- Adobe Media Encoder ユーザガイド
- ベータ版のリリース
- 概要
- エンコーディングのクイックスタートと基本
- エンコーディングと書き出し
プリセットブラウザーには、Adobe Media Encoder でのワークフローを合理化するのに役立つ各種オプションがあります。
システムプリセット
ブラウザのシステムプリセットは、使用目的(ブロードキャスト、Web ビデオなど)と出力先デバイス(DVD、Blu-ray、カメラ、タブレットなど)に基づいて、カテゴリ別に整理されています。これらのプリセットを変更して、ユーザープリセットとも呼ばれるカスタムプリセットを作成できます。
プリセットブラウザーでは、検索や、折りたたむことのできるフォルダー構造によって機能が向上したナビゲーションによって、プリセットをすばやく探せます。
カスタムプリセット、プリセットグループおよびエイリアス
カスタムユーザープリセットを作成するには、次のいずれかの操作をおこないます。
- プリセット/エンコーディングプリセットを作成を選択して、新しいエンコーディングプリセットを作成します。
- プリセット/インジェストプリセットを作成を選択して、新しいインジェストプリセットを作成します。この機能の情報について詳しくは、「インジェストプリセット」を参照してください。
- プリセットブラウザーの「プリセットの新規作成」ボタンをクリックして、ポップアップメニューから「新規エンコーディングプリセット」または「新規インジェストプリセット」を選択します。
新しいプリセットグループを作成するには、次のいずれかの操作を行います。
- プリセット/グループを作成を選択します。
- プリセットブラウザーの「プリセットグループを新規作成」ボタンをクリックします。
プリセットグループには、ユーザープリセット、プリセットのエイリアスまたは他のプリセットグループを含めることができます。
システムまたはユーザープリセットのエイリアスを作成するには、次のいずれかの操作を行います。
- プリセットブラウザーでシステムまたはユーザープリセットを選択し、プリセット/エイリアスを作成を選択します。
- システムプリセットをプリセットブラウザーの「ユーザープリセット&グループ」セクションにドラッグします。
- Alt キー(Windows)または Opt キー(Mac)を押しながら、ユーザープリセットをプリセットブラウザーの「ユーザープリセット&グループ」セクションの別の場所にドラッグします。
プリセットの管理
プリセットを管理するには、プリセットメニューを使用するか、プリセットブラウザー(ウィンドウ/プリセットブラウザー)のオプションを使用します。プリセットブラウザーでプリセットを右クリックすると、コンテキストメニューに使用可能なオプションが表示されます。
A. カスタムプリセット B. プリセットグループ C. プリセットの新規作成 D. プリセットを削除 E. プリセットグループを新規作成 F. プリセットの設定 G. プリセットを読込み H. プリセットをき出し I. プリセットの検索
ユーザープリセットの変更
- プリセットの名前を変更するには、選択したプリセットの名前をクリックします。プリセットの名前を入力し、Enter キーを押します。または、プリセット/名前の変更を選択して、プリセットの名前を変更します。
- プリセット内容を変更するには、プリセットを選択し、プリセット/設定を選択します。
- プリセットを削除するには、プリセットを選択し、Delete キーを押します。または、プリセット/削除を選択します。
編集できるのは、カスタムプリセットのみです。システムプリセットへの変更は、プリセット内容ダイアログで複製を保存ボタンをクリックすると、新規ユーザープリセットとして保存できます。
ファインダーまたは Explorer でのプリセットの位置の表示
プリセットブラウザーでプリセットを右クリックしてプリセットファイルを表示を選択します。
ブラウザーでのプリセットの迅速な検索
検索フィールドに入力すると、プリセットブラウザーでは、検索文字列に合わせて、プリセットリストがフィルタリングされます。すべての列をスキャンして、一致するものを結果に表示します。
プリセットの読み込みと書き出し
プリセットは、EPR ファイルとして読み込みと書き出しができます。EPR ファイルは、XML の形式で保存されます。
- EPR ファイルを読み込むには、プリセット/読み込みを選択します。読み込まれたプリセットがユーザープリセット&グループセクションに表示されます。
- 選択したプリセットを EPR ファイルとして書き出すには、プリセット/書き出しを選択します。
EPR ファイルを「ユーザープリセット&グループ」セクションにドラッグ&ドロップすることもできます。
プリセットまたはプリセットグループのキューへの適用
プリセットをキュー内のソースに適用するには、次のいずれかの操作を行います。
- プリセット、プリセットグループまたはエイリアスをプリセットブラウザーからキュー内のソースまたは出力にドラッグアンドドロップします。
- プリセットをソースにドロップすると、出力がソースに追加されます。
- プリセットを既存の出力にドロップすると、出力の設定がプリセットの設定で置き換えられます。
- 出力をソースに追加するには、キュー内のソースをプリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスにドラッグします。
- 出力の設定をプリセットの設定で置き換えるには、キュー内の出力をプリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスにドラッグします。
- キュー内のソースを選択し、プリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスをダブルクリックします。
- キュー内のソースを選択します。プリセットブラウザー内で選択したプリセット、プリセットグループまたはエイリアスを選択します。プリセットを適用をクリックします。
プリセットまたはプリセットグループの監視フォルダーへの適用
監視フォルダーパネルでプリセットを監視フォルダーに適用するには、次のいずれかの操作を行います。
- プリセット、プリセットグループまたはエイリアスを、プリセットブラウザーから監視フォルダーパネル内の監視フォルダーまたは出力にドラッグアンドドロップします。
- 監視フォルダーにプリセットをドロップすると、監視フォルダーに新しい出力が追加されます。
- プリセットを既存の出力にドロップすると、出力の設定がプリセットの設定で置き換えられます。
- 監視フォルダーに出力を追加するには、監視フォルダーを監視フォルダーパネルからプリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスにドラッグします。
- 出力の設定をプリセットの設定で置き換えるには、監視フォルダー内の出力をプリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスにドラッグします。
- 監視フォルダーパネルで監視フォルダーを選択します。プリセットブラウザーで、Alt キー(Win)または Optキー(Mac)を押したまま、プリセット、プリセットグループまたはエイリアスをダブルクリックします。
- 監視フォルダーパネルで監視フォルダーを選択します。プリセットブラウザー内で、プリセット、プリセットグループまたはエイリアスを選択します。Alt キー(Win)または Opt キー(Mac)を押したまま、プリセットを適用ボタンをクリックします。
読み込み中の、Premiere Pro シーケンス、After Effects コンポジションおよびメディアアセットへのプリセットの適用
プリセットを Adobe Premiere Pro シーケンスに適用するには、次のいずれかの操作を行います。
- メディアブラウザーの Adobe Premiere Pro プロジェクトに移動して、シーケンスをプリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスにドラッグ&ドロップします。
- シーケンスを、開いている Adobe Premiere Pro プロジェクトのプロジェクトパネルから、プリセットブラウザー内のプリセット、エイリアスまたはプリセットグループにドラッグ&ドロップします。
この手順は、複数のプリセットを一度に Adobe Premiere Pro シーケンスに追加する唯一の方法です。Adobe Premiere Pro の書き出し設定ダイアログでは、Adobe Media Encoder に複数のシーケンスを書き出すときに、1 つのプリセットを適用できます。
After Effects コンポジションへのプリセットの適用
- メディアブラウザーの Adobe After Effects プロジェクトに移動して、コンポジションをプリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスにドラッグ&ドロップします。
- コンポジションを、開いている After Effects プロジェクトのプロジェクトパネルから、プリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスにドラッグします。
ビデオおよびオーディオアセットへのプリセットの適用
- メディアファイルを、メディアブラウザーから、プリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスにドラッグします。
- ビデオおよびオーディオアセットを、Finder または Windows Explorer からプリセットブラウザー内のプリセット、プリセットグループまたはエイリアスにドラッグ&ドロップします。
プリセット適用時の重要な考慮事項
- 単一のプリセットを 1 つの出力にドロップすると、出力が置き換えられます。新しい出力は、ターゲットの出力から出力パス、出力名およびソース範囲設定を継承します。
- 単一のプリセットを 1 つのソースにドロップすると、出力が 1 つ追加されます。
- プリセットグループ(または選択した複数のプリセット)を 1 つの出力にドロップすると、複数の出力が追加されます。新しい出力は、ターゲットの出力から出力パス、出力名およびソース範囲設定を継承します。
- プリセットグループ(または選択した複数のプリセット)を 1 つのソースにドロップすると、複数の出力が追加されます。既存の出力の出力パスなどの設定は継承されません。
Media Encoder でのインジェストプリセットの使用
Adobe Media Encoder では、メディアファイルをカメラからローカルドライブにインジェストできるようになったので、Adobe Premiere Pro で簡単に編集を開始できます。AME を起動して、メディアブラウザーを使用すると、インジェストするクリップを選択し、必要に応じてイン/アウトポイントを設定することもできます。
クリップをインジェストするには、クリップをプリセットブラウザーのインジェストプリセットにドラッグするか、キューに直接ドラッグしてインジェストプリセットを新しいソースに適用します。インジェストプリセット設定ダイアログボックスでは、カメラファイルのコピー先をローカルマシンから選択したり、トランスコード形式を選択したり、メタデータを設定したり、必要に応じてアセット名を変更したりできます。キューの処理が終了したら、ファイルを Adobe Premiere Pro プロジェクトに読み込んで、編集を開始できます。
カメラやネットワークボリュームからファイルをコピーするには、「ファイルをフォルダーにコピー」をオンにした後、「場所を参照」をクリックしてコピー先フォルダーを選択することで、インジェストするファイルの場所を指定します。コピーしたファイルがオリジナルのファイルと同じかどうかを確認するには、「検証」を選択し、次のいずれかのオプションを選択します。
- MD5 の比較:MD5 チェックをおこない、ソースファイルがインジェストしたファイルと同じかどうか確認します。
- ファイルサイズの比較:インジェストしたファイルのファイルサイズがオリジナルのムービークリップと同じであるかどうかを確認します。
- ビット単位での比較:CRC チェックをおこない、ソースファイルのチェックサムが、インジェストしたファイルと同じかどうかを確認します。ファイルが異なる場合は、チェックサムが一致しないので、テストが失敗します。
インジェスト時にファイルをトランスコードするには、「ファイルを保存先にトランスコード」をオンにしたうえで、「場所を参照」をクリックして保存先フォルダーを選択し、インジェストするファイルの場所を指定します。次に、インストールされているシステムプリセットからトランスコードの形式とプリセットを選択するか、既に作成済みかプリセットブラウザーに読み込み済みのカスタムエンコーディングプリセットを選択します。
インジェスト時にメタデータをファイルに追加
インジェストする各ファイルに XMP メタデータとして適用するカスタムフォーム(スキーマ)を作成することで、インジェスト時にメタデータを追加できます。メタデータを追加するには、「ファイルのメタデータ」セクションの「ファイルのメタデータを追加」をオンにします。プリセットを作成するには、次のようにします。
- メタデータプリセットのリストの横にある下向き矢印アイコンをクリックし、「新規プリセット」を選択します。
- + ボタンをクリックし、メタデータフィールドを追加します。
- メタデータフィールドの名前を入力します。名前にはスペースを含めないでください。
- 必須フィールドについては、アスタリスク(*)の横にあるチェックボックスをクリックします。
- オプションで、メタデータの値を入力にプリセットの値を入力します。
- その他のフィールドを追加するには、+ ボタンをもう一度クリックします。
- 「保存」をクリックして、プリセットを保存します。
メタデータ名とメタデータ値をまとめてメタデータペアまたはキーと値のペアと呼びます。名前にデフォルト値を使用するように選択することも、インジェスト中に動的に値を追加するように選択することもできます。
プリセットを編集するには、次のようにします。
- メニューからプリセットを選択します。
- メニューの横にある下向き矢印をクリックし、「編集」を選択します。必要に応じて値を編集し、「保存」をクリックします。
- プリセットを別の名前で保存するには、「別名で保存」を選択し、新しいプリセット名を入力します。
- 変更を保存せずにメタデータパネルに戻るには、x をクリックします。プリセットを削除するには、ゴミ箱アイコンをクリックします。
メタデータプリセットは、ユーザーにプリセットファイルを送信することで、他のユーザーと共有できます。メタデータプリセットを共有すると、アセットやコンテンツを構成するときにチーム全体で一貫したメタデータセットを利用できるので便利です。コンピューター上のプリセットを検索するには、プリセットメニューの横にある下向き矢印をクリックし、「Explorer で表示」または「Finder で表示」を選択します。プリセットを読み込むには、プリセットメニューの横にある下向き矢印をクリックし、「プリセットの読み込み」を選択します。読み込むプリセットを選択し、「開く」をクリックします。ファイルメタデータのプリセットは、次の場所に .PLMP ファイルとして保存されます。
- Windows の場合:C:\Users\\Documents\Adobe\Adobe Media Encoder\10.0\Presets\Metadata\
- Mac の場合:HD/Users//Documents/Adobe/Adobe Media Encoder/10.0/Presets/Metadata/
インジェスト中にファイル名を変更する
出力ファイル名に特定の文字列を追加する名前変更プリセットを作成すれば、インジェスト中にファイル名を変更できます。
(P2 のような)複雑なフォルダー構造の一部となっているファイルの名前は変更されません。
インジェスト時にファイルの名前を変更するには、「ファイル名変更」セクションの「ファイル名を変更」をクリックします。ファイルの名前変更のためのプリセットを作成するには、次のようにします。
- 名前変更プリセットのリストの横にある下向き矢印アイコンをクリックし、「新規プリセット」を選択します。
- 「+」をクリックして、カスタム名前変更プリセットに要素を追加します。
- カスタムテキスト:出力ファイル名に追加する文字を入力します。例えば、会社名、プロジェクト名、2 つの要素を区切る文字を入力します。
- 日付:「インジェスト日付」を選択すると、ファイルがキューに追加される日付を使用できます。「作成日」を選択すると、ソースファイルからタイムスタンプの日付を使用できます。
- 時間:「インジェスト時間」を選択すると、ファイルがキューに追加される時刻を使用できます。「作成時間」を選択すると、ソースファイルからタイムスタンプの時刻を使用できます。
- ファイル名:ソースファイル名(拡張子なし)を新しい出力名の要素として追加します。
その他の要素を追加するには、「+」ボタンをもう一度クリックします。「保存」をクリックしてプリセットを保存し、プリセット名を入力します。その際、名前にスペースが含まれていないことを確認します。
ファイル名変更プリセットを編集するには、次の手順に従います。
- メニューからプリセットを選択します。
- メニューの横にある下向き矢印アイコンをクリックし、選択します。
- 必要に応じて値を編集し、「保存」をクリックします。
- プリセットを別の名前で保存するには、「別名で保存」を選択し、新しいプリセット名を入力します。
- 変更を保存せずにファイル名変更パネルに戻るには、「x」をクリックします。
- プリセットを削除するには、ゴミ箱アイコンをクリックします。
一貫性のある命名規則は、共同作業によるワークフローで役立つ場合があります。名前変更プリセットは、ユーザーにプリセットファイルを送信することで、他のユーザーと共有できます。コンピューター上のプリセットを検索するには、プリセットメニューの横にある下向き矢印アイコンをクリックし、「Explorer で表示」または「Finder で表示」を選択します。プリセットを読み込むには、プリセットメニューの横にある下向き矢印をクリックし、「プリセットの読み込み」を選択します。読み込むプリセットを選択し、「開く」をクリックします。ファイル名変更プリセットは、次の場所に .PLRP ファイルとして保存されます。
- Windows の場合:C:\Users\\Documents\Adobe\Adobe Media Encoder\10.0\Presets\Rename\
- Mac の場合:HD/Users//Documents/Adobe/Adobe Media Encoder/10.0/Presets/Rename/
キューパネルでのインジェスト出力の操作
キューのインジェスト出力は、エンコーディング出力と同じように機能しますが、いくつかの重要な違いがあります。インジェスト出力の形式は、常に「インジェスト」として表示されます。トランスコードが有効になっている場合、インジェスト出力のツールヒントには、インジェスト出力に関連付けられているエンコーディングプリセットの形式とプリセットが表示されます。例:「H.264(ソースの一致 - 高速ビットレート)」
形式ポップアップメニューから別の形式を選択すれば、インジェスト出力をエンコーディング出力に変更できます。逆に、形式を「インジェスト」に変更すれば、エンコーディング出力をインジェスト出力に変更できます。インジェスト出力を編集するには、次のいずれかの操作をします。
- 出力を選択して、プリセット/設定を選択します。
- 形式またはプリセットの列でホットテキストをクリックします。
これによりインジェスト設定ダイアログが開くので、そこで必要な変更を加えます。設定を保存するには、「OK」をクリックします。これで、キュー内でインジェスト出力のプリセット名が「カスタム」に変更されます。
インジェスト先が「出力ファイル」列に表示されます。「コピー」オプションと「トランスコード」オプションの両方が有効になっている場合は、宛先パスの左側にあるポップアップ矢印を使用して 2 つのパスを切り替えることができます。宛先のホットテキストリンクをクリックして、宛先フォルダーを開きます。