最低レベルのオーディオを選択します。左側の「対象のボリュームレベル」と「平均化の量」を設定します。再生を開始し、「平均化の量」を徐々に増やして、バックグラウンドノイズを増やさずにスピーチがよく聞こえるようにします。
- Audition ユーザーガイド
- はじめに
- ワークスペースと設定
- デジタルオーディオの基本
- 読み込み、録音および再生
- オーディオファイルの編集
- エッセンシャルサウンドパネルを使用したオーディオの編集、修復および向上
- マルチトラックのセッションマーカーとクリップマーカー
- テキストからスピーチを生成
- 複数のオーディオファイル間でのラウドネスの一致
- 波形エディターでのオーディオ表示
- オーディオの選択
- Audition でのオーディオのコピー、カット、ペースト、削除の方法
- 視覚的なフェードおよび振幅の変更
- マーカーの操作
- オーディオの位相反転、リバースおよび無音部分の作成
- 一般的な操作の自動化
- フェーズ、周波数および振幅の分析
- 周波数バンドスプリッター
- 取り消し、やり直し、ヒストリー
- サンプルタイプの変換
- Audition を使用したポッドキャストの作成
- エフェクトの適用
- エフェクトリファレンス
- マルチトラックセッションのミキシング
- ビデオとサラウンドサウンド
- キーボードショートカット
- 保存と書き出し
振幅エフェクト
振幅と圧縮/振幅エフェクトは、オーディオ信号をブーストまたは減衰します。このエフェクトはリアルタイムで動作するので、エフェクトラックの他のエフェクトと組み合わせることができます。
ゲインスライダー
個々のオーディオチャンネルをブーストまたは減衰します。
スライダーをリンク
複数のチャンネルスライダーをまとめて移動します。
チャンネルミキサーエフェクト
振幅と圧縮/チャンネルミキサーエフェクトは、ステレオまたはサラウンドチャンネルのバランスを変更します。サウンドの聴感上の位置の変更、不釣り合いなレベルの修正、フェージングの問題への対応が可能です。
チャンネルタブ
出力先チャンネルを選択します。
入力チャンネルスライダー
出力先チャンネルにミキシングするには、現在のチャンネルの割合を設定します。例えば、ステレオファイルの場合、L と R の値をそれぞれ 50 に設定すると、現在の L チャンネルと R チャンネルから出力先チャンネルに出力されるオーディオが等しくなります。
位相反転
チャンネルのフェーズを反転します(この重要なオーディオの概念については、音波の相互作用を参照してください)。すべてのチャンネルを位相反転すると、サウンドに聴覚上の違いは感じられません。ただし、1 つのチャンネルのみを位相反転すると、サウンドが大きく変化します。
DeEsser エフェクト
振幅と圧縮/DeEsser エフェクトは、歯擦音、つまり高周波数で歪む可能性のあるスピーチや歌の中の S 音を削除します。
処理対象の周波数がグラフに表示されます。処理対象の範囲にオーディオコンテンツがどのくらい存在するかを確認するには、プレビューボタン をクリックします。
モード
「広帯域」を選択するとすべての周波数が一様に圧縮され、「マルチバンド」を選択すると歯擦音の範囲のみが圧縮されます。「マルチバンド」はほとんどのオーディオコンテンツに最適ですが、処理時間が少し長くなります。
しきい値
ここで設定した振幅を超えると圧縮が発生します。
センター周波数
歯擦音が最も強くなる周波数を指定します。確認するには、オーディオを再生中にこの設定を調整します。
バンド幅
コンプレッサをトリガーする周波数範囲を決定します。
ヒント
センター周波数とバンド幅を視覚的に調整するには、グラフ内で選択範囲の端をドラッグします。
歯擦音のみを出力
検出された歯擦音を聞くことができます。再生を開始して、上記の設定を微調整します。
ゲインリダクション
処理対象の周波数の圧縮レベルを表示します。
ダイナミックス操作エフェクト
振幅と圧縮/ダイナミックス操作エフェクトは、コンプレッサ、リミッタ、またはエクスパンダとして使用できます。コンプレッサやリミッタとしては、このエフェクトはダイナミックレンジを減少させ、ボリュームレベルを一定にします。エクスパンダとしては、低レベルの信号のレベルを低下させてダイナミックレンジを増大させます(エクスパンダ設定を極端に効かせると、特定の振幅しきい値に達しないノイズを完全に除去するノイズゲートを作成できます)。
ダイナミックス操作エフェクトでは、繰り返し聴いて初めてわかる小さな変化を作り出すことができます。波形エディターでこのエフェクトを適用するときには、オリジナルファイルのコピーを使用し、必要に応じて適用前の状態に戻すことができるようにします。
ダイナミックス操作エフェクトで、レベルメーターおよびゲインリダクションメーターを表示できます。レベルメーターは、オーディオの入力レベルを表示し、ゲインリダクションメーターは、オーディオ信号の圧縮または拡張の程度を表示します。これらのメーターは、次に示すように、グラフの右側に表示されます。
最近のラジオ放送のように高音圧のサウンドをシミュレートするには、ブロードキャストリミッタープリセットを使用します。
「ダイナミック」タブ
グラフ
水平ルーラー(x 軸)は入力レベルを表し、垂直定規(y 軸)は新しい出力レベルを表します。デフォルトのグラフでは、左下から右上に向かう直線が表示され、各入力レベルが出力レベルと正確に一致しているので、信号が変更されていないことを示します。グラフを調整すると、入力レベルと出力レベルの関係が変更され、ダイナミックレンジが変更されます。
例えば、-20 dB 近辺の音の要素が必要な場合、レベルが -20 dB 近辺の入力だけをすべて増幅し、それ以外は変更しないままにすることができます。また、反転した線(左上から右下)を描画して、静かなサウンドをブーストし、大きなサウンドを抑制することができます。
ポイントを追加
指定した数値の 入力レベル および出力レベルを使用してグラフにコントロールポイントを追加します。この方法は、グラフをクリックしてポイントを追加するよりも正確です。
ヒント
数値を使用して既存のコントロールポイントを調整するには、コントロールポイントを右クリックして「ポイントを編集」を選択します。
ポイントを削除
選択したポイントをグラフから削除します。
位相反転
グラフを反転し、圧縮から拡張(または拡張から圧縮)に切り替えます。
注:グラフを反転できるのは、2 つのデフォルトのコーナー(-100, -100 と 0, 0)にポイントがあり、出力レベルが左から右に向かって増加する場合だけです。つまり、各コントロールポイントは左側にあるコントロールポイントよりも高くなっている必要があります。
リセット
グラフをフラットな状態にリセットします。
スプラインカーブ
コントロールポイント間を、急な直線状ではなく滑らかなカーブ状に遷移します(グラフのスプラインカーブについてを参照してください。)
メイクアップゲイン
処理対象の信号をブーストします。
「設定」タブ
一般
全体の設定を行います。
ルックアヘッドタイム
コンプレッサーのアタックタイム設定値を超えた大きい信号の始めに発生する一時的なスパイクを処理します。ルックアヘッドタイムを長くすると、オーディオが大きくなる前に圧縮が実行されるので、振幅が一定のレベルを超えることはありません。反対に、ドラムの打撃音など、パーカッシブな楽曲のインパクトを強調するときは、ルックアヘッドタイムを短くします。
ノイズゲート
拡張率が 50 : 1 未満の信号を完全に無音化します。
レベルディテクター
オリジナルの入力振幅を指定します。
入力ゲイン
レベルディテクターへの入力前の信号にゲインを適用します。
アタックタイム
入力信号による振幅レベルの変更が登録されるまでにかかる時間をミリ秒単位で指定します。例えば、オーディオが突然 30 dB 下がる場合、指定したアタックタイムが経過した後に、入力による振幅の変更が登録されます。こうすることで、一時的な変更による振幅の読み込みエラーが回避されます。
リリースタイム
別の振幅の変更を登録できるようになるまでにかかる、現在の振幅レベルが維持される時間をミリ秒単位で指定します。
ヒント
一時的な音を含むオーディオにはアタックタイムとリリースタイムを短く設定し、インパクトの少ない音を含むオーディオには長く設定してください。
ピークモード
振幅のピークに基づいてレベルを指定します。このモードは、ダイナミックスグラフにピークが明確に反映されないので、RMS に比べて使いやすくありません。ただし、このモードは、オーディオに含まれる一時的に大きなピークを抑制したい場合に役立ちます。
RMS モード
二乗平均平方根の計算式に基づいてレベルを指定します。より人間の耳の感覚に近付けるための平均化方式です。このモードは、ダイナミックスグラフに振幅を正確に反映します。例えば、-10 dB のリミッター(平坦な並行線)では、出力の RMS 振幅は平均 -10 dB になります。
ゲインプロセッサー
検出された振幅に応じて信号を増幅または減衰します。
出力ゲイン
すべてのダイナミックス操作の終了後に、出力信号にゲインを適用します。
アタックタイム
出力信号が指定されたレベルに到達するまでにかかる時間をミリ秒単位で指定します。例えば、オーディオが突然 30 dB 下がる場合、指定したアタックタイムが経過した後に、出力レベルが変更されます。
リリースタイム
現在の出力レベルが維持される時間をミリ秒単位で指定します。
注意:アタックタイムとリリースタイムの合計が短すぎると(約 30 ミリ秒以下)、耳で聞き取れるノイズが発生する可能性があります。オーディオコンテンツのタイプに応じて適切なアタックタイムとリリースタイムを設定するには、プリセットメニューの様々なオプションを選択してください。
ステレオリンク
すべてのチャンネルを均等に処理して、ステレオまたはサラウンドのバランスが保持されるようにします。例えば、L チャンネルのドラムのレベルが小さい場合、R チャンネルのレベルも同じ量だけ低減されます。
バンドリミット
指定した周波数範囲にダイナミックス操作を限定できます。
ローカットオフ
ダイナミックス操作が影響する周波数の下限を指定します。
ハイカットオフ
ダイナミックス操作が影響する周波数の上限を指定します。
ダイナミックエフェクト
振幅と圧縮/4 つのセクションで構成されるダイナミックエフェクト。それらのエフェクトは、オートゲート、コンプレッサー、エクスパンダー、リミッターです。このセクションのそれぞれを個別に制御できます。LED およびゲインリダクションメーターにより、オーディオ信号の処理の概略が分かります。
ダイナミックエフェクトの各種パラメーターは以下のとおりです。
• オートゲート:特定の振幅しきい値未満のノイズを削除します。LED メーターは、オーディオがゲートを通過している際には緑色です。オーディオが通過していないときには赤色になり、アタック、リリースおよびホールドタイム中には黄色になります。
• コンプレッサー:特定のしきい値を超えるオーディオを減衰することによってオーディオ信号のダイナミックレンジを縮小します。比率パラメーターを使用すると、ダイナミックレンジの変化を制御できます。アタックおよびリリースパラメーターは、経時的な動作を変更します。ゲインパラメーターを使用すると、信号にコンプレッサーをかけた後のオーディオレベルが増加します。ゲインリダクションメーターは、オーディオレベルの減少量を示します。
• エクスパンダー:特定のしきい値に達しないオーディオを減衰することによってオーディオ信号のダイナミックレンジを拡大します。比率パラメーターを使用すると、ダイナミックレンジの変化を制御できます。ゲインリダクションメーターは、オーディオレベルの減少レベルを表示します。
• リミッター:特定のしきい値を超えるオーディオを減衰します。信号が制限されると、LED メーターが点灯します。
Fade Envelope エフェクト
振幅を減少させ、減少量を時間と共に変化させるには、「フェードエンベロープ」(エフェクト/振幅と圧縮)を選択します。
波形エディターパネルで、黄色のエンベロープ線をクリックしてキーフレームを追加し、キーフレームを上下にドラッグして振幅を変更します。複数のキーフレームを簡単に選択、位置変更、削除する方法については、キーフレームを使用したオートメーションの調整を参照してください。
キーフレーム間のトランジションを直線ではなく、よりスムーズな曲線にするには、「スプラインカーブ」オプションを選択します。グラフのスプラインカーブについてを参照してください。
Gain Envelope エフェクト
振幅を時間と共にブーストまたは減少させるには、「Gain Envelope」(エフェクト/振幅と圧縮)を選択します。
波形エディターパネルで、黄色のエンベロープ線をクリックしてキーフレームを追加し、キーフレームを上下にドラッグして振幅を変更します。複数のキーフレームを簡単に選択、位置変更、削除する方法については、キーフレームを使用したオートメーションの調整を参照してください。
キーフレーム間のトランジションを直線ではなく、よりスムーズな曲線にするには、「スプラインカーブ 」オプション t を選択します。グラフのスプラインカーブについてを参照してください。
ハードリミットエフェクト
振幅と圧縮/ハードリミットエフェクトを使用すると、指定したしきい値を超えているオーディオを大幅に減衰できます。通常、この制限は、ディストーションを回避しながら全体のボリュームを増加させる入力ブーストに適用されます。
最大振幅
サンプルの許容最大振幅を設定します。
ヒント:16 ビットオーディオの処理中にクリッピングを防止するには、この値を ‑0.3 dB 以下に設定します。この値をさらに小さい ‑3 dB に設定すると、後でさらに編集するための多少の余裕を確保できます。
入力ブースト
オーディオを制限する前にあらかじめ増幅し、クリッピングを発生させずに選択範囲の音を大きくすることができます。このレベルを上げると圧縮も増加します。最近のポップミュージックのような、大音量でインパクトの強いオーディオにするには、極端な設定を試してみてください。
ルックアヘッドタイム
オーディオが最大ピークに達する前に減衰させるための時間(ミリ秒単位)を設定します。
注:値は 5 ミリ秒以上にしてください。この値が小さすぎる場合、可聴域の歪みが発生します。
リリースタイム
減衰された音が 12 dB リバウンドするための時間(ミリ秒単位)を設定します(これは、ピークが検出された場合に、オーディオが通常のボリュームに戻るまでに必要な時間に相当します)。一般的に、100(デフォルト)程度の設定が最適で、低域が保持されます。
注:この値が大きすぎると、オーディオが減衰されたままになり、しばらく通常のレベルに戻らない場合があります。
ステレオリンク
すべてのチャンネルのラウドネスをリンクし、ステレオまたはサラウンドのバランスを保持します。
マルチバンドコンプレッサエフェクト
振幅と圧縮/マルチバンドコンプレッサエフェクトを使用すると、4 つの異なる周波数バンドを個別に圧縮できます。各周波数バンドには通常、ユニークなダイナミックコンテンツが含まれているので、マルチバンド圧縮はオーディオのマスタリングに適したツールです。
マルチバンドコンプレッサのコントロールを使用して、クロスオーバー周波数を正確に定義し、バンド固有の圧縮設定を適用できます。バンドを単独でプレビューするには、ソロボタンをクリックします。バンドを処理しないで通過させるには、バイパスボタンをクリックします。個々のバンドを微調整した後、「バンドコントロールリンク」を選択してバンドを一括調整し、出力ゲインスライダーとリミッター設定を使用して全体的なボリュームを最適化します。
時間経過に従って圧縮設定を変更するには、マルチトラックエディターでオートメーションレーンを使用します(トラック設定のオートメーション化を参照してください)。
A. 周波数バンド B. クロスオーバーマーカー C. バイパスされたバンド(処理なし) D. 振幅スケール E. 周波数スケール
クロスオーバー
各バンドの幅を決めるクロスオーバー周波数を設定します。特定の「低」、「中」および「高」周波数を入力するか、グラフの上のクロスオーバーマーカーをドラッグします。
A. ソロ B. バイパス C. しきい値スライダー D. 入力レベルメーター E. ゲインリダクションメーター
ソロボタン
特定の周波数バンドを聞きます。一度に 1 つのソロボタンを有効にしてバンドを分離して聞くか、複数のボタンを有効にして 2 つ以上のバンドを一緒に聞きます。
バイパスボタン
バンドを処理しないで通過するように個々のバンドをバイパスします。
Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押しながらソロまたはバイパスボタンをクリックすると、独自の設定を 1 つのバンドにすばやく適用できます。
しきい値スライダー
圧縮が開始される入力レベルを設定します。設定可能な値の範囲は -60 ~ 0 dB です。最適な設定はオーディオのコンテンツと音楽のスタイルによって異なります。極端なピークのみを圧縮し、ダイナミックレンジを比較的広く保つには、しきい値をピーク入力レベルの 5 dB 下方に設定してみてください。オーディオを高度に圧縮してダイナミックレンジを大幅に減少させるには、ピーク入力レベルの 15 dB 下方に設定してみてください。
入力レベルメーター
入力振幅を測定します。ピークインジケーターおよびクリッピングインジケーターをリセットするには、このメーターをダブルクリックします。
ゲインリダクションメーター
上部(最小の縮小)から下部(最大の縮小)に向かって伸びる赤色のメーターで振幅の縮小を測定します。
ゲイン
圧縮後に、振幅をブーストまたはカットします。設定可能な値の範囲は -18 ~ +18 dB です。0 はユニティゲインです。
比率
圧縮比を 1:1 ~ 30:1 の間で設定します。例えば、3.0 に設定すると、圧縮しきい値より 3 dB 増加するごとに 1 dB を出力します。通常の設定範囲は 2.0 ~ 5.0 です。設定値を大きくすると、ポップミュージックでよく耳にする圧縮された音になります。
アタック
オーディオがしきい値を超えたときに圧縮を適用するまでの時間を指定します。設定可能な値の範囲は 0 ~ 500 ミリ秒です。デフォルトは 10 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。この設定を短くすると、打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには適していますが、そのような音が少ないオーディオの場合は不自然に聞こえます。
リリース
オーディオがしきい値を下回ったときに圧縮を停止するまでの時間を指定します。設定可能な値の範囲は 0 ~ 5000 ミリ秒です。デフォルトは 100 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには設定を短くし、そのような音が少ないオーディオには設定を長くしてください。
出力ゲイン
圧縮後に、全体的な出力レベルをブーストまたはカットします。設定可能な値の範囲は -18 ~ +18 dB です。0 はユニティゲインです。ピークインジケーターおよびクリッピングインジケーターをリセットするには、このメーターをダブルクリックします。
リミッター
信号パスの最後に、出力ゲインの後にリミッティングを適用して全体のレベルを最適化します。しきい値、アタック、およびリリース設定には、類似のバンド特有の設定よりも穏当な値を指定します。続いてマージン設定を、0 dBFS に相対的な上限値として指定します。
ヒント:圧縮されたオーディオを作成するには、リミッターを有効にして、高い出力ゲイン設定を試してください。
入力スペクトル
出力信号でなく入力信号の周波数スペクトルをマルチバンドグラフに表示します。各バンドに適用されている圧縮量をすばやく見るには、このオプションのオンとオフを切り替えます。
低歪高精度リミッター
現在のマージン設定で、ハードリミッティングをすぐに適用します(低速のソフトリミッティングを適用するには、このオプションの選択を解除します。サウンドの圧縮率は低くなりますが、マージン設定を超える可能性があります)。
注意:低歪高精度リミッターの最大アタックタイムは 5 ms です。
バンドコントロールリンク
バンド間の相対的な差異を保持しながら、すべてのバンドに対して圧縮設定を一括で調整します。
ヒント
バンドコントロールを一時的にリンクするには、Alt + Shift キー(Windows)または Option + Shift キー(Mac OS)を押します。全バンドのコントロールをリセットするには、Ctrl + Alt + Shift キー(Windows)または Command + Option + Shift キー(Mac OS)を押しながらコントロールをクリックします。
ノーマライズエフェクト(波形エディターのみ)
このエフェクトにはオフライン処理が必要です。このエフェクトが開いている間は、波形の編集、選択範囲の調整、時間インジケーターの移動はできません。
振幅と圧縮/ノーマライズエフェクトを使用すると、ファイルまたは選択範囲のピークレベルを設定できます。オーディオを 100 %にノーマライズすると、デジタルオーディオで許容される最大振幅である 0 dBFS を実現できます。オーディオをマスタリングエンジニアに送る場合は、オーディオを -3 ~ -6 dBFS の間でノーマライズし、処理の余地を残しておきます。
ノーマライズエフェクトは、ファイル全体または選択範囲を均等に増幅します。例えば、オリジナルオーディオに含まれるピークの最大値が 80 %、最小値が 20 %である場合、100 %にノーマライズすると、ピークの最大値が 100 %に、最小値が 40 %に増幅されます。
RMS ノーマライゼーションを適用するには、エフェクト/ボリュームを一致を選択します。必要に応じて、このコマンドを 1 つのファイルにのみ適用できます(複数のファイルでのボリュームの一致を参照してください)。
ノーマライズ比率
最大増幅値に対する最大ピークのパーセンテージを設定します。
ヒント:ノーマライズ値をデシベルで入力する場合は、パーセンテージではなく dB を選択します。
すべてのチャンネルを均等にノーマライズ
増幅量を計算するときに、ステレオまたはサラウンド波形のすべてのチャンネルを使用します。このオプションが選択されていない場合、増幅量は各チャンネルについて独立して計算され、一方が他方よりも非常に大きく増幅される可能性があります。
DC バイアス調整
波形表示での波形の位置を調整できます。一部のハードウェアでは DC バイアスが発生し、録音された波形が波形表示の通常の中央線よりも上または下に表示される場合があります。波形を中央に配置するには、このパーセンテージを 0 に設定します。選択した波形全体を中央線の上または下に移動するには、正または負のパーセンテージを指定します。
シングルバンドコンプレッサエフェクト
振幅と圧縮/シングルバンドコンプレッサエフェクトは、ダイナミックレンジを減少させ、ボリュームレベルを一定にして、知覚音量を増加します。シングルバンド圧縮は、サウンドトラックやバックグラウンドオーディオに対して会話を際立たせることができるので、ボイスオーバーに効果的です。
モダンポップミュージックの録音は、高度に圧縮されたオーディオの典型的な例です。多くのジャズの録音では圧縮率は低く設定されているのに対し、一般的なクラシック音楽の録音では圧縮はまったく行われません。
しきい値
圧縮が開始される入力レベルを設定します。最適な設定はオーディオのコンテンツとスタイルによって異なります。 極端なピークのみを圧縮し、ダイナミックレンジを比較的広く保つには、しきい値をピーク入力レベルの 5 dB 下方に設定してみてください。オーディオを高度に圧縮してダイナミックレンジを大幅に減少させるには、ピーク入力レベルの 15 dB 下方に設定してみてください。
比率
圧縮比を 1:1 ~ 30:1 の間で設定します。例えば、3 に設定すると、しきい値より 3 dB 増加するごとに 1 dB を出力します。通常の設定範囲は 2 ~ 5 です。設定値を大きくすると、ポップミュージックでよく耳にする圧縮された音になります。
アタック
オーディオがしきい値設定を超えたときに圧縮を開始するまでの時間を指定します。デフォルトは 10 ミリ秒で、多様な素材に適しています。打楽器のようなすばやく瞬間的な音を持つオーディオの場合にのみ、この設定を短くしてください。
リリース
オーディオがしきい値設定を下回ったときに圧縮を停止するまでの時間を指定します。デフォルトは 100 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには設定を短くし、そのような音が少ないオーディオには設定を長くしてください。
出力ゲイン
圧縮後に、振幅をブーストまたはカットします。設定可能な値の範囲は -30 db ~ +30 dB です。0 はユニティゲインです。
スピーチボリュームレベラーエフェクト
振幅と圧縮/スピーチボリュームレベラーは、ダイアログを最適化することによって、レベルを均等化し、バックグラウンドノイズを削除する圧縮エフェクトです。
最善の結果を得るには、次の手順を実行します。
-
-
最高レベルのオーディオを選択して、再生を開始します。上記で調整済みの静かな部分のラウドネスとボリュームが一致するように、「対象のボリュームレベル」を調整します。
-
必要に応じて、サウンドを圧縮しすぎないように「平均化の量」を再調整します。
各オプションの詳細は次のとおりです。
対象のボリュームレベル
必要な出力レベルを 0 dBFS を基準として設定します(dBFS での振幅の測定を参照してください)。
平均化の量
小さい値を設定すると、ノイズフロアをブーストせずにスピーチを少しだけ増幅します。大きい値を設定すると、信号がノイズフロアに近付くにつれて信号全体をさらに増幅します。
低信号をブースト
短く、ボリュームの低い部分を、増幅する対象のスピーチとして解釈します。ほとんどのオーディオコンテンツの場合、このオプションの選択を解除すると、サウンドが滑らかになります。
目標ダイナミックレンジ
スピーチのみを増幅および平均化しながら、バックグラウンドノイズを最小化します。
ほとんどのコンテンツで最適な結果を実現するために、ターゲットダイナミックレンジの値を –45dB~–60dB の範囲内で指定します。
このパラメーター値に高い値(最大 –80dB)を指定すると、バックグラウンドノイズを大幅に低減できますが、スピーチコンテンツの平均化および増幅も低くなります。
このパラメーター値に低い値(最小 –30dB)を指定すると、スピーチの平均化が向上しますが、バックグラウンドノイズが予想よりも増幅される可能性があります。
詳細設定
以下のオプションにアクセスするには、三角形をクリックします。
コンプレッサー
処理対象の信号が 0 dBFS を基準としたしきい値を下回った場合に強いレベルを維持します。
ノイズゲート
指定したオフセットの分だけ信号が低下したときに、出力レベルを大幅に下げることによってバックグラウンドノイズを除去します。
チューブモデルコンプレッサエフェクト
振幅と圧縮/チューブモデルコンプレッサエフェクトを使用すると、ビンテージハードウェアのコンプレッサが持つ暖かみをシミュレートできます。このエフェクトは、オーディオに快い味わいを出す微妙な歪みを加えます。
しきい値スライダー
圧縮が開始される入力レベルを設定します。設定可能な値の範囲は -60 ~ 0 dB です。最適な設定はオーディオのコンテンツと音楽のスタイルによって異なります。極端なピークのみを圧縮し、ダイナミックレンジを比較的広く保つには、しきい値をピーク入力レベルの 5 dB 下方に設定してみてください。オーディオを高度に圧縮してダイナミックレンジを大幅に減少させるには、ピーク入力レベルの 15 dB 下方に設定してみてください。
入力レベルメーター
スライダーの左にあるメーターは、入力の振幅を示します。ピークインジケーターおよびクリッピングインジケーターをリセットするには、このメーターをダブルクリックします。
ゲインリダクションメーター
スライダーの右にあるメーターは、上部(最小の縮小)から下部(最大の縮小)に向かって伸びる赤色のメーターで振幅の縮小を示します。
ゲイン
圧縮後に、振幅をブーストまたはカットします。設定可能な値の範囲は -18 ~ +18 dB です。0 はユニティゲインです。
比率
圧縮比を 1:1 ~ 30:1 の間で設定します。例えば、3.0 に設定すると、圧縮しきい値より 3 dB 増加するごとに 1 dB を出力します。通常の設定範囲は 2.0 ~ 5.0 です。設定値を大きくすると、ポップミュージックでよく耳にする圧縮された音になります。
アタック
オーディオがしきい値を超えたときに圧縮を適用するまでの時間を指定します。設定可能な値の範囲は 0 ~ 500 ミリ秒です。デフォルトは 10 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。この設定を短くすると、打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには適していますが、そのような音が少ないオーディオの場合は不自然に聞こえます。
リリース
オーディオがしきい値を下回ったときに圧縮を停止するまでの時間を指定します。設定可能な値の範囲は 0 ~ 5000 ミリ秒です。デフォルトは 100 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには設定を短くし、そのような音が少ないオーディオには設定を長くしてください。
ボリュームエンベロープエフェクト
振幅と圧縮/ボリュームエンベロープエフェクトを使用すると、ブーストやフェードを使用して、時間経過に伴いボリュームを変更することができます。波形エディターパネルで、黄色い線をドラッグするだけで操作できます。パネルの上端は 100 %(通常)の増幅を表し、下端は 100 %の減衰(無音)を表します。
マルチトラックエディターでは Volume Envelope エフェクトを使用できませんが、オートメーションレーンを使用して同様のエフェクトを実行できます(トラック設定のオートメーション化を参照してください)。
エディターパネルのエンベロープの黄色い線
増幅率を調整する場合はドラッグし、ブーストやフェードのためのキーフレームを追加する場合はクリックします。複数のキーフレームを簡単に選択、位置変更、削除する方法については、キーフレームを使用したオートメーションの調整を参照してください。
スプラインカーブ
キーフレーム間を、直線状ではなく滑らかなカーブ状に遷移します。グラフのスプラインカーブについてを参照してください。