スプレッド:明るいカラーのオブジェクトが暗いカラーの背景に重なり、背景の中に広がっているように見えます。
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Illustrator でオブジェクトとトラッピングオプションの間でカラーをトラップする方法について説明します。
別の色版のカラーが重なり合ったり隣接したりしている場合、プリンターによって版ずれが生じると、最終出力でカラー間の版ずれが生じることがあります。トラップ(カラーを重なり合わせたわずかな領域)を使って、アートワークのカラー間の版ずれを防ぎます。
トラップには次の2種類があります。
トラップの作成
「トラップ」オプションは、単純なオブジェクトに対してトラップを作成します。どちらが明るいカラーのアートワーク(オブジェクトまたは背景)かを特定し、暗い方のカラーのアートワークにオーバープリント(トラッピング)します。パスファインダーパネルから、または効果としてトラップを適用することができ、いつでも設定を変更できます。
-
アートワークが CMYK カラーであることを確認してください。
アートワークが RGB モードの場合は、ファイル/ドキュメントのカラーモード/CMYK カラーに移動します。
-
トラップを作成する重なり合うオブジェクトを選択します。
-
次のいずれかの手順に従います。
オブジェクトに直接コマンドを適用するには、ウィンドウ/パスファインダーに移動します。パネルメニューから「トラップ」を選択します。
効果としてコマンドを適用するには、効果/パスファインダー/トラップに移動します。効果を確認するには、「プレビュー」を選択します。
-
トラップオプションを設定して、「OK」を選択します。
A. オーバープリントの領域 B. 切り抜かれる領域 C. 背景色 D. 前景色
トラップオプション
太さ |
線幅を 0.01 ~ 5000 ポイントの範囲で指定します。適切な設定値については、出力センターや印刷会社にお問い合わせください。 |
高さ/幅 |
垂直なカラー境界でのトラップ幅に対する水平なカラー境界でのトラップ幅の比率を指定します。縦横比を指定することにより、印刷時の紙の伸縮率などを考慮したトラップを作成できます。ここで設定する値については、出力センターや印刷会社にお問い合わせください。初期設定では、縦と横のトラップ幅が同じになるように 100%の値が設定されています。「高さ/幅」テキストボックスの値を 100%よりも大きく設定すると、垂直なカラー境界でのトラップ幅は変わらずに水平なカラー境界でのトラップ幅が広がります。垂直なカラー境界でのトラップ幅は変わらずに水平なカラー境界でのトラップ幅が狭めるためには、テキストボックスで 100 %以下の値を設定します。 |
濃度の減少 |
トラップする明るいカラーの濃度を減らします。暗いカラーの濃度は 100%のままです。このオプションは、明るいカラーを使用した 2 つのオブジェクトにトラップを作成すると、重なり合った 2 つのカラーが混ざって、トラップの部分に線がプリントされる場合に便利です。例えば、明るいイエローのオブジェクトを明るいブルーの背景に対してトラップすると、トラップ部分が明るいグリーンの線としてプリントされます。適切な濃度の設定値は、使用する出力機器、インキ、用紙の種類などによって異なるので、出力センターや印刷会社にお問い合わせください。 |
プロセスカラーでトラップ |
特色トラップを対応するプロセスカラーに変換します。このオプションを選択すると、特色の明るい方のカラーでオブジェクトを作成し、それがオーバープリントされます。 |
逆トラップ |
暗いカラーを明るいカラーにトラッピングします。このオプションは、CMY カラーを使用したブラック(特色)には使用できません。 |
精度(効果のみ) |
オブジェクトのパスをどの程度正確に計算するかを指定します。計算の精度が高いほどオブジェクトがより正確に作成され、パスの生成に要する時間が長くなります。 |
余分なポイントを削除(効果のみ) |
不要なポイントを削除します。 |
スプレッドまたはチョークの作成
より正確なトラップを作成したり、複雑なオブジェクトをトラッピングしたりする場合は、オブジェクトに線を設定して、その線をオーバープリントする方法でトラップ効果を作成します。
-
重なり合う 2 つのオブジェクトのうち、前面にあるオブジェクトを選択します。
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ツールパネルまたはカラーパネルの「線」ボックスで、次のいずれかのオプションを実行します。
スプレッドトラップを作成するには、オブジェクトの塗りカラーを線のカラーに適用します。
チョークトラップを作成するには、背景と同じカラー(明るい色)を線に適用します。ここでは、線と塗りには、異なるカラーが適用されます。
-
ウィンドウ/線に移動します。
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「線幅」オプションに、0.01 ~ 1000 ポイントの範囲で線幅を入力します。
トラップ値は、線幅の値の半分です。線幅については、出力センターや印刷会社にお問い合わせください。
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ウィンドウ/属性に移動します。
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「塗りにオーバープリント」または「線にオーバープリント」にチェックします。
A. チョークトラップの効果を出すためにオーバープリントした線 B. 抜きの塗り領域 C. トラップされる領域 D. 切り抜かれる領域
線のトラップ
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トラップする線を選択します。
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ツールパネルまたはカラーパネルの「線」ボックスで、線のカラーをホワイトにします。
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線パネルで線幅を設定します。
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線をコピーして、編集/前面へペーストを選択します。このコピーを使用してトラップが作成されます。
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ツールパネルまたはカラーパネルの「線」ボックスを使用して、コピーした線に適切なカラーを適用します。
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線パネルで、背面の線より広い線幅を設定します。
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ウィンドウ/属性を選びます。
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前面の線に「線にオーバープリント」を設定します。
A. スプレッドトラップの効果を出すためにオーバープリントした前面の線 B. 背面の線による抜き C. 切り抜かれる領域 D. トラップされる領域
オブジェクトの一部のトラップ
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トラップする部分の外周に沿って線を作成します。オブジェクトが複雑な場合は、ダイレクト選択ツールを使用して、トラップする外周部のパスを選択し、コピーします。次に、編集/前面へペーストを選択して、コピーをオリジナルのパスに重ねます。
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ツールパネルまたはカラーパネルの「線」ボックスを使用して、線にカラーを適用し、スプレッドトラップまたはチョークトラップを作成します。
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ウィンドウ/属性を選びます。
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「線にオーバープリント」オプションを選択します。
ヒントとコツ
- 共通のカラーでペイントされたオブジェクトを重ねる場合、トラッピングは必要なく、自動トラップが作成されます。
- ポイントサイズの小さいテキスト(文字)には、混合プロセスカラーや色合いの差のあるプロセスカラーを使用しないでください。版ずれが発生した場合に、文字が読みにくくなります。
- ポイントサイズの小さいテキストにトラップを作成すると、文字が読みにくくなる場合があります。テキストにトラップを作成する場合も、必要な設定について、出力センターや印刷会社にお問い合わせください。例えば、ブラックのテキストをカラーの背景にプリントするときは、単純にテキストを背景にオーバープリントするだけです。
- また、重なり合うオブジェクトのカラーにあまり差がないと、どちらのカラーが暗いのかを判断できない場合があり、その場合、トラップオプションによって、カラーのわずかな差を基準にしてトラップが作成されます。
- トラップダイアログボックスで指定したトラップが十分でない場合は、「逆トラップ」オプションを使用できます。
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