • 270° - 270 度の回転は、主として欧文テキストを縦書きする場合に使用します。ベトナム語やタイ語など、他の種類のテキストでこの設定を使用すると、予期しない結果が発生することがあります。

  • 自動 - 文字の Unicode プロパティに従って、全角文字を反時計回りに 90 度回転することを指定します。通常、この値は日本語テキストで使用され、回転する必要がある文字だけを回転します。この回転は縦書き文字にのみ適用され、他の文字に影響を与えることなく全角文字を縦書きに戻します。

アンダーライン

文字の下に横線を引きます。

打ち消し線

文字の中央に横線を引きます。

上付き

文字を通常の位置よりも少し上に移動し、文字のサイズを小さくします。上付き文字は、TLF テキストのプロパティインスペクターの「詳細な文字設定」セクションにあるベースラインシフトメニューを使用して適用することもできます。

下付き

文字を通常の位置よりも少し下に移動し、文字のサイズを小さくします。下付き文字は、TLF テキストのプロパティインスペクターの「詳細な文字設定」セクションにあるベースラインシフトメニューを使用して適用することもできます。

「詳細な文字設定」セクションには、次のプロパティが含まれています。

リンク

このフィールドは、テキストハイパーリンクを作成する場合に使用します。実行時に、パブリッシュされた SWF ファイル内の文字をクリックしたときにロードする URL を入力します。

ターゲット

URL のロード先のウィンドウを指定するリンクプロパティで使用されます。「ターゲット」の値は次のとおりです。

  • _self - 現在のウィンドウ内の現在のフレームを指定します。

  • _blank - 新規ウィンドウを指定します。

  • _parent - 現在のフレームの親を指定します。

  • _top - 現在のウィンドウ内の最上位のフレームを指定します。

  • カスタム - 「ターゲット」フィールドに、必要な任意のカスタム文字列値を入力できます。この操作は、SWF ファイルを再生するときに、その時点で開いているブラウザーウィンドウやフレームのカスタム名を把握している場合に行います。

大文字/小文字

大文字小文字の使い方を指定できます。「大文字/小文字」の値は次のとおりです。

  • デフォルト:それぞれの文字のデフォルトの文字組版大文字小文字区別を使用します。

  • 大文字:すべての文字で大文字を使用するよう指定します。

  • 小文字:すべての文字で小文字を使用するよう指定します。

  • 大文字をスモールキャップスにする:すべての大文字でスモールキャップスを使用するよう指定します。このオプションを使用するには、選択したフォントにスモールキャップス文字が含まれている必要があります。通常、Adobe Pro フォントにはスモールキャップス文字が定義されています。

  • 小文字をスモールキャップスにする:すべての小文字でスモールキャップスを使用するよう指定します。このオプションを使用するには、選択したフォントにスモールキャップス文字が含まれている必要があります。通常、Adobe Pro フォントにはスモールキャップス文字が定義されています。

ヘブライ文字や、アラビア文字などのペルソアラビア文字では、大文字と小文字が区別されません。また、大文字と小文字の設定の影響を受けません。

数字スタイル

ライニング数字とオールドスタイル数字のどちらでも使用できる OpenType フォントを使用する場合、適用する数字スタイルを指定できます。「数字スタイル」の値は次のとおりです。

  • デフォルト:デフォルトの数字スタイルを指定します。結果はフォントによって異なります。フォントデザイナーが指定した設定が文字で使用されます。機能は適用されません。

  • ライニング:ライニング(「整列」)数字は、文字高および通常は文字幅の同じオールキャップスの数字です。これにより、図表で数字の高さを揃えて整列させることができます。

  • オールドスタイル:オールドスタイル数字は、古典的で洗練された印象を与えます。この数字は特定の書体でのみ使用できます。フォントの通常の数字として使われることもありますが、追加フォントやエキスパートフォント内でより頻繁に使われます。数字の文字幅がプロポーショナルで、等幅のライニング数字のような余分のスペースは確保されていません(特に、数字「1」の前後)。オールドスタイル数字は、主として文中に使用されます。ライニング数字とは異なり、オールドスタイル数字は本文を構成する文字の並びに調和します。ライニング数字のように見た目が浮くことはないので、見出しにも適しています。多くのタイポグラフィックデザイナーは、グラフ中や表中を除いてはオールドスタイル数字を好んで使用します。

数字のツメ

ライニング数字とオールドスタイル数字のどちらでも使用できる OpenType フォントを使用する場合、プロポーショナル数字と等幅数字のどちらを使用するかを指定できます。「数字のツメ」の値は次のとおりです。

  • デフォルト:デフォルトの数字のツメを指定します。結果はフォントによって異なります。フォントデザイナーが指定した設定が文字で使用されます。機能は適用されません。

  • プロポーショナル:プロポーショナル数字を指定します。通常、表示書体にはプロポーショナル数字が含まれています。プロポーショナル数字の文字幅の合計は、数字自体の幅に左右のスペースを若干加えたものです。例えば、幅 8 は幅 1 よりも大きくなります。プロポーショナル数字は、ライニング数字とオールドスタイル数字のどちらにすることもできます。プロポーショナル数字は縦に揃わないので、表やグラフなど、列形式で縦にレイアウトされる用途には適していません。

  • 等幅:等幅数字を指定します。等幅数字は、文字幅の合計がどの数字も一定であるような数字です。この文字幅は、数字自体の幅に左右のスペースを加えたものです。等幅間隔(固定文字幅とも呼ばれます)を使用すると、表や決算報告書などで複数の数値を列形式で縦にレイアウトする場合に、桁を揃えることができます。通常、等幅数字はライニング数字です。つまり、ベースラインに沿って配置され、高さは大文字と同じです。

文字揃え - 行の基準

テキストのプロパティインスペクターのパネルオプションメニューで日本語オプションがオンになっている場合にのみ使用できます。明示的に選択したテキストに適用する優先(主)べースラインを指定します(段落全体のベースラインの整列を決定する行送りの基準位置とは異なります)。「文字揃え - 行の基準」の値は次のとおりです。

  • 自動:選択したロケールに基づいて解決されます。これが初期設定です。

  • 欧文ベースライン:テキストの場合は、テキストのフォントとポイントサイズによってこの値が決定します。グラフィックエレメントの場合は、イメージの下端が使用されます。

  • アセント:アセントのベースラインを指定します。テキストの場合は、テキストのフォントとポイントサイズによってこの値が決定します。グラフィックエレメントの場合は、イメージの上端が使用されます。

  • ディセント:ディセントのベースラインを指定します。テキストの場合は、テキストのフォントとポイントサイズによってこの値が決定します。グラフィックエレメントの場合は、イメージの下端が使用されます。

  • 仮想ボディの上/右:大きい文字の仮想ボディの指定された位置に小さい文字を揃えます。

  • 仮想ボディの中央:大きい文字の仮想ボディの指定された位置に小さい文字を揃えます。

  • 仮想ボディの下/左:大きい文字の仮想ボディの指定された位置に小さい文字を揃えます。

文字揃え - 文字の基準

テキストのプロパティインスペクターのパネルオプションメニューで日本語オプションがオンになっている場合にのみ使用できます。段落内のテキストまたはグラフィックイメージ用に別のベースラインを指定できます。例えば、テキスト行にアイコンを挿入する場合は、テキストのベースラインに対して、アイコン画像の上端または下端をベースラインとして使用する文字揃えを指定できます。

  • 文字の基準を使用:「文字揃え - 文字の基準」で「文字揃え - 行の基準」の設定を使用するよう指定します。

  • 欧文ベースライン:テキストの場合は、テキストのフォントとポイントサイズによってこの値が決定します。グラフィックエレメントの場合は、イメージの下端が使用されます。

  • アセント:アセントのベースラインを指定します。テキストの場合は、テキストのフォントとポイントサイズによってこの値が決定します。グラフィックエレメントの場合は、イメージの上端が使用されます。

  • ディセント:ディセントのベースラインを指定します。テキストの場合は、テキストのフォントとポイントサイズによってこの値が決定します。グラフィックエレメントの場合は、イメージの下端が使用されます。

  • 仮想ボディの上/右:大きい文字の仮想ボディの指定された位置に小さい文字を揃えます。

  • 仮想ボディの中央:大きい文字の仮想ボディの指定された位置に小さい文字を揃えます。

  • 仮想ボディの下/左:大きい文字の仮想ボディの指定された位置に小さい文字を揃えます。これが初期設定です。

合字

合字は、「fi」や「fl」など、一部のフォントで使用可能な特定の文字のペアを置き換えるための文字組版の文字です。通常は、共通の構成要素を共有する連続した文字です。合字は、「前後関係に依存する字形」と呼ばれる字形のうち、よく使用されるタイプのものです。前後関係に依存する字形を使用すると、文字の特定の形状が、コンテキストに応じて変更されます(囲み文字になったり、行末に寄せられたりします)。これらの合字設定は、合字や文字間の連結が標準で適用される、フォントに依存しない文字に対しては影響がありません。こうした文字には、ペルソアラビア文字やデーバナーガリ文字などがあります。

「合字」の値は次のとおりです。

  • 最小限:最小限の合字。

  • 一般的な欧文合字:一般的な(「標準」の)合字。これが初期設定です。

  • 非一般的な合字:一般的でない(「任意」の)合字。

  • 特殊な合字:特殊な(「古典的」な)合字。少数のフォントファミリーにのみ含まれています。

A. 合字の適用なし B. 最小限の合字 C. 一般的な欧文合字 D. 非一般的な合字 E. 特殊な合字

最小限の合字のスクリプトベースのフォント(上)と一般的な欧文合字(下)

折り返し時の改行設定

選択した単語(固有名詞や、ハイフンでつながっていて別の意味に取られる可能性のある単語など)の途中で改行されないようにする場合に使用します。また、この設定は複数の文字または単語のグループ(名前のイニシャルや氏名など)をまとめておく場合にも使用されます。「折り返し時の改行設定」の値は次のとおりです。

  • 自動:フォントの Unicode 文字プロパティに基づいて、改行を行う場所を判断します。これが初期設定です。

  • すべて:選択範囲のすべての文字を、強制改行を行う場所として扱います。

  • 任意:選択範囲のいずれかの文字を、改行を行う場所として扱います。

  • 折り返ししない:選択範囲の文字を、改行を行う場所として扱いません。

ベースラインシフト

パーセント単位またはピクセル単位でベースラインシフトを設定します。正の値を入力すると、選択した文字のベースラインが周囲の文字のベースラインよりも下に移動します。負の値を入力すると、上に移動します。このメニューでは、上付き属性と下付き属性を適用することもできます。デフォルトは 0 です。指定できる範囲は、+/- 720 ポイントまたはパーセントです。

ロケール

選択されたロケールは、文字プロパティとして、フォントの OpenType 機能を使用する文字の成形に影響を与えます。例えば、トルコ語のような言語では、fi や ff などの合字がありません。また、トルコ語の「i」の大文字には点が付いており、「I」にはなりません。

TLF テキストのプロパティインスペクターの「コンテナとフロー」セクションでは、フローレベルの「ロケール」プロパティを個別に設定できます。文字レベルで個別に設定しない限り、すべての文字は「コンテナとフロー」の「ロケール」プロパティを継承します。

段落スタイルの操作

段落スタイルを設定するには、テキストのプロパティインスペクターの「段落」セクションと「詳細な段落設定」セクションを使用します。

「段落」セクションには、次に示すテキストのプロパティが含まれています。

行揃え

このプロパティは、横書きまたは縦書きの文字で使用できます。「開始位置に揃える」は、コンテナの開始エッジ(左から右に表記されるテキストの左側)に沿って、テキストを揃えます。「終了位置に揃える」は、コンテナの終了エッジ(左から右に表記されるテキストの右側)に沿って、テキストを揃えます。

現在の選択範囲の段落の方向が右から左の場合、行揃えのアイコンの表示もそれに合わせて逆になります。

インデント:開始位置および終了位置

これらの設定では、左右のインデントの幅をピクセル単位で指定します。デフォルトは 0 です。

一行目インデント

選択した段落の最初の単語のインデントをピクセル単位で指定します。

段落前後のアキ

段落前後のアキのピクセル値を指定します。

メモ:従来のページレイアウトアプリケーションとは異なり、段落間に指定される垂直方向のアキは、値が重なると大きい値に統一されます。例えば、段落が 2 つあり、Para1 の後に Para2 が続くとします。Para1 の後ろには 12 ピクセルのスペース(段落後のアキ)があり、Para2 の前には 24 ピクセルのスペース(段落前のアキ)があります。この場合は、TLF によって、(36 ポイントではなく)24 ポイントのスペースが段落間に作成されます。段落が列の上端から開始する場合、段落前にアキは追加されません。この場合、段落の 1 列目ベースラインオフセットのオプションを使用できます。

均等配置の調整

テキストに適用する均等配置を指定します。「均等配置の調整」の値は次のとおりです。

  • 文字間隔:文字間隔を均等に分布します。

  • 単語間隔:単語間隔を均等に分布します。これが初期設定です。

言語の記述方向

段落の方向を指定します。方向の設定を使用できるのは、環境設定で右から左に表記される言語のオプションがオンになっている場合のみです。この設定は、テキストコンテナ内にある現在選択されている段落にのみ適用されます。「言語の記述方向」プロパティは、TLF テキストのプロパティインスペクターの「コンテナとフロー」セクションで、コンテナに対して個別に設定できます。「言語の記述方向」の値は次のとおりです。

  • 左から右へ:左から右のテキストの方向を使用します。ほとんどの言語ではこの設定を使用します。これが初期設定です。

  • 右から左へ:右から左のテキストの方向を使用します。アラビア語やヘブライ語などの中東諸国の言語、および Farsi や Urdu のようなアラビア語のスクリプトに基づく言語では、この設定を使用します。

「詳細な段落設定」オプションを使用できるのは、環境設定または TLF テキストのプロパティインスペクターのオプションメニューで、日本語オプションがオンになっている場合のみです。

「詳細な段落設定」セクションには、次のプロパティが含まれています。

文字組み

位置揃えの規則と呼ばれる場合もあります。このプロパティによって、段落の位置揃えがどのように適用されるかが決まります。この設定を基に適用される均等配置は、句読点の間隔および行送りに影響します。欧文バージョンでは日本語の句読点が全角ですが、東アジアバージョンでは半角を使用します。また、東アジア言語の従来の表記規則に従って、連続する句読点の間隔は狭くなります。以下の例でもう 1 つ注意する点は、段落の 2 行目に適用されている行送りです。東アジアバージョンでは、最後の 2 行が左に押し出されています。欧文バージョンでは、2 行目とその後に続く行が左に押し出されています。

「文字組み」の値は次のとおりです。

  • 自動:テキストのプロパティインスペクターの「コンテナとフロー」セクションで選択したロケールに基づいて均等配置が適用されます。これが初期設定です。

  • スペース:欧文の均等配置規則を使用します。

  • 東アジア:東アジアの均等配置規則を使用します。

欧文の均等配置規則が適用された段落(左)と東アジアの均等配置規則が適用された段落(右)

禁則処理タイプ

禁則調整方式と呼ばれる場合もあります。このプロパティは、日本語の禁則文字(行の先頭または末尾に配置できない文字)の処理に関するオプションを指定します。「禁則処理タイプ」の値は次のとおりです。

  • 自動:テキストのプロパティインスペクターの「コンテナとフロー」セクションで選択したロケールに基づいて解決されます。これが初期設定です。

  • 最小限の調整を優先:行の拡張または圧縮(必要な幅に最も近い結果が得られる方)に応じて均等配置します。

  • 禁則文字の追い込み:字間を詰めて、行末に禁則文字が来ないように位置揃えを調整します。禁則処理が必要ない場合や、行末のスペースが不足している場合は、字間が広げられます。

  • 追い出しのみ:行の拡張に応じて均等配置します。

行送りモデル

行送りモデルは、許可されている行送りの基準位置および行送りの方向の組み合わせで構成される段落フォーマットです。

行送りの基準位置では、それぞれの行の高さによって指定される距離に配置する、連続した 2 つの行のベースラインを決定します。例えば、連続した 2 行が欧文ベースラインの行送りの基準位置が適用された段落内にある場合、行の高さは各行の欧文ベースライン間の距離になります。

行送りの方向では、行の高さを測定する方向を決定します。行送りの方向が前行方向の場合の行の高さは、前の行のベースラインからの対象行のベースラインの距離です。行送りの方向が次行方向の場合の行の高さは、次の行のベースラインからの対象行のベースラインの距離です。

「行送りモデル」の値は次のとおりです。

  • 欧文文字(前行方向):行送りの基準位置は欧文ベースライン、行送りの方向は前行方向です。この場合の行の高さは、前の行の欧文ベースラインから、対象行の欧文ベースラインまでの距離になります。

  • 仮想ボディの上/右(前行方向):行送りの基準位置は仮想ボディの上/右、行送りの方向は前行方向です。この場合の行の高さは、前の行の仮想ボディの上/右ベースラインから、対象行の仮想ボディの上/右ベースラインまでの距離になります。

  • 仮想ボディの中心(前行方向):行送りの基準位置は仮想ボディの中心、行送りの方向は前行方向です。この場合の行の高さは、前の行の仮想ボディの中心ベースラインから、対象行の仮想ボディの中心ベースラインまでの距離になります。

  • 仮想ボディの上/右(次行方向):行送りの基準位置は仮想ボディの上/右、行送りの方向は次行方向です。この場合の行の高さは、次の行の仮想ボディの上/右ベースラインから、対象行の仮想ボディの上/右ベースラインまでの距離になります。

  • 仮想ボディの中心(次行方向):行送りの基準位置は仮想ボディの中心、行送りの方向は次行方向です。この場合の行の高さは、次の行の仮想ボディの中心ベースラインから、対象行の仮想ボディの中心ベースラインまでの距離になります。

  • 自動:テキストのプロパティインスペクターの「コンテナとフロー」セクションで選択したロケールに基づいて行送りモデルが解決されます(日本語と中国語では「仮想ボディの上/右(次行方向)」、それ以外のすべての言語では「欧文文字(前行方向)」を使用します)。この設定がデフォルト値です)。

「コンテナとフロー」のプロパティ

「コンテナとフロー」セクションのプロパティの使用

TLF テキストのプロパティインスペクターの「コンテナとフロー」セクションでは、テキストコンテナ全体に影響を与えるオプションを制御します。これらのプロパティは次のとおりです。

ビヘイビアー

このオプションは、テキストの量の増加に応じたコンテナの拡張方法を制御します。ビヘイビアーには次のオプションがあります。

  • 単一行

  • 複数行:このオプションは、選択したテキストがエリアテキストの場合にのみ使用できます。選択テキストがポイントテキストの場合は使用できません。

  • 折り返しなし

  • パスワード:パスワードのセキュリティを保護するために、文字をドットとして表示します。このオプションは、テキストの種類が編集可能なテキストである場合(エリアテキストまたはポイントテキスト)にのみ、メニューから選択できます。テキストタイプが読み取り専用または選択可能である場合、選択できません。

最大文字数

テキストコンテナ内で使用できる文字の最大数。タイプが「編集可能」に設定されているテキストコンテナでのみ有効です。最大値は 65535 です。

整列

コンテナに含まれるテキストの整列方法を指定します。設定できるオプションは次のとおりです。

  • 上揃え:コンテナの上辺から下方へ、テキストを垂直方向に揃えます。

  • 中央揃え:コンテナ内のテキストの行を中央に配置します。

  • 下揃え:コンテナの下辺から上方へ、テキストを垂直方向に揃えます。

  • 均等配置:コンテナの上辺と下辺の間で、テキストの行を垂直方向に等間隔で配置します。

 「整列」オプションは、テキストの方向が「縦書き」に設定されると、それに応じて変わります。

列数

コンテナに含まれるテキストの列数を指定します。このプロパティは、エリアテキストコンテナに対してのみ有効です。デフォルト値は 1 です。最大値は 50 です。

列のふち取りの幅を指定

選択したコンテナに含まれる各列の間の間隔(ふち取りの幅)を指定します。デフォルト値は 20 です。最大値は 1000 です。測定単位は、ドキュメント設定の「ルーラー単位」の設定に従って設定されます。

余白

テキストと、選択したコンテナの間のインデントの幅を指定します。4 つのインデントすべてに対して、余白を設定できます。

境界線のカラー

コンテナの境界線のカラーです。デフォルト値はボーダーなしです。

境界線の幅

コンテナの境界線の幅です。境界線のカラーが選択された場合にのみ有効です。最大値は 200 です。

背景色

テキストの背景の色です。デフォルト値はカラーなしです。

1 行目をオフセット

テキストコンテナの上辺を基準に、テキストの 1 行目を整列させるように指定します。例えば、コンテナの上辺とテキストの一行目との間に、指定した間隔を空けることができます。欧文文字では、1 行目のオフセットは、1 列目のベースラインオフセットとも呼ばれます。欧文文字では、ベースラインは仮想的な線であり、書体に含まれる大多数の文字の下端がこの線に揃えられます。TLF の場合、使用している言語に応じて、「欧文ベースライン」、「アセント」、「ディセント」、「仮想ボディの上/右」、「仮想ボディの中央」、「仮想ボディの下/左」のいずれかの値をベースラインとして参照できます。

「1 行目をオフセット」には次の値を指定できます。

  • pt:テキストコンテナの上辺からコンテナ内のテキストの 1 行目のベースラインまでの距離を、ポイント単位で指定します。この設定を選択すると、距離をポイント単位で指定するためのフィールドが有効になります。

  • 自動:最も背の高い文字を基準にして、行の上端をコンテナの上辺に揃えます。

  • アセント:テキストコンテナの上辺からコンテナ内のテキストの 1 行目のベースラインまでの距離が、フォント内で最も背の高い文字の高さになります(通常は、欧文フォントの「d」)。

  • 行の高さ:テキストコンテナ上辺の上辺からコンテナ内のテキストの 1 行目のベースラインまでの距離が、行の「行の高さ」(行送り)になります。

言語の記述方向

選択したコンテナのテキストの方向(左から右、または右から左)を指定する場合に使用します。ほとんどの言語では、「左から右へ」を使用します。「右から左へ」は、アラビア語やヘブライ語などの中東諸国の言語、およびペルシア語やウルドゥー語のようなアラビア文字に基づく言語で使用します。

段落に対して適用すると、その段落のテキストの方向(左から右または右から左)、一行目インデント、句読点が、指定した方向に応じて設定されます。コンテナに対して適用すると、指定した方向に応じて、列自体の方向が設定されます。コンテナ内の段落は、コンテナの方向の属性を継承します。

ロケール

「ロケール」プロパティは、フローに対して設定します。文字スタイルの操作を参照してください。

複数のコンテナ間でのテキストのフロー

テキストコンテナ間のスレッド化(リンク)を使用できるのは、TLF(Text Layout Framework)テキストの場合だけであり、クラシックテキストブロックには適用されません。テキストコンテナは、フレーム間およびシンボル内でスレッド化できます。ただし、それには、スレッド化されるコンテナがすべて同じタイムライン内に存在する必要があります。

2 つ以上のテキストコンテナをリンクするには:

  1. 選択ツールまたはテキストツールを使用してテキストコンテナを 1 つ選択します。

  2. 選択したテキストコンテナのスレッド入力ポイントまたはスレッド出力ポイントをクリックします(テキストコンテナのスレッド入力ポイントとスレッド出力ポイントの位置は、コンテナのフローの方向と縦書きまたは横書きの設定に基づいています。例えば、テキストの方向が左から右で、横書きの場合、入力ポイントは左上、出力ポイントは右下に配置されます。テキストの方向が右から左の場合、入力ポイントは右上、出力ポイントは左下に配置されます)。

    ポインターが、ロードされたテキストのアイコンに変わります。

  3. 次のいずれかの操作を実行します。

    • 既存のテキストコンテナにリンクするには、ターゲットのテキストコンテナの上にポインターを置きます。そのテキストコンテナをクリックして、2 つのコンテナをリンクします。

    • 新規にテキストコンテナを作成してリンクするには、ステージの空白部分をクリックまたはドラッグします。クリックすると、元のテキストコンテナと同じサイズおよび形状を持つテキストコンテナが作成されます。ドラッグすると、任意のサイズの長方形のテキストコンテナを作成できます。リンクされた 2 つのコンテナの間に新しいコンテナを追加することもできます。

    これで、2 つのコンテナがリンクされ、コンテナ間でのテキストのフローが可能になります。

2 つのテキストコンテナのリンクを解除するには、次のいずれかの操作を実行します。

  • コンテナを編集モードにして、リンクを解除する入力ポイントまたは出力ポイントをダブルクリックします。これで、テキストのフローは 2 つのコンテナの先頭に戻ります。

  • リンクしたテキストコンテナの 1 つを削除します。

 リンケージの作成後、2 つ目のテキストコンテナは最初のテキストコンテナのフローの方向とロケールを取得します。リンクを解除すると、2 つ目のテキストコンテナでは、これらの設定がリンケージ前の設定に戻るのではなく、維持されます。

スクロール可能なテキストの作成

テキストコンテナに UIScrollBar コンポーネントを追加することによって、TLF テキストコンテナをスクロール可能にできます。テキストコンテナは、次のように設定されている必要があります。

  • 「テキストの種類」が「編集可能」または「選択可能」に設定されている。

  • 「コンテナとフロー」の「ビヘイビアー」が「複数行」または「折り返しなし」に設定されている。

次のように操作して、TLF テキストコンテナをスクロール可能にします。

  • UIScrollBar コンポーネントのインスタンスを、コンポーネントパネルから、テキストコンテナの枠の付近(スクロールバーを追加する位置)にドラッグします。

    UIScrollBar コンポーネントがテキストコンテナの枠に吸着します。

次のように操作して、テキストコンテナが水平方向にスクロールできるようにします。

  1. ステージで UIScrollBar コンポーネントインスタンスを選択します。

  2. プロパティインスペクターの「コンポーネントパラメーター」セクションで、UIScrollBar コンポーネントの方向を「水平方向」に設定します。

  3. テキストコンテナの上辺または下辺に UIScrollBar コンポーネントインスタンスをドラッグします。

    UIScrollBar コンポーネントがテキストコンテナの上辺または下辺に吸着します。

タブルーラーの使用(CS5.5 のみ)

タブルーラーを使用して、TLF テキストコンテナにタブストップを追加できます。タブルーラーは、TLF テキストコンテナが編集モードになると表示されます。タブルーラーには、現在選択されている段落に定義されたタブストップが表示されます。段落の余白と一行目インデントを示すマーカーも表示されます。

タブルーラーの表示/非表示の切り替え

テキスト/TLF タブルーラーを選択します。

タブのタイプの設定

マーカーをダブルクリックするか、複数のマーカーを Shift キーを押しながらクリックして、メニューからタイプを選択します。

開始位置タブ、中央タブ、終了位置タブ

テキストの開始位置、終了位置または中央位置がこのタブストップに合わせて行揃えされます。

小数点タブ

テキスト内の 1 文字がこのタブストップに合わせて行揃えされます。この文字は通常は小数点であり、メニューにデフォルトで表示されます。ダッシュ記号などの他の文字に合わせて整列するには、その文字をメニューに入力します。

タブの追加

タブルーラー内をクリックします。タブルーラー内のクリックした位置にタブマーカーが表示されます。

タブの移動

タブマーカーを新しい位置にドラッグします(正確な位置に移動させるには、タブマーカーをダブルクリックし、マーカーのピクセル位置を入力します)。

タブの削除

タブマーカーをタブルーラーの下方向に、その表示が消えるまでドラッグします(テキストが垂直方向に行揃えされている場合は、マーカーをテキストに向かって左方向に、その表示が消えるまでドラッグします)。

測定単位の変更

修正/ドキュメントを選択します。次に、ダイアログボックスのルーラー単位メニューから単位を選択します。

日本語および右から左に表記される言語のテキスト

日本語テキストの作成

日本語テキストに適用するプロパティを操作するには、次のどちらかを実行して日本語テキストオプションを有効にします。

  • ステージ上で TLF テキストが選択されているときに、プロパティインスペクターのパネルオプションメニューから「日本語オプションを表示」を選択します。

  • 環境設定(編集/環境設定)の「テキスト」セクションで、「日本語テキストオプションを表示」を選択します。

日本語テキストのプロパティは次のとおりです。

  • 縦中横:縦書きのレイアウトで、日本語テキスト内の欧文文字のまとまりを横向きに回転させて、欧文文字の向きを適切に表示する必要がある場合に使用します。

縦書きテキスト内の欧文文字:縦中横の回転を使用しない場合(左)と使用した場合(右)

  • 文字揃え - 行の基準

  • 文字揃え - 文字の基準

  • 文字組み

  • 禁則処理タイプ

  • 行送りモデル

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