- Adobe Premiere Elements ユーザーガイド
- Adobe Premiere Elements の概要
- ワークスペースとワークフロー
- プロジェクトの操作
- メディアの読み込みと追加
- クリップの並べ替え
- クリップの編集
- カラー補正とグレーディング
- トランジションの適用
- 特殊効果の基礎
- スペシャルエフェクトの適用
- パンとズームを使用したビデオのようなエフェクトの作成
- 透明化とスーパーインポーズ
- モーションエフェクトを使用したクリップの配置、スケール(拡大や縮小)および回転
- ビデオへのエフェクトマスキングの適用
- 色温度と色合いの調整
- 窓ガラス効果を作成 - ガイド付き編集
- ピクチャインピクチャオーバーレイの作成
- 調整レイヤーを使用したエフェクトの適用
- ムービーへのタイトルの追加
- かすみの除去
- ピクチャインピクチャの作成 - ガイド付き編集
- 周辺光量補正エフェクトの作成
- 明暗別色補正エフェクトの追加
- フィルムルックエフェクトの追加
- HSL チューナーエフェクトの追加
- フレームを埋める - ガイド付き編集
- タイムラプスの作成 - ガイド付き編集
- アニメーション化された空 - ガイド付き編集
- 被写体の選択
- アニメーションマット - ガイド付き編集
- 二重露光 - ガイド付き編集
- 特殊オーディオ効果
- ムービータイトル
- ディスクメニュー
- ムービーの共有と書き出し
スーパーインポーズと透明化について
スーパーインポーズとは、複数のイメージを重ねて組み合わせる処理のことです。初期設定では、ビデオクリップは完全に不透明であるため、スーパーインポーズを行うには透明にする必要があります。上にあるビデオトラック上のクリップを透明にすると、その下にあるトラック上のクリップが見えるようになります。
Premiere Elements では、不透明度エフェクトを使用して、クリップ全体をすばやく簡単に透明にすることができます。また、不透明度、マスク、マット、およびキーイングを任意に組み合わせて適用して、ファイルのアルファチャンネルを変更することもできます。アルファチャンネルは、クリップ内の透明な領域を定義しています。さらに高度なキーイングエフェクトにより、特定の色や形状を透明にすることができます。
Premiere Elements で作成するタイトルには、自動的にアルファチャンネルが含まれます。また、定義済みの透明な領域のあるファイルを読み込むこともできます。Adobe After Effects、Adobe Photoshop、Adobe Photoshop Elements、Adobe Illustrator® などのアプリケーションでは、透明な領域を保存できます。アルファチャンネルが維持され、プロジェクトの設定に従った状態でファイルが読み込まれます。透明な領域を維持してファイルを保存する方法については、それぞれのユーザーガイドを参照してください。
Premiere Elements の透明化では、次の用語を使用します。
アルファチャンネル
クリップの透明な領域を定義するチャンネルです。この不可視のチャンネルは、可視の赤、緑、青(RGB)カラーチャンネルとは別の追加チャンネルとして存在します。
不透明度
クリップの不透明度または透明度を決定する設定です(例えば、不透明度 75% は、透明度 25% と同じです)。
マスク
この用語はアルファチャンネルと同じ意味で使用されることがあります。また、アルファチャンネルの変更処理という意味で使用されることもあります。
マット
クリップの透明な領域を定義するファイルまたはチャンネルです。マットは、結果のイメージの透明度を決定します。Premiere Elements では、トラックマットキーとともにマットを使用します。
キーイング
特定のカラー(カラーキー)または輝度(ルミナンスキー)の値を使用して透明な領域を定義することです。キーと一致するピクセルが透明になります。通常、キーイングは、ブルースクリーンなど単色の背景を別のイメージで置き換える場合に使用します(例えば、テレビの気象情報番組で、予報官の後ろのブルースクリーンを天気図に置き換えるのに利用しています)。ビデオマージエフェクトは、キーイングを使用して、はじめの背景色を透明として定義します。
A. 上になるクリップ B. ブルースクリーンキーエフェクトで透明な領域(黒の部分)を定義した状態 C. 下になるクリップ D. 2 つのクリップを組み合わせた結果
不透明度の調整
初期設定では、クリップは完全に不透明(100%)な状態で表示され、下にある(背面にある)トラックのどのクリップも表示されません。下にあるクリップを表示するには、不透明度の値を 100% 未満にします。不透明度を 0% にすると、クリップは完全に透明になります。透明なクリップの下に位置するトラックにクリップがない場合は、ムービーの黒い背景が見えるようになります。
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「適用エフェクト」ボタンをクリックし、適用されたエフェクトパネルを開きます。
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透明にするクリップを選択して、次のいずれかの操作をおこないます。
適用されたエフェクトパネルで、不透明度エフェクトを展開し、クリップの不透明度スライダーを必要に応じてドラッグします。
エキスパートビュータイムラインで、クリップの真上にあるポップアップメニューから、不透明度/不透明度を選択します(場合によっては、メニューを表示させるためにズームインする必要があります)。選択ツールをクリックし、カーソルをクリップの不透明度グラフに合わせます。カーソルが上下二重矢印アイコンに変わったら、不透明グラフを上または下にドラッグします。
注意:時間の経過に従ってクリップをフェードインまたはフェードアウトするには、クリップの不透明度をアニメートします。単に黒い背景からフェードインしたり黒い背景にフェードアウトする場合は、適用されたエフェクトパネルの「フェードイン」または「フェードアウト」オプションをクリックします。また、キーイングエフェクトを使用して透明部分を作成することもできます。
カラーのキーアウト
クリップ内の特定の領域を透明にするには、カラー、マット、またはアルファチャンネルを基準にしてキーイングエフェクトを適用します。指定したキーに一致するピクセルが透明になります。
カラーベースのキーイングエフェクト
(ビデオマージ、ブルースクリーンキー、クロマキー、グリーンスクリーンキー、赤以外キー)クリップ内に特定のカラーが現れたときに透明部分を追加します。例えば、カラーベースのキーイングエフェクトを使用して、ブルースクリーンなどの単色の背景を削除することができます。
マットベースのキーイングエフェクト
(4 点、8 点、16 点ガベージマットキーとトラックマットキー)クリップの領域を、別のクリップまたは手動で指定した領域でマスクできます。クリップに配置するマスクの形状に従って透明度を設定したり、マットとして使用するファイル内のグレースケールレベルに従って透明度を設定できます。また、トラックマットキーエフェクトを使用して、クリエイティブなコンポジットを作成することもできます。
アルファチャンネルベースのキーイングエフェクト
アルファチャンネルキーエフェクトにより、クリップのアルファチャンネルを反転したりオフにしたりできます。または、透明度が設定されていない領域をマスクに変換できます。
カラーのキーアウトについて詳しくは、Adobe Premiere Elements ヘルプを参照してください。
ビデオマージを使用した透明部分の作成
クリップの背景を自動的に透明化するには、ビデオマージエフェクトを適用します。このエフェクトを使用することで、スーパーインポーズするクリップを簡単に作成できます。
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クイックビュータイムラインまたはエキスパートビュータイムラインで、透明化するクリップを右クリックするか Ctrl キーを押しながらクリックし、「ビデオマージを適用」を選択します(エフェクトパネルから「ビデオマージ」を選択することもできます)。
エフェクトにより、背景色が自動的に検出されて削除され、下にあるクリップが透明な領域越しに見えるようになります。
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(オプション)「適用エフェクト」ボタンをクリックして適用されたエフェクトパネルを開き、エフェクト名を展開してエフェクトのオプションを表示し、編集します。
A. 背景が塗りつぶされた前景クリップ B. ビデオマージエフェクトによって自動的に透明化された背景 C. 透明部分越しに表示される背景クリップ D. 2 つのクリップを組み合わせた結果
注意:Mac OS では、背景が単色のクリップをドラッグした場合はビデオマージダイアログが表示されません。Mac OS でビデオマージを適用するには、クリップをモニターパネルにドラッグしてから「ビデオマージ」オプションを選択します。エフェクトパネルからビデオマージを適用することもできます。
キーイングエフェクトを使用した透明部分の作成
クリップ内にある特定の色に透明度を設定するには、カラーベースのキーイングエフェクトを適用します。これらのエフェクトは、通常、色付きの背景を削除するのに使用します。
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アクションバーで「エフェクト」をクリックし、エフェクトパネルを表示します。
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キーイングエフェクト(またはクロマ、ブルースクリーン、グリーンスクリーン、赤以外)を選択します。
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クイックビュータイムラインまたはエキスパートビュータイムラインでクリップにエフェクトをドラッグします。
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(オプション)「適用エフェクト」ボタンをクリックして適用されたエフェクトパネルを開き、エフェクト名を展開してエフェクトのオプションを表示し、編集します。
A. 上になるクリップ B. ブルースクリーンによって自動的に透明になった背景 C. 下になるクリップ D. 2 つのクリップを組み合わせた結果
トラックマットキーエフェクトを使用した透明部分の作成
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まだ実行していない場合は、プロジェクトにマットファイルを追加します。そのためには、「メディアを追加」をクリックして、「ファイルとフォルダー」を選択します。マットファイルに移動して、「開く」ボタンをクリックします。マットファイルは、1 つの形状(星や花の形状など)だけが含まれるように作成してください。
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エキスパートビュータイムライン内のトラックに背景クリップを追加します。
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背景クリップの上にスーパーインポーズするクリップを、背景クリップを含むトラックよりも上に位置するトラックに追加します。このクリップがトラックマットによって表示されます。
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3 番目のトラックにマットとして使用するクリップを追加します(3 番目のトラックを追加するには、エキスパートビュータイムラインの一番上のビデオトラックの上にある空白の領域にマットをドラッグします。新しいトラックが自動的に作成されます)。
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エフェクトパネルで、キーイングカテゴリフォルダーを展開し、スーパーインポーズするクリップ(背景クリップの上にあるクリップ)にトラックマットキーエフェクトをドラッグします。
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「適用エフェクト」ボタンをクリックし、適用されたエフェクトパネルを開きます。
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適用されたエフェクトパネルで、トラックマットキーを展開します。
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「マット」で、マットが含まれているビデオトラックを選択します。
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必要に応じて、次のオプションを調整します。
コンポジット用マット
「アルファマット」を選択すると、トラックマットのアルファチャンネルの値を使用して合成が行われます。「ルミナンスマット」を選択すると、画像のルミナンス値を使用して合成が行われます。
反転
トラックマットの値を反転します。
ヒント:スーパーインポーズするクリップの元のカラーを維持するには、グレースケール画像をマットとして使用します。マットにカラーが含まれていると、スーパーインポーズするクリップから同じレベルのカラーが除去されてしまいます。
ガベージマットを使用した不要なオブジェクトの非表示化
場合によっては、カラーベースのキーイングエフェクトで背景を削除しても、マイクやケーブルなどの不要なオブジェクトが表示されたままになることがあります。ガベージマットキーイングエフェクトを使用して不要なオブジェクトをマスクします。ガベージマットは、境界ははっきりしているが単色ではない領域をキーイングするのに効果的です。また、カラーベースのキーイングエフェクトで取り除けなかった不要な要素を取り除くのにも適しています。
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トラックにクリップを配置します。
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エフェクトパネルで、キーイングカテゴリを展開し、クリップにガベージマットエフェクトをドラッグします。
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「適用エフェクト」ボタンをクリックし、適用されたエフェクトパネルを開きます。
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適用されたエフェクトパネルで、エフェクト名のとなりの右向きの三角形をクリックして展開します。注意:
ガベージマットエフェクトの名前(4 点ガベージマット、8 点ガベージマット、16 点ガベージマット)は、それぞれのハンドル数を表しています。
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マットの形状を変更するには、次のいずれかの操作をおこないます。
エフェクト名をクリックして、ガベージマットエフェクトの点のハンドルをモニターパネルに表示し、ハンドルをドラッグします。
適用されたエフェクトパネルでガベージマットエフェクトの値を変更します。
アルファチャンネルの反転または非表示
「フッテージを変換」コマンドを使用して、Premiere Elements によるクリップのアルファチャンネルの処理方法をプロジェクト全体で変更することができます。
1 つのクリップインスタンスのアルファチャンネルを無視または反転するには、アルファチャンネルキーエフェクトを使用してください。
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プロジェクトのアセットパネルでクリップを選択します。
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ファイル/フッテージを変換を選択し、必要に応じて「アルファチャンネル」セクションのオプションを指定して「OK」をクリックします。
アルファチャンネルを無視
クリップに含まれているアルファチャンネルを無視します。
アルファチャンネルを反転
アルファチャンネルの明暗領域を反転します。これにより、クリップの透明な領域と不透明な領域が反転されます。
ヒント:クリップの透明な領域が分かりにくい場合は、キーイングしている画像の下のトラックに明るい色のマットを一時的に追加します(詳しくは、背景用のカラーマットを作成するにはを参照してください)。