タイプ
- はじめに
- Aero デスクトップ
- Android 版 Aero Player(ベータ版)
- Adobe Aero 用アセットの準備
- AR 対応アセットの読み込み
- AR エクスペリエンスをデザインする
- 書き出しと共有
- クラウドドキュメントとストレージ
- サンプル、アイデアおよびインスピレーション
3D コンテンツを Adobe Aero 用に準備するときの注意事項です。
3D コンテンツを Aero 用に準備する場合、3D モデルが単純であるほど Aero でのパフォーマンスが向上します。Aero は、最大 130 K ポリゴンのモデルをサポートしています。
3D コンテンツを初めて体験する
AR は、優れたデザインと魅力的なコンテンツの原則に依存します。2D デジタルアセットの操作に必要なスキルは既にお持ちかもしれません。AR 対応の 3D コンテンツを操作するには、まず「Z で考える」ことから始める必要があります。ここでは、X 軸、Y 軸、Z 軸を操作する方法について簡単に説明します。
X 座標および Y 座標は、通常は 2D 画像、ウィンドウまたはその他の長方形コンテナの左上隅にある原点から見た距離を表します。
- X は、左方向または右方向の距離です。
- Y は、原点から見た上方向または下方向の距離です。
例えば、幅 20 ピクセル x 高さ 20 ピクセルのデジタル画像がある場合、「10, 10」のピクセルはその画像の中心付近にあります。
3D では、「Z」軸(X, Y, Z)を使用して、その単一ピクセルを前方向または後方向に移動できます。ピクセル位置「(10, 10, 10)」は、まっすぐに見たときにピクセルが画面の中央にはあっても、ユーザーや閲覧者から 10 ピクセル離れていることを示します。「(10, 10, -10)」とは、まっすぐに見たときにピクセルが画面の中央にはあっても、ユーザーや閲覧者に向かって 10 ピクセル近づいていることを意味します。
3D コンテンツを表す一般的な用語はモデルです。3D モデルは、ボリューム、シェイプおよびテクスチャを 3D 空間に持つオブジェクトの実表現またはスタイル化された 3D 表現です。
知っておくと便利な概念
アニメーション
Aero は、アニメーション効果付き 3D オブジェクトをサポートしています。3D アニメーション効果付きオブジェクトおよびキャラクターを作成またはソーシングできます。
|
説明 |
---|---|
剛体アニメーション |
剛体アニメーションは、時間の経過とともにオブジェクト全体が回転、拡大・縮小、移動することから構成されるアニメーションです。これは、車両、ドア、機械など硬いオブジェクトを動かすためによく使用されます。 |
スケルタルアニメーション |
スケルタルアニメーションは、時間の経過とともにボーン構造が移動、回転、拡大・縮小することから構成されるアニメーションです。多くの場合、1 つ以上の 3D メッシュが「ペイントされた重み」付きでボーンにマップされ、3D メッシュのどの領域がどのボーンに基づいて変形するかを示すことができます。これは、動物および植物など柔軟性があるものにアニメーション効果を付けるためによく使用されます。 |
キーフレーム、Mocap、プロシージャルアニメーション |
剛体アニメーションおよびスケルタルアニメーションは多くの場合、「キーフレームアニメーション」を使用して作成されます。キーフレームアニメーションでは、アニメーターは各オブジェクトを特定の「キー」フレームのどこに配置するかを決定し、その間のすべてのフレームは自動的に計算されます。キーフレームアニメーションにすると、アニメーションのファイルサイズが最小になります。モーションキャプチャアニメーションは、モーションキャプチャカメラを使用して取得されるアニメーションデータです。このタイプのアニメーションデータは、非常に大きくなる可能性があります。プロシージャルアニメーションは、ソフトウェアで数式から自動的に計算されるアニメーションです。プロシージャルアニメーションは、書き出し時にキーフレームデータに変換する必要があり、キーフレームデータは、モーションキャプチャデータのように大きくなる可能性があります。 |
その他のタイプのアニメーション |
現時点では、流体や布のシミュレーションの出力、モーフシェイプ、テクスチャのアニメーションなど、他のタイプのアニメーションは、Aero によって読み込むことはできません。液体および布のシミュレーションは、液体、気体および布のリアルな動きに使用されます。モーフシェイプは、顔の表情によく使用されますが、他の多くの目的にも使用できます。テクスチャアニメーションは、水面や類似の効果によく使用されます。 |
注意すべき点
- アニメーションやスケルトンを含んでいるモデルは、大きすぎてメモリに収まらなくなると、読み込むことができなくなります。
- Aero は、GLB ファイルまたは FBX ファイルを読み込むとき、剛体アニメーション(回転、拡大・縮小、移動)とスケルタルアニメーションの両方をサポートしています。 現在、1 ファイルにつきアニメーション(または「テイク」)は 1 つのみサポートされています。
- スケルタルアニメーションでは、各ボーンにアニメーション効果を付けることはできますが、重み/ブレンドシェイプ/モーフシェイプにアニメーション効果を付けることはできません。
- Blender を使用している場合、Aero のアニメーションをオーサリングするにはバージョン 2.81 以降が必要です。
- 6 つのボーンまで、任意の特定の頂点を操作できます。
マテリアル
Aero は、リアルタイムパフォーマンスを可能にする修正を含む、マテリアルの物理ベースのレンダリングシステムを使用しています。
サポートされているマテリアルレイヤー
ベースカラー/「アルベド」
金属度
粗さ*
アンビエント適用範囲
放射*
アルファ
大きなテクスチャ
すべてのテクスチャの解像度は、Aero への読み込み時に 2K 解像度(2048 x 2048 ピクセル)まで縮小され、メモリ/リアルタイムパフォーマンスで必要とされる場合、再生中は Aero によって自動的にさらに縮小されることがあります。
最適な表示結果を得るには、正方形かつ「2 のべき乗」のピクセル幅および高さを持つテクスチャまたは画像を Aero に読み込みます。
例:
- 64 x 64
- 128 x 128
- 256 x 256
- 512 x 512
- 1024 x 1024
レイトレーシング、オフラインレンダリングとライブレンダリング
Aero では、アセットは、Dimension のレンダリングビューおよび他の「プリレンダリング」されたコンテキストとは異なる外観になる場合があります。
Aero では、コンテンツを 1 秒間に何回もレンダリングする必要があります。このため、各フレームでレンダリングできるマテリアルの複雑さに制限が課されます。反射(粗さが低い)および放射など一部のフィーチャーは、予期したものとは異なる動作をする場合があります。具体的には、粗さが低いオブジェクトを見たときに、実際のオブジェクトの反射や世界が見えないことがあります。また、放射のあるオブジェクトから放射される光の効果は、シーン内の他のオブジェクトでは再生されません。また、透光性もサポートされていません。不透明度(または「アルファブレンディング」)は透光性の代わりに使用できますが、視覚効果が異なります。
アルファブレンディングと透光性
Aero は現在、固体マテリアルを通過する光の動きに影響を与える透光性および他のマテリアルプロパティをサポートしていません。代わりに、Aero は Photoshop のレイヤーと同様に不透明度をサポートしています。完全には不透明でない前景オブジェクトは背景オブジェクトまで表示されますが、その効果では、透明オブジェクトの太さ、内部のカラー、前景オブジェクト内の光の拡散や曲がりは考慮されません。
アルファブレンディングとパフォーマンス
2 つのオブジェクトをアルファブレンディングするには、単一オブジェクトを表示する場合の 2 倍の作業をハードウェアでおこなう必要があります。パフォーマンス上の理由から、このことを念頭にコンテンツを設計することが重要です。
多くのデバイスで良好なパフォーマンスを確保できるようにするには、平均ピクセルで透明オブジェクトを 3 つだけ表示するようにシーンをデザインします。例えば、透明オブジェクトが 3 つを超えるシーンを作成する場合、これらの一部のオブジェクトを十分に小さくするか互いに十分に離して、ユーザーが、3 つを超える透明レイヤーで画面全体が満たされるどの位置にも電話を配置できないようにする必要があります。
次のステップ
3D コンテンツの概念を説明してきました。これで、アセットのソーシングから始めることができるようになりました。
質問または共有するアイデアがある場合
Adobe Aero のサポートコミュニティで、質問やアイデアの提案を行えます。
Behance では、作品を共有したりインスピレーションを得たりすることができます。