コーデック
- Adobe Animate ユーザーガイド
- Animate の概要
- アニメーション
- Animate のアニメーションの基本
- Animate でフレームとキーフレームを使用する方法
- Animate でのフレームアニメーション
- Animate でのクラシックトゥイーンアニメーションの操作方法
- ブラシツール
- モーションガイド
- モーショントゥイーンと ActionScript 3.0
- モーショントゥイーンアニメーションについて
- モーショントゥイーンアニメーション
- モーショントゥイーンアニメーションの作成
- プロパティキーフレームの使用
- トゥイーンを使用した位置のアニメーション化
- モーションエディターを使用したモーショントゥイーンの編集
- トゥイーンアニメーションのモーションパスの編集
- モーショントゥイーンの操作
- カスタムイージングの追加
- モーションプリセットの作成と適用
- アニメーションのトゥイーンスパンの設定
- XML ファイルとして保存したモーショントゥイーンの操作
- モーショントゥイーンとクラシックトゥイーン
- シェイプトゥイーン
- Animate のボーンツールアニメーションの使用
- Animate でのキャラクターリグの操作
- Adobe Animate でのマスクレイヤーの使用
- Animate でのシーンの操作
- インタラクティブ機能
- ワークスペースとワークフロー
- ペイントブラシの作成と管理
- HTML5 Canvas ドキュメントでの Google フォントの使用
- Creative Cloud ライブラリと Adobe Animate の使用
- Animate のステージとツールパネルの使用
- Animate ワークフローとワークスペース
- HTML5 Canvas ドキュメントでの Web フォントの使用
- タイムラインと ActionScript
- 複数のタイムラインの操作
- 環境設定
- Animate オーサリングパネルの使用
- Animate でのタイムラインレイヤーの作成
- モバイルアプリおよびゲームエンジン用アニメーションの書き出し
- オブジェクトの移動とコピー
- テンプレート
- Animate での検索と置換
- 取り消し、やり直し、ヒストリーパネル
- キーボードショートカット
- Animate でのタイムラインの使用
- HTML 拡張機能の作成
- 画像とアニメーション GIF の最適化オプション
- 画像および GIF の書き出し設定
- Animate のアセットパネル
- マルチメディアとビデオ
- Animate のグラフィックオブイジェクトの変形と組み合わせ
- Animate でのシンボルインスタンスの作成と操作
- 画像トレース
- Adobe Animate でのサウンドの使用方法
- SVG ファイルの書き出し
- Animate で使用するビデオファイルの作成
- Animate にビデオを追加する方法
- Animate でのオブジェクトの描画および作成
- 線とシェイプの変更
- Animate CC での線、塗り、グラデーション
- Adobe Premiere Pro と After Effects の使用
- Animate CC のカラーパネル
- Animate で Flash CS6 ファイルを開く
- Animate でのクラシックテキストの操作
- Animate へのアートワークの挿入
- Animate に読み込まれたビットマップ
- 3D グラフィック
- Animate でのシンボルの操作
- Adobe Animate での線とシェイプの描画
- Animate でのライブラリの使用
- サウンドの書き出し
- Animate CC でのオブジェクトの選択
- Animate での Illustrator AI ファイルの操作
- ブレンドモードの適用
- オブジェクトの配置
- コマンドメニューを使用したタスクの自動化
- 多言語テキスト
- Animate でのカメラの使用
- グラフィックフィルター
- サウンドと ActionScript
- 描画の環境設定
- ペンツールを使用した描画
- プラットフォーム
- 他のドキュメントタイプ形式への Animate プロジェクトの変換
- カスタムプラットフォームサポート
- Animate での HTML5 Canvas ドキュメントの作成およびパブリッシュ
- WebGL ドキュメントの作成とパブリッシュ
- AIR for iOS 用アプリケーションのパッケージ化
- AIR for Android アプリケーションのパブリッシュ
- デスクトップ用 Adobe AIR のパブリッシュ
- ActionScript パブリッシュ設定
- ベストプラクティス - アプリケーションでの ActionScript の整理
- Animate での ActionScript の使用
- Animate ワークスペースのアクセシビリティ
- スクリプトの記述と管理
- カスタムプラットフォームサポートの有効化
- カスタムプラットフォームサポートの概要
- カスタムプラットフォームサポートプラグインの操作
- ActionScript 3.0 のデバッグ
- カスタムプラットフォームサポートの有効化
- 書き出しとパブリッシュ
- Animate CC からファイルを書き出す方法
- OAM パブリッシング
- SVG ファイルの書き出し
- Animate によるグラフィックとビデオの書き出し
- AS3 ドキュメントのパブリッシュ
- モバイルアプリおよびゲームエンジン用アニメーションの書き出し
- サウンドの書き出し
- ベストプラクティス - モバイルデバイス向けのコンテンツ作成のヒント
- ベストプラクティス - ビデオ規則
- ベストプラクティス - SWF アプリケーションのオーサリングガイドライン
- ベストプラクティス - FLA ファイルの構造化
- FLA ファイルを Animate 向けに最適化するベストプラクティス
- ActionScript パブリッシュ設定
- Animate のパブリッシュ設定の指定
- プロジェクターファイルの書き出し
- 画像とアニメーション GIF の書き出し
- HTML パブリッシュ用テンプレート
- Adobe Premiere Pro と After Effects の使用
- アニメーションのクイック共有とパブリッシュ
- トラブルシューティング
Adobe Animate では、デジタルビデオフッテージを Web ベースのプレゼンテーションに組み込むことができます。FLV および F4V(H.264)ビデオ形式を使用すると、データ、グラフィック、サウンドおよびインタラクティブなコントロールをビデオに組み込むことができ、技術面でもクリエイティブな面でも有利です。FLV および F4V ビデオは、ほとんどすべてのユーザーが表示できる形式で、Web ページに簡単に配置できます。
ビデオのデプロイ方法により、ビデオコンテンツの作成方法と Animate との統合方法が決まります。ビデオは、次の方法で Animate に組み込むことができます。
Adobe Media Server によるビデオのストリーミング
リアルタイムメディアの配信用に最適化されたサーバーソリューションである Adobe® Media Server では、ビデオコンテンツをホストできます。Adobe Media Server は、ストリーミングビデオやオーディオコンテンツなどのリアルタイムサーバーアプリケーション用に設計されたプロトコルである RTMP(Real-Time Messaging Protocol)を使用しています。独自の Adobe Media Server をホストすることも、ホストされた Flash® Video® Streaming Service(FVSS)を使用することもできます。アドビ システムズ社は、高パフォーマンスで信頼性の高いネットワークを通じてオンデマンドの FLV または F4V ファイルビデオを配信するホストサービスを提供するために、いくつかの CDN(コンテンツ配信ネットワーク)プロバイダーと提携しました。FVSS は、Adobe Media Server で構築され、CDN ネットワークの配信、追跡および報告インフラストラクチャ上に直接統合されており、独自のストリーミングサーバーハードウェアおよびネットワークを設定および維持することなく、可能な限り最大数のユーザーに FLV または F4V ファイルを配信するための最も効果的な方法となります。
ビデオ再生を制御し、ストリーミングビデオを操作するユーザーに対して直感的なコントロールを提供するには、FLVPlayback コンポーネント、Adobe® ActionScript® を使用します。OSMF の使用方法について詳しくは、OSMF ドキュメントを参照してください。
Web サーバーからのビデオのプログレッシブダウンロード
Adobe Media Server または FVSS へのアクセス権がない場合や、ビデオコンテンツの量が限られている少量の Web サイトでビデオが必要な場合は、プログレッシブダウンロードを検討することもできます。Web サーバーからビデオクリップをプログレッシブダウンロードする場合、Adobe Media Server のようなリアルタイムのパフォーマンスが得られるわけではありません。しかし、比較的大きなビデオクリップを使用し、パブリッシュされる SWF ファイルのサイズを最小に保つことができます。
ビデオ再生を制御し、ビデオを操作するユーザーに対して直感的なコントロールを提供するには、FLVPlayback コンポーネントまたは ActionScript を使用します。
Animate ドキュメントへのビデオの埋め込み
再生時間の短い小さなビデオファイルを直接 Animate ドキュメントに埋め込んで、それを SWF ファイルの一部としてパブリッシュできます。ビデオコンテンツを直接 Animate SWF ファイルに埋め込むと、パブリッシュされるファイルのサイズが大幅に増えるので、これは、小さなビデオファイル(通常 10 秒に満たないファイル)にのみ適しています。また、Animate ドキュメントに埋め込まれたビデオクリップが長くなると、オーディオとビデオの同期(オーディオ / ビデオ同期)が失敗する場合があります。SWF ファイル内にビデオを埋め込むことのもう 1 つのデメリットは、ビデオの更新に SWF ファイルの再パブリッシュが必要であるという点です。
ガイドレイヤー上にも非表示レイヤー上にもない H264 ビデオコンテンツを含む FLA をパブリッシュしようとすると、パブリッシュ先のプラットフォームが埋め込み H.264 ビデオをサポートしていないことを示す警告メッセージが表示されます。
ビデオ再生の制御
ビデオ再生は、Animate で FLVPlayback コンポーネントを使用してカスタム ActionScript を作成し、外部ビデオストリームや、タイムラインに埋め込まれたビデオの再生を制御するなどの方法で制御できます。
FLVPlayback コンポーネント
完全な機能を有する FLV 再生コントロールを Animate ドキュメントに追加し、FLV または F4V ファイルのプログレッシブダウンロードとストリーミングの両方をサポートします。FLVPlayback を使用すると、ビデオの再生を制御するための直感的なビデオコントロールの作成、あらかじめ作成されたスキンの適用、およびビデオインターフェイスへの独自のカスタムスキンの適用を容易に行うことができます。詳しくは、FLVPlayback コンポーネントを参照してください。
Open Source Media Framework(OSMF)
OSMF を使用すると、開発者は、プラグ可能なコンポーネントを簡単に選択して組み合わせることで、優れた再生品質および機能を提供できます。詳しくは、OSMF のマニュアルを参照してください。
ActionScript を使用した外部ビデオの制御
実行時に Animate ドキュメントで、ActionScript の NetConnection オブジェクトおよび NetStream オブジェクトを使用して、外部の FLV または F4V ファイルを再生します。詳しくは、ActionScript を使用した外部ビデオ再生の制御を参照してください。
あらかじめ記述された ActionScript スクリプトであるビデオビヘイビアーを使用して、ビデオ再生を制御できます。
タイムラインに埋め込まれたビデオの制御
埋め込みビデオファイルの再生を制御するには、ビデオが埋め込まれているタイムラインを制御する ActionScript を作成する必要があります。詳しくは、タイムラインを使用したビデオ再生の制御を参照してください。
ビデオの読み込みウィザード
ビデオの読み込みウィザードを使用すると、既存のビデオファイルを選択する作業と、3 種類のビデオ再生シナリオのうちの 1 つを使用するためにファイルを読み込む作業のときにガイドが提供されるので、Animate ドキュメントへのビデオの読み込みが簡単にできます。ビデオの読み込みウィザードでは選択する読み込み方法と再生方法の設定の基本的なレベルが提供されています。この設定レベルは、具体的な要件に合わせて変更できます。
ビデオの読み込みダイアログボックスには、次のビデオ読み込みオプションがあります。
外部ビデオを再生コンポーネントと共にロードする
ビデオを読み込み、FLVPlayback コンポーネントのインスタンスを作成してビデオ再生を制御します。Animate ドキュメントを SWF としてパブリッシュし、それを Web サーバーにアップロードする準備が整ったら、Web サーバーまたは Adobe Media Server のいずれかにビデオファイルをアップロードし、アップロードしたビデオファイルの場所を指定して FLVPlayback コンポーネントを設定する必要があります。
SWF に FLV を埋め込み、タイムラインで再生する
Animate ドキュメントに FLV を埋め込みます。このような方法でビデオを読み込むと、ビデオがタイムラインに配置され、個別のビデオフレームがタイムラインのフレーム内で表されるようになります。埋め込み FLV ビデオファイルは、Animate ドキュメントの一部になります。
注意:ビデオコンテンツを直接 Animate SWF ファイルに埋め込むと、パブリッシュされるファイルのサイズが大幅に増えるので、これは小さなビデオファイルにのみ適しています。また、Animate ドキュメントに埋め込まれたビデオクリップが長くなると、オーディオとビデオの同期(オーディオ / ビデオ同期)が失敗する場合があります。
H.264 ビデオをタイムラインに埋め込み
Animate ドキュメントに H.264 ビデオを埋め込みます。 このオプションを使用してビデオを読み込む場合、そのビデオをステージ上に配置し、デザイン時にアニメーション用のガイドとして使用できます。ビデオのフレームは、タイムラインをスクラブするか再生したときにステージ上にレンダリングされます。関連するフレームのオーディオも再生されます。
ガイドレイヤー上にも非表示レイヤー上にもない H264 ビデオコンテンツを含む FLA をパブリッシュしようとすると、パブリッシュ先のプラットフォームが埋め込み H.264 ビデオをサポートしていないことを示す警告メッセージが表示されます。
ビデオ形式と Animate
ビデオを Animate に読み込むには、FLV 形式または H.264 形式にエンコードされているビデオを使用する必要があります。ビデオの読み込みウィザード(ファイル/読み込み/ビデオの読み込み)は、読み込み用に選択するビデオファイルを確認し、ビデオが Animate で再生できない形式の場合には警告を表示します。ビデオが FLV 形式でも F4V 形式でもない場合は、Adobe® Media® Encoder を使用して適切な形式にエンコードできます。
Adobe Media Encoder
Adobe® Media® Encoder は、Adobe® Premiere® Pro、Adobe® Soundbooth®、Animate などのアプリケーションで、特定のメディア形式で出力するために採用されているスタンドアロンエンコードアプリケーションです。Adobe Media Encoder は、アプリケーションごとに専用の書き出し設定ダイアログボックスがあります。このダイアログボックスには、Adobe Flash Video、H.264 など、特定の書き出し形式に関連する数多くの設定が用意されています。書き出し設定ダイアログボックスには、特定の配布メディアに適した各形式のプリセットが数多く用意されています。カスタムプリセットを保存して、他のユーザーと共有したり、必要に応じて読み込んで再利用したりすることもできます。
Adobe Media Encoder を使用した H.264 または F4V 形式でのビデオのエンコードについて詳しくは、『Adobe Media Encoder ユーザーガイド』を参照してください。
H.264、On2 VP6 および Sorenson Spark ビデオコーデック
Adobe Media Encoder を使用してビデオをエンコードする場合、Animate で使用するビデオコンテンツをエンコードするための、次の 3 種類のビデオコーデックのいずれかを選択できます。
H.264
Flash Player バージョン 9.0.r115 以降、H.264 ビデオコーデックのサポートが組み込まれました。このコーデックを使用する F4V ビデオ形式は、以前の Flash のビデオコーデックと比べて品質対ビットレートの比率が大幅に向上していますが、Flash Player 7 および 8 でリリースされた Sorenson Spark および On2 VP6 ビデオコーデックと比べてより高い処理能力がコンピューターに要求されます。
アルファチャンネルを含んだビデオを使用して合成を行う場合は、On2 VP6 ビデオコーデックを使用する必要があります。アルファビデオチャンネルは F4V ではサポートされていません。
On2 VP6
On2 VP6 コーデックは、Flash Player 8 以上で使用する FLV ファイルの作成時に使う推奨されるビデオコーデックです。On2 VP6 コーデックでは次のものが提供されます。
同じデータレートでエンコードした場合、Sorenson Spark コーデックよりも高品質のビデオ
複合ビデオの 8 ビットアルファチャンネルの使用のサポート
同じデータレートでより高品質のビデオをサポートするために、On2 VP6 コーデックはエンコード時間が明らかに遅くなり、デコードと再生を行うために、クライアントコンピューターには、より処理能力の高いプロセッサーが必要になります。このために、FLV ビデオコンテンツにアクセスする一般的なユーザーのコンピューターの中で、最も処理能力の低いコンピューターに対して十分に配慮する必要があります。
Sorenson Spark
Flash Player 6 および 7 との下位互換性が必要な Animate ドキュメントをパブリッシュする場合は、Flash Player 6 で導入された Sorenson Spark ビデオコーデックを使用する必要があります。古いコンピューターを使用しているユーザーが多いことが予期される場合は、FLV ファイルを、Sorenson Spark コーデックを使用してエンコードすることを検討してください。その理由は、Sorenson Spark コーデックでは、On2 VP6 または H.264 コーデックと比べて再生時に要求される処理能力がはるかに低いためです。
Animate コンテンツで、プログレッシブダウンロードまたは Adobe Media Server を使用して Flash Professional ビデオを動的にロードする場合、ユーザーが Flash Player 8 以降を使用してコンテンツを表示する限り、Flash Player 6 または 7 で当初作成された SWF ファイルを再パブリッシュすることなく、On2 VP6 ビデオを使用できます。On2 VP6 ビデオをストリーミングするか Animate SWF バージョン 6 または 7 にダウンロードし、Flash Player 8 以降を使ってコンテンツを再生することで、Flash Player 8 以降のバージョン用の SWF ファイルを再作成しなくても済みます。
On2 VP6 ビデオのパブリッシュと再生の両方をサポートしているのは、Flash Player 8 および 9 だけです。
|
SWF バージョン(パブリッシュバージョン) |
Flash Player のバージョン(再生に必要なバージョン) |
Sorenson Spark |
6 |
6, 7, 8 |
|
7 |
7, 8, 9, 10 |
On2 VP6 |
6, 7, 8 |
8, 9, 10 |
H.264 |
9.2 以降 |
9.2 以降 |
Adobe FLV および F4V ビデオ作成のヒント
最適な FLV または F4V ビデオを作成するためのヒントを次に示します。
ビデオの最終出力までプロジェクトのネイティブ形式を使用
圧縮済みのデジタルビデオ形式を FLV または F4V などの他の形式に変換すると、前のエンコーダーによるノイズがビデオに混入することがあります。コンプレッサによるエンコードアルゴリズムがビデオに前もって適用されているので、ビデオの品質、フレームサイズおよびレートが低下した状態になっています。また、この圧縮により、デジタルアーティファクトやノイズも発生している可能性があります。そのようなノイズは最終エンコード処理に影響し、場合によっては、より高いデータレートを使用しないとファイルのエンコード品質を確保できなくなることもあります。
映像が簡潔になるように工夫します。
複雑なトランジションを使用すると、うまく圧縮されず、圧縮後のビデオでトランジション時の画質が粗くなりやすいので、使用を避けることをお勧めします。多くの場合、ディゾルブではなくハードカットの手法を使用するのが適切です。背後から迫るようにズームしてくる物体や、「ページめくり」効果、画面外に飛び去るボールの周囲を回り込むような動きなどをビデオシーケンスで使用すると、目立つ映像を作成できますが、圧縮結果の品質が落ちるので、多用することは望ましくありません。
ユーザー側のデータレートを把握します。
ビデオをインターネットを通じて配信するときには、低いデータレートでファイルを作成します。高速なインターネット接続を使用しているユーザーは、読み込むことなく直ちにビデオを見ることができますが、ダイヤルアップ接続を使用しているユーザーは、ファイルのダウンロードに時間が掛かります。クリップを短くして、ダウンロード時間をダイヤルアップユーザーの許容範囲内に収めます。
適切なフレームレートを選択します。
フレームレートとは、1 秒間に再生されるフレーム数(fps)のことです。データレートの高いクリップでは、フレームレートを低くすることにより、限られた帯域幅での再生が改善されます。たとえば、ほとんど動きのないクリップを圧縮する場合、フレームレートを半分に減らしても、データレートは 20 %程度しか減少しません。それに対して、動きの多いビデオを圧縮する場合は、フレームレートを減らすとデータレートも大幅に減少します。
本来のフレームレートで再生した方がビデオの品質は格段に優れているので、配信チャンネルや再生プラットフォームが高いフレームレートに対応できる場合は、フレームレートを落とさないでおくことをお勧めします。Web 配信の場合、ホスティングサービスに詳細をお問い合わせください。モバイル機器の場合、機器固有のエンコードプリセットと、Adobe Premiere Pro の Adobe Media Encoder を通じて使用可能なデバイスエミュレーターを使用します。フレームレートを減らす必要がある場合は、元のフレームレートを整数で割った値にすると、最適な結果が得られます。
データレートとフレームアスペクト比に適したフレームサイズの選択
特定のデータレート(接続スピード)では、フレームサイズが増加するとビデオの品質が低下します。エンコード設定のフレームサイズを決めるときには、フレームレート、ソースマテリアルおよび個人の環境設定を考慮する必要があります。ピラーボックス化(画面の両側が黒くなる現象)を防ぐには、ソース映像と同じアスペクト比を持つフレームサイズを選択する必要があります。例えば、NTSC 映像を PAL フレームサイズにエンコードすると、ピラーボックスが発生します。
Adobe Media Encoder では、いくつかの Adobe FLV または F4V ビデオプリセットを使用できます。データレートが異なる様々なテレビ標準規格向けのフレームサイズやフレームレートのプリセットなどが用意されています。以下の一般的なフレームサイズ(ピクセル単位)をガイドとして使用するか、様々な Adobe Media Encoder プリセットを試して、プロジェクトに最適な設定を見つけてください。
ダイヤルアップモデム、NTSC 4 × 3
162 × 120
ダイヤルアップモデム、PAL 4 × 3
160 x 120
T1/DSL/ケーブル、NTSC 4 x 3
648 x 480
T1/DSL/ケーブル、PAL 4 x 3
768 x 576
ストリーミングによる最高のパフォーマンスの実現
ダウンロード時間の短縮、高いインタラクティブ性とナビゲーション機能の提供またはサービス品質の監視を実現するには、Adobe Media Server で Adobe FLV または F4V ビデオファイルをストリーミングするか、アドビ システムズ社の Web サイトに記載の Flash Video Streaming Service パートナーが提供するホストサービスを使用します。プログレッシブダウンロードと、Adobe Media Server を使用したストリーミングとの違いについて詳しくは、Flash デベロッパーセンター Web サイトで「Delivering Flash Video: Understanding the Difference Between Progressive Download and Streaming Video」を参照してください。
プログレッシブダウンロードの時間を理解する
ダウンロードが完了するまでビデオを中断することなく、最後まで再生できるだけの長さをダウンロードするには、どれだけの時間がかかるかを把握しておきます。ビデオの前半部分がダウンロードされている間は、他のコンテンツを表示してダウンロードを隠すこともできます。短いクリップについては、(一時停止)=(ダウンロード時間)-(再生時間)+(再生時間の 10%)という式を使用します。たとえば、クリップの長さが 30 秒間で、ダウンロードに 1 分間かかる場合、クリップには 33 秒間のバッファーを指定します(60 秒 – 30 秒 + 3 秒 = 33 秒)。
ノイズとインターレースの排除
最適なエンコードを得るには、ノイズとインターレースを排除する必要があります。
オリジナルの品質が高いほど、最終的な仕上がりが良くなります。インターネットビデオは通常、テレビに比べてフレームレートが低く、サイズも小さいですが、コンピューターのモニターは色の忠実度、彩度、シャープネス、および解像度において従来のテレビよりもはるかに勝っています。デジタルビデオは、小さなウィンドウに表示されますが、一般的なアナログテレビよりもイメージの品質が重要になります。テレビではほとんど目立たない加工やノイズが、コンピューターの画面ではっきりとわかることがあります。
Adobe Animate は、TV などのインターレースディスプレイよりも、コンピューター画面やその他の機器でのプログレッシブディスプレイに適しています。プログレッシブディスプレイでインターレース映像を表示すると、動きが多い部分に垂直線が交互に表示されることがあります。そのため、Adobe Media Encoder で、処理するすべてのビデオ映像からインターレースを除去します。
オーディオと同じガイドラインの遵守
ビデオを作成する場合と同様の点をオーディオの作成でも考慮する必要があります。オーディオを最適な状態に圧縮するには、クリアな音質のオーディオで開始します。CD に収録されている素材をエンコードする場合は、サウンドカードのアナログ入力ではなく、ダイレクトデジタル転送を使用してファイルに録音することをお勧めします。サウンドカードによる無用のデジタル - アナログ変換とアナログ - デジタル変換が介在すると、ソースオーディオにノイズが混入する原因になります。ダイレクトデジタル転送ツールは、Windows および Mac OS プラットフォームで利用できます。アナログソースから録音する場合は、できるだけ高品質のサウンドカードを使用してください。
ソースオーディオファイルがモノラル(モノ)の場合、Animate で使用する場合もモノでエンコードすることをお勧めします。Adobe Media Encoder でプリセットを使用してエンコードしている場合、プリセットがステレオまたはモノのどちらでエンコードされているかを確認し、必要に応じてモノを選択してください。
チュートリアルと例
次のビデオチュートリアルおよび記事では、Animate で使用するビデオを作成および準備する方法が詳しく説明されています。一部のアイテムは CS3 または CS4 について示していますが、CS5 にも適用されます。
- 記事:Adobe Media Encoder ユーザーガイド(Adobe.com)