ファイル/読み込み/ファイルまたはファイル/読み込み/複数のファイルを選択します。また、プロジェクトパネルの空白領域をダブルクリックすることもできます。
- After Effects ユーザガイド
- ベータ版のリリース
- はじめに
- Workspaces
- プロジェクトとコンポジション
- フッテージの読み込み
- テキストとグラフィック
- テキスト
- モーショングラフィック
- 描画、ペイント、パス
- レイヤー、マーカー、カメラ
- アニメーション、キーフレーム、モーショントラッキング、キーイング
- アニメーション
- キーフレーム
- モーショントラッキング
- キーイング
- 透明度と合成
- カラーの調整
- エフェクトおよびアニメーションプリセット
- エクスプレッションと自動化
- イマーシブビデオ、VR、3D
- After Effects での VR 環境の作成
- イマーシブビデオエフェクトの適用
- VR/360 度ビデオの合成ツール
- 高度 3D レンダラー
- 3D モデルを読み込んでコンポジションに追加
- Creative Cloud ライブラリからの 3D モデルの読み込み
- 画像ベースの照明
- 3D モデルからのライトとカメラの抽出およびアニメーション化
- 3D カメラの移動のトラッキング
- シャドウを落とすおよび受ける
- 埋め込まれた 3D モデルアニメーション
- シャドウキャッチャー
- 3D 深度データ抽出
- 3D レイヤーのマテリアルプロパティの変更
- 3D デザインスペースでの作業
- 3D 変形ギズモ
- 3D アニメーションによるその他の操作
- Mercury 3D エンジンを使用した、3D デザインへのリアルタイムのプレビュー変更
- グラフィックへのレスポンシブデザインの追加
- ビューとプレビュー
- レンダリングと書き出し
- その他のアプリケーションの使用
- 共同作業:Frame.io と Team Projects
- メモリ、ストレージおよびパフォーマンス
- ナレッジベース
読み込まれたファイルおよびフッテージアイテムについて
フッテージアイテムを基にしてソースファイルをプロジェクトに読み込み、レイヤーのソースとして使用します。同じファイルを、変換設定がそれぞれ異なる複数のフッテージアイテムのソースとして使用できます。各フッテージアイテムは 1 つまたは複数のレイヤーのソースとして使用できます。コンポジションではレイヤーのコレクションを使用します。
プロジェクトパネルでは主にフッテージアイテムを使用します。フッテージパネルを使ってフッテージを検討しフッテージアイテムのデュレーション調整を行うなど、簡単な編集作業を実行することができます。
個別のフッテージアイテムのソースとして、動画ファイル、静止画ファイル、静止画シーケンスやオーディオファイルなど、たくさんの種類のファイル、ファイルのグループ、ファイルのコンポーネントを読み込むことができます。After Effects 内で、平面やプリコンポジションなど、フッテージアイテムを作成することもできます。フッテージアイテムはいつでもプロジェクトに読み込むことができます。
ファイルを読み込むと、画像データ自体がプロジェクトにコピーされるのではなく、フッテージアイテムのソースへの参照リンクが作成されます。これにより、プロジェクトファイルのサイズが比較的小さく保たれます。
読み込んだソースファイルを削除したり、ファイル名を変更したり、移動したりすると、そのファイルへの参照リンクが壊れます。リンクが壊れると、ソースファイル名がプロジェクトパネル内に斜体で表示され、ファイルパス欄にはリンクが失われたことが示されます。フッテージアイテムが存在する場合は、通常、アイテムをダブルクリックしてファイルを選択し直すだけで、リンクを再設定することができます。
ソースアイテムがないフッテージアイテムを検索するには、プロジェクトパネルの検索フィールドに不明と入力します。詳しくは、タイムラインパネル、プロジェクトパネルおよびエフェクト&プリセットパネルでの検索とフィルターを参照してください。
レンダリング時間を短縮して処理速度を上げるには、After Effects に読み込む前にフッテージを準備しておきます。例えば、After Effects で静止画のスケールやクロップを行うよりも、After Effects に読み込む前に Adobe Photoshop でスケールやクロップを行います。After Effects で、画像が含まれているフレームの数だけ毎秒何度も同じアクションを行うよりも、Adobe Photoshop で一括して作業する方がはるかに効率がよくなります。
作業時間を節約し、プロジェクトのサイズと複雑さを最小限に抑えるには、ソースアイテムをフッテージアイテムとして一度だけ読み込んで、コンポジション内でそれを何度も使用します。ただし、フッテージアイテムを複製し、それぞれを異なる方法で変換すると便利な場合もあります。例えば、同じフッテージを 2 つの異なるフレームレートで使用できます。
他のアプリケーションを使用して、プロジェクトで使用されているフッテージアイテムを変更した場合、それらの変更点は、次回プロジェクトを開いたときか、フッテージアイテムを選択してファイル/フッテージの再読み込みを選択したときに After Effects で表示されます。
レイヤープロパティに対して行った変更に影響を与えることなくレイヤーのソースフッテージアイテムを別のフッテージアイテムに置き換えるには、タイムラインパネルでレイヤーを選択し、その上に新しいフッテージアイテムを Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押しながらドラッグします。
選択されているフッテージアイテムを別のフッテージアイテムで置き換えるには、プロジェクトパネルでフッテージアイテムを選択し、Alt キー(Windows)または Option キー(Mac OS)を押しながら、新しいフッテージアイテムをプロジェクトパネル内の選択されているフッテージアイテムにドラッグします。
ある形式のビデオやオーディオを読み込むと、After Effects ではこれらを処理してキャッシュを作成し、プレビューを作成するときにすばやくアクセスできるようにします。キャッシュによりビデオおよびオーディオアイテムをプレビューごとに再処理する必要がなくなるので、プレビューの処理速度は大いに改善されます。
QuickTime ファイルのネイティブ形式でのエンコーディングおよびデコーディング
After Effects では、macOS X システムと Windows システムで GoPro CineForm コーデックを使用して、QuickTime ファイル(.mov)をデコードおよびエンコードできます。これは、このようなファイルを使用したり作成したりするために、追加のコーデックをインストールする必要がないことを意味します。
MOV では、After Effects は、次の非圧縮形式について、ネイティブでの読み込みをサポートしています。
- DV、IMX、MPEG2、XDCAM、h264、JPEG、Avid DNxHD、Avid DNxHR、Apple ProRes、AVCI および GoPro CineForm
ネイティブでの書き出しのサポートは、次の非圧縮形式で利用できます。
- Avid DNxHD、Avid DNxHR、DV および GoPro CineForm
After Effects は多くのコーデック(上記)をネイティブに読み込みおよび書き出しできるため、Windows では QuickTime は必要ありません。
サポートされている読み込み形式
MOV、AVI、MXF、FLV、F4V などの一部のファイル拡張子は、特定のオーディオ、ビデオまたは画像データ形式ではなく、コンテナファイル形式を表します。コンテナファイルは、さまざまな圧縮設定およびエンコード設定でエンコードしたデータを含むことができます。After Effects はこれらのコンテナファイルを読み込むことができますが、それらに含まれているデータを読み込むことができるかどうかは、インストールされているコーデック(特にデコーダ)によって決まります。
追加のコーデックをインストールすることで、それに対応するファイルタイプを After Effects で読み込めるようになります。多くのコーデックはオペレーティングシステム(Windows または macOS)にインストールする必要があり、QuickTime または Video for Windows 形式の内部コンポーネントとして機能させる必要があります。特定のデバイスまたはアプリケーションによって作成されるファイル用のコーデックについて詳しくは、ハードウェアまたはソフトウェアの製造元にお問い合わせください。
一部のファイルを読み込んで使用するには、追加のインポートプラグインをインストールする必要があります
Adobe Premiere Pro は、After Effects がネイティブで読み込むことができない数多くの形式をキャプチャするか読み込むことができます。Adobe Premiere Pro のデータは、さまざまな方法で After Effects に取り込むことができます詳しくは、Adobe Premiere Pro と After Effects の使用を参照してください。
- Adobe サウンドドキュメント(ASND:統合された 1 つのトラックとして読み込まれたマルチトラックファイル)
- Advanced Audio Coding(AAC、M4A)
- Audio Interchange File Format(AIF、AIFF)
- MP3(MP3、MPEG、MPG、MPA、MPE)
- Video for Windows(AVI、;Mac OS では QuickTime が必要)
- Waveform(WAV)
- Adobe Illustrator(AI、AI4、AI5、EPS、PS;連続ラスタライズ)
- Adobe PDF(PDF;最初のページのみ;連続ラスタライズ)
- Adobe Photoshop(PSD)
- Bitmap(BMP、RLE、DIB)
- Camera Raw(TIF、CRW、NEF、RAF、ORF、MRW、DCR、MOS、RAW、PEF、SRF、DNG、X3F、CR2、ERF)
- Cineon/DPX(CIN、DPX(8、10、12 および 16 bpc の DPX ファイル、アルファチャンネルおよびタイムコード付きの DPX ファイルを含む))
- Discreet RLA/RPF(RLA、RPF、16 bpc、カメラデータを読み込む)
- EPS
- GIF
- JPEG(JPG、JPE)
- Maya カメラデータ(MA)
- Maya IFF(IFF、TDI、16 bpc)
- OpenEXR(EXR、SXR、MXR、32 bpc)
- PICT(PCT)
- Portable Network Graphics(PNG;16 bpc)
- Radiance(HDR、RGBE、XYZE;32 bpc)
- SGI(SGI、BW、RGB;16 bpc)
- Softimage(PIC)
- Targa(TGA、VDA、ICB、VST)
- TIFF(TIF)
- OpenEXR ファイルの複数のレイヤーやチャンネルにアクセスできるように、fnord ソフトウェアの「3D チャンネル」エフェクトプラグインが After Effects に含まれています。詳しくは、OpenEXR ファイルのチャンネルの使用を参照してください。
- After Effects は、読み込んだ PIC ファイルに対応する ZPIC ファイルも読み取ることができます。詳しくは、別のアプリケーションでの 3D ファイルの読み込みと使用を参照してください。
- どの形式の静止画ファイルでも、シーケンスとして読み込めます。詳しくは、静止画の準備と読み込みを参照してください。
- アニメーション GIF(GIF)
- Avid DNxHR
- HEVC(H.265)MPEG-4
- ARRI ALEXA または ARRIFLEX D-21 カメラからの ARRIRAW ファイルのサポート
ARRIRAW ファイルについて詳しくは、ARRI グループの web サイトの ARRIRAW に関するよくある質問を参照してください。 - CinemaDNG
メモ:CinemaDNG は、CameraRAW のサブセットです。Camera Raw 設定のサブセットには、フッテージを変換ダイアログボックスの「詳細」オプションからアクセスできます。Cinema DNG のカラーマネジメントには、After Effects の既存の Camera Raw と同じカラースペースが含まれています(Adobe RGB、sRGB IEC619662.1、ColorMatch RGB、および ProPhoto RGB)。
- DV(MOV または AVI コンテナ、またはコンテナのない DV ストリーム)
- Electric Image(IMG、EI)
- FLV、F4V
- QuickTime(MOV、16 bpc、ネイティブデコーダーを持たないコーデックのみ)
- Video for Windows(AVI、WAV;Mac OS では QuickTime が必要)
- Windows Media File (WMV、WMA、ASF;Windows のみ)
- XDCAM HD および XDCAM EX
- RED(R3D)
- Media eXchange Format(MXF):MXF はコンテナ形式です。After Effects には、MXF ファイルに含まれる一部の種類のデータだけを読み込めます。After Effects に読み込める形式は、Panasonic ビデオカメラで Panasonic P2 メディアへの記録に使用される MXF ファイルの一種である Op-Atom 形式です。After Effects では、AVC-Intra 50、AVC-Intra 100、DV、DVCPRO、DVCPRO50、DVCPRO HD コーデックを使用してこれらの MXF ファイルからビデオを読み込めます。After Effects では、XDCAM HD 形式に準拠している MPEG-2 ビデオが含まれる、MXF 形式、MXF OP1 形式の XDCAM HD ファイルを読み込むこともできます。
- MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4 形式:MPEG、MPE、MPG、M2V、MPA、MP2、M2A、MPV、M2P、M2T、M2TS(AVCHD)、MP4、M4V、M4A
- SWF(連続ラスタライズ)
- Adobe Premiere Pro 1.0、1.5、2.0、CS3、CS4、CS5、CS6 および CC(PRPROJ; 1.0、1.5 および 2.0 Windows のみ)、および以降のプロジェクト
- Adobe After Effects CS5 の After Effects 6.0 以降のバイナリプロジェクト(AEP、AET)
- After Effects 7 は、After Effects 3.0 から After Effects 7 までのプロジェクトを開くことができます。
- Adobe After Effects CS4 以降の XML プロジェクト(AEPX)
Duck Pro の AE 自動読み込みプラグインがバンドルされるようになり、Pro の After Effects 読み込みという名前になりました。これを使用すると、Avid system の AAF および OMF ファイル、Final Cut Pro 7 以前の XML ファイル、Motion 4 以前のプロジェクトファイルを読み込むことができます。Pro Import After Effects の使用について詳しくは、ユーザーガイドを参照してください。ユーザーガイドは、ファイル/読み込み/Pro Import After Effects 読み込みを選択し、「ヘルプ」ボタンをクリックすると表示できます。
また、Final Cut Pro プロジェクトを Premiere Pro に読み込み、そのプロジェクトのコンポーネントを After Effects で利用することもできます。
- After Effects は、読み込んだ EI ファイルに対応する EIZ ファイルも読み取ることができます詳しくは、他のアプリケーションから 3D ファイルを読み込んで使用するを参照してください。
- 一部の MPEG データ形式は、After Effects で認識されないファイル名の拡張子を持つコンテナ形式で格納されます。例として、.vob や .mod などが挙げられます。場合によっては、これらのファイルのファイル拡張子を認識できるいずれかのファイル拡張子に変更して、After Effects に読み込むことができます。これらのコンテナ形式の実装はバリエーションがあるため、互換性は保証されません。
- MPEG 形式について詳しくは、MPEG の web サイトを参照してください。
- QuickTime を使用する前に、米国コンピューター緊急対応チームが 2016年4月に発行した警告をお読みください。Windows ユーザーにそのコンピューターから Apple QuickTime をアンインストールすることを勧告しています。
- R3D ファイルは、ノンリニア HDTV(Rec. 709)色空間の 32 bpc カラーを含むものとして解釈されます。709)カラースペースに 32 bpc カラーを含んでいると解釈されます。RED R3D のソース設定内のカラー調整では、輝度が高い値は保持されません。After Effects では、32 bpc(bit/チャンネル)カラーでカラー調整を行った場合、輝度が高い色は保持されます。輝度が高い色がクリップされないようにするには、フッテージ変換段階で RED R3D ソース設定ダイアログボックスで露出を調整するのではなく、After Effects で露出を調整します。
- After Effects は、Sony XDCAM HD アセットが MXF ファイルに記録されている場合はそれらをインポートできます。After Effects は IMX 形式の XDCAM HD アセットは読み込めません。After Effects は、BPAV ディレクトリに .mp4 のファイル名拡張子を持つエッセンスファイルとして保存されている Sony XDCAM EX アセットを読み込むことができます。
- SWF ファイルはアルファチャンネルとともに読み込まれます。オーディオは保持されません。インタラクティブな内容とスクリプトによるアニメーションは保持されません。最上位のメインムービー内でキーフレームで定義されているアニメーションは保持されます。
フッテージアイテムの読み込み
プロジェクトにメディアファイルを読み込むには、読み込みダイアログボックスを使用するか、ファイルをドラッグ&ドロップします。読み込んだフッテージアイテムがプロジェクトパネルに表示されます。
フッテージアイテムを読み込んだ後にフッテージを変換ダイアログボックスが表示されたとします。この場合、ラベルのないアルファチャンネルが含まれるので、アルファチャンネルの変換方法を選択するか、「予測」を選択して After Effects に変換方法を決定させる必要があります。詳しくは、アルファチャンネルの変換:合成または直線を参照してください。
読み込みダイアログボックスを使ってフッテージ アイテムを読み込む
-
「複数のファイル」を選択した場合は、読み込みコマンドを何回も選択することなく次のステップを複数回実行することができます。
注意:サポートされているフッテージファイル(プロジェクトファイル以外)だけを表示するには、ファイルの種類(Windows)または選択対象(macOS)メニューから「すべてのフッテージファイル」を選択します。
-
次のいずれかの操作を行います。
ファイルを選択して「開く」を選択します。
Ctrl キーを押しながらクリック(Windows)するか、Command キーを押しながらクリック(macOS)して複数のファイルを選択し、「開く」を選択します。
ファイルの範囲を選択するには、始めのファイルを選択して Shift キーを押しながら終わりのファイルを選択し、「開く」を選択します。
(Windows のみ)フォルダー全体を選択し、「フォルダーの読み込み」を選択します。
注意:「シーケンス」オプションを選択した場合は、フォルダーにある複数ファイルが静止画のシーケンスとして読み込まれます。
ドラッグでフッテージアイテムを読み込む
レイヤーのある静止画ファイルをドラッグして After Effects に読み込む際に常にコンポジションとして読み込みたい場合は、編集/環境設定/読み込み設定(Windows)または After Effects/環境設定/読み込み設定(macOS)を選択し、複数アイテムのドラッグ読み込みの初期設定ドロップダウンメニューから「コンポジション」または「コンポジション - レイヤーサイズを維持」を選択します詳しくは、静止画シーケンスをコンポジションとして読み込むを参照してください。
- 1 つのファイルを読み込むには、Windows エクスプローラー(Windows)または Finder(macOS)からプロジェクトパネルにファイルをドラッグします。
- また、プロジェクト内の任意のフォルダーを右クリックし、「読み込み」を選択して、プロジェクトパネルの特定のフォルダーにファイルを直接読み込むこともできます。また、フォルダーを選択する際に、キーボードショートカット Cmd + I キーまたは Ctrl + I キーを使用することもできます。
- フォルダーの中身を静止画のシーケンスとして読み込み、1 つのフッテージアイテムとしてプロジェクトパネルに表示するには、Windows エクスプローラー(Windows)または Finder(macOS)から、フォルダーをプロジェクトパネルにドラッグします。
- フォルダーの中身を個々のフッテージアイテムとして読み込み、プロジェクトパネルのフォルダー内に表示するには、Windows エクスプローラーから Alt キーを押しながら(Windows)、または Finder から Option キーを押しながら(macOS)、フォルダーをプロジェクトパネルにドラッグします。
- レンダリングした出力ファイルをレンダーキューパネルから読み込むには、該当の出力モジュールをレンダーキューパネルからプロジェクトパネルにドラッグします。
レンダリングする前に出力モジュールをレンダーキューパネルからプロジェクトパネルにドラッグすると、プレースホルダーフッテージアイテムが作成されます。プレースホルダーフッテージアイテムへの参照は、出力モジュールのレンダリング時に自動的に置換されます。プレースホルダーフッテージアイテム自体は置換されません。
フッテージアイテムを変換する
After Effects は読み込んだフッテージに一連の内部ルールを適用し、ソースファイルのピクセル縦横比、フレームレート、カラープロファイルおよびアルファチャンネルの種類を最適な予測値に基づいて変換します。After Effects の予測値が間違っている場合、またはユーザーがそのフッテージを別の方法で使いたい場合、フッテージ変換規則ファイル(interpretation rules.txt)を編集して、ある種類のすべてのフッテージアイテムの変換方法を変更するか、またはフッテージを変換ダイアログボックスを使用して、指定したフッテージアイテムの変換方法を変更することが可能です。
この変換設定では、それぞれのフッテージアイテムについて次の情報が決定されます。
- アルファチャンネルと他のチャンネルのインタラクションの変換方法
- フッテージアイテムに想定されるフレームレート
- フィールドの分割の判断と、そうする場合に想定されるフィールド順序
- 3:2 または 24Pa プルダウンの削除の判断
- フッテージアイテムのピクセル縦横比
- フッテージアイテムのカラープロファイル
ほとんどの場合、その情報は読み込まれたフッテージアイテムのデータ変換方法の決定に使われ、入力フッテージは After Effects に認識されます。フッテージを変換ダイアログボックスの変換設定は、ソースフッテージファイルを作成するのに使用した設定と一致させる必要があります。変換の設定を使用して、最終的なレンダリング出力の設定を指定しないでください。
通常は、これらの設定を変更する必要はありません。ただし、フッテージアイテムが一般的でないときは、それを正確に変換するために追加情報が必要になる場合があります。
フッテージを変換ダイアログボックスのカラーマネジメントセクションで、フッテージアイテムのカラー情報の変換方法を設定することができます。この操作は、フッテージアイテムにカラープロファイルが埋め込まれていない場合にのみ必要です。
フッテージパネル内でフッテージをプレビューすると、フッテージ変換処理の結果が表示されます。
変更を適用する前にこのダイアログボックスで行った設定の結果をプレビューするには、フッテージを変換ダイアログボックスで「プレビュー」を選択します。
フッテージを変換ダイアログボックスを使って 個別のフッテージアイテムを変換する
-
プロジェクトパネルでフッテージアイテムを選択し、次のいずれかの操作を行います。
プロジェクトパネルの左下にあるフッテージを変換 ボタンを選択します。
フッテージアイテムを「フッテージを変換」ボタンまでドラッグします。
ファイル/フッテージを変換/メインを選択します。
Ctrl+Alt+G キー(Windows)または Command+Option+G キー(macOS)を押します。
フッテージを変換ダイアログボックスを使って プロキシを変換する
-
プロジェクトパネルで元のフッテージアイテムを選択し、次のいずれかの操作を行います。
- プロジェクトパネルの左下にあるフッテージを変換 ボタンを、Alt キーを押しながらクリック(Windows)または Option キーを押しながらクリック(macOS)します。
- Alt キー(Windows)または Option キー(macOS)を押しながらフッテージアイテムを「フッテージを変換」ボタンにドラッグします。
- ファイル/フッテージを変換/プロキシを選択します。
フッテージの変換設定を 複数のフッテージアイテムに適用する
複数のフッテージアイテムの変換設定を すべて同じにする場合は、1 つのアイテムの設定をコピーして 他のアイテムに適用します。
-
プロジェクトパネルで、適用する変換設定を持つアイテムを選択します。
-
ファイル/フッテージを変換/変換を記憶を選択します。
-
プロジェクトパネル内の 1 つまたは複数のフッテージアイテムを選択します。
-
ファイル/フッテージを変換/変換を適用を選択します。
特定のアイテムの 変換規則を編集する
変換規則ファイルには、After Effects でフッテージアイテムを変換する方法を指定する規則が含まれています。ほとんどの場合、変換規則ファイルをカスタマイズする必要はありません。フッテージアイテムを読み込むと、変換規則ファイルで一致するものが検索され、そのフッテージアイテムの変換設定が決定されます。フッテージを変換ダイアログボックスを使用して、読み込み後にこれらの設定を上書きすることができます。
通常、変換規則ファイルの名前は interpretation rules.txt ですが、After Effects の一部の更新では、最新のバージョン番号を示す名前の付いた新しい変換規則ファイルがインストールされ、更新後のアプリケーションでは新しいファイルが使用されます。古い変換規則ファイルを変更した場合は、新しいファイルにも変更の適用が必要になる場合があります。
After Effects の変換規則ファイルは次の場所にあります。
- Windows:<drive>\Users\<username>\AppData\Roaming\Adobe\After Effects/<version>
- macOS:<drive>/Users/<username>/Library/Preferences/Adobe/After Effects/<version>
以前のバージョンの After Effects の変換規則ファイルは次の場所にあります。
- Windows: <drive>\Users\<username>\AppData\Roaming\Adobe\After Effects\<version>
- macOS:<drive>/Users/<username>/Library/Preferences/Adobe/After Effects/<version>
-
After Effects を終了します。
-
変換規則ファイルのバックアップコピーを 作成します。初期設定では、このファイルは After Effects アプリケーション と同じ場所にあります。
-
テキストエディターで変換規則ファイルを開きます。
-
ファイルにある指示に従って、設定を 変更します。注意:
各フッテージの種類またはコーデックに半角英数 4 文字のファイルタイプコードを指定する必要があります。プロジェクトのファイルコードまたはコーデックコードがわからない場合は、プロジェクトパネルでファイルを選択する際に、Alt キー(Windows)または Option キー(macOS)を押します。プロジェクトパネルの最上部にあるファイル説明の最後の行に、そのファイルのファイルタイプコードとコーデックコード(ファイルが圧縮されている場合)が表示されます。
-
Interpretation Rules.txt を保存します。
アルファチャンネル変換:合成 またはストレート
アルファチャンネルが設定されたイメージファイルには、ストレートまたは合成のいずれかの方法で、透明情報が保存されています。どちらも、アルファチャンネルは同じですが、カラーチャンネルが異なります。
ストレート(またはマットなし)チャンネルでは、透明情報はアルファチャンネルにのみ保存され、表示されるカラーチャンネルには保存されません。ストレートチャンネルを使うと、ストレートチャンネルをサポートするアプリケーションでイメージを表示するまで、透明に関する結果は表示されません。
合成(またはマットあり)チャンネルでは、透明情報はアルファチャンネルと共に、表示されるカラーチャンネルにも保存され、背景色と合成されます。合成チャンネルのことをカラーマットともいいます。ぼかしたエッジなどの半透明部分のカラーは、透明度により背景色に近づくように変更されます。
ソフトウェアによっては、チャンネルが合成される背景色を指定することができますが、そうでない場合は、通常、背景色は黒または白になります。
ストレートチャンネルは、合成チャンネルよりも正確なカラー情報を保持します。合成チャンネルは、Apple QuickTime Player など、様々なプログラムと互換性があります。通常、画像でストレートチャンネルと合成チャンネルのどちらを使用するかは、編集または合成する素材を読み込む前におこないます。Adobe Premiere Pro と After Effects はストレートチャンネルと合成チャンネルを認識しますが、複数のアルファチャンネルを含むファイルでは、最初のアルファチャンネルのみを認識します。
アルファチャンネルの変換を正しく設定することによって、ファイルを読み込むときにイメージのエッジに不要なカラーが表示されたり、アルファチャンネルのエッジで画質が劣化したりする問題を回避できます。例えば、合成チャンネルのアルファがストレートとして変換された場合、半透明の領域に、わずかに背景色が含まれます。コンポジション内のアルファチャンネルのエッジにハロー現象が生じるなど、カラーが不正確に表示される場合は、別の変換方法を試してください。
カラーマット削除エフェクトを使用して、レイヤーを非合成化して、レイヤーの半透明領域からフリンジを除去することができます。
フッテージアイテムに対してアルファチャンネルの 変換方法を設定する
-
プロジェクトパネルでフッテージアイテムを選択します。
-
ファイル/フッテージを変換/メインを選択します。
-
イメージの透明部分と不透明部分を切り替えるには、「アルファを反転」を選択します。
-
「アルファ」セクションで、変換方法を選択します。
自動設定
画像で使用されるアルファチャンネルの種類を判別します。 判別できなかった場合はビープ音が鳴ります。
無視
アルファチャネルに含まれている透明情報を 無視します。
ストレート - マットなし
チャンネルをストレートとして変換します。
合成チャンネル - カラーマット
チャンネルを合成チャンネルとして変換します。スポイト またはカラーピッカーを使ってチャンネルが合成される 背景色を指定します。
アルファチャンネルの初期設定を設定する
-
編集/環境設定/読み込み(Windows)または After Effects/環境設定/読み込み(macOS)を選択します。
-
ラベルのないアルファを変換ドロップダウンメニューからオプションを選択します。このメニューのオプションは、フッテージを変換ダイアログボックスのオプションと同様です。ユーザー定義は、ラベルのないアルファチャンネルのフッテージアイテムを読み込むたびにフッテージを変換ダイアログボックスが開くよう指定されています。
コンポジションのフレームレートは、 1 秒間に表示されるフレーム数を示します。また、タイムスケールと時間表示内で、 時間をフレームに分割する方法を示します。つまり、コンポジションフレームレートは、 1 秒間にソースフッテージアイテムから 画像をサンプリングする回数、またキーフレームを設定できる 時間区分を指定します。
After Effects では、コンポジション設定ダイアログボックス内に、ドロップフレームまたはノンドロップフレームのタイムコード用メニューがあります。
一般に、コンポジションフレームレートは現在の作業が対象とする出力の種類によって決まります。NTSC ビデオのフレームレートは 29.97 フレーム/秒(fps)、PAL ビデオのフレームレートは 25 fps、映画のフレームレートは 24 fps です。DVD ビデオの場合、放送システムに応じて、NTSC ビデオや PAL ビデオと同じフレームレート、または 23.976 フレームレートに設定できます。 一般に、CD-ROM または Web 用のアニメーションやビデオのフレームレートは、10 ~ 15 fps です。
コンポジションフレームレートを出力形式のレートの 2 倍に設定すると、インターレースされたソースフッテージの各フィールドが単独で、コンポジションパネルの別のフレームとして表示されます。この処理により、個々のフィールドにキーフレームを設定することができ、より詳細にマスクをアニメートすることができます。
最終出力にムービーをレンダリングする場合は、コンポジションフレームレートを使用するか、別のフレームレートを使用するか選択することができます。出力モジュールごとにフレームレートを設定する機能は、同じコンポジションで複数のメディア用の出力を作成する際に使うと便利です。
高フレームレートのフッテージのサポート
フレームレートフィールドを最大 999 fps まで設定できるので、レンダリングにより高いフレームレートを使用できます。
コンポジション内の各モーションフッテージにもフレームレートを設定できます。フッテージアイテムとコンポジションの両フレームレートの関係によって、レイヤーを再生したときの滑らかさが決まります。例えば、フッテージアイテムのフレームレートが 30 fps でコンポジションのフレームレートが 30 fps の場合は、レイヤーが 1 フレーム進むごとに、フッテージアイテムの次のコンポジションフレームが表示されます。フッテージアイテムのフレームレートが 15 fps でコンポジションのフレームレートが 30 fps の場合は、フッテージアイテムのフレームレートはコンポジションの連続した 2 つのフレームとして表示されます(これは、レイヤーに時間伸縮やフレームブレンドを適用しない単純な例を想定したものです)。
最も効率的に処理するには、フレームレートをプロジェクトの最終出力のフレームレートと同じ値に設定します。最終出力と同じフレームレートにすると、After Effects では各フレームがレンダリングされ、最終出力でフレームが抜けたり重複や補間が生じたりすることがありません。ただし、フッテージが 30 fps で最終出力が 29.97 などのように、ソースフッテージと出力のフレームレートが少しだけ異なる場合は、フッテージのフレームレートを調整して、コンポジションのフレームレートと同じにすることができます。
フッテージのフレームレートを変更しても、元のフッテージは変わらず、After Effects で使う参照のみが変わります。フレームレートを変更すると、フレームの内部デュレーションが変更され、フレームの内容は変更されません。変更後、フッテージは異なる速度で再生されます。例えば、フレームレートを 15 fps から 30 fps に変更すると、フッテージは 2 倍の速度で再生されます。ほとんどの場合、フレームレートの調整は、フッテージフレームレートと出力フレームレート間の差が小さい場合にのみおこないます。
フレームレートを変更すると、ビデオのデュレーションは変更されますが、オーディオはそのままなので、この調整操作によってオーディオトラックを含むビジュアルフッテージの同期を変更することができます。オーディオとビデオの両方を伸ばす場合は、「時間伸縮」コマンドを使います。ソースフッテージに適用されたキーフレームは、元の場所に残ります(レイヤーのビジュアルな内容ではなく、コンポジション内で同期が保持されます)。フッテージアイテムの変更後は、キーフレーム位置の調整が必要な場合があります。
ムービーや静止画シーケンスのフレームレートを 変更できます。例えば、10 個の静止画からなるシーケンスを読み込んで フレームレートを 5フレーム/秒(fps)に指定することができます。 このシーケンスでは、コンポジションで使われる際の デュレーションは 2 秒ということになります。
静止画のシーケンスを読み込むときは、読み込みカテゴリの「シーケンスフッテージ」設定で指定したフレームレートが使用されます。デフォルトのフレームレートは 30フレーム/秒(fps)です。フッテージアイテムを再変換すると、読み込んだ後にフレームレートを変更できます。
フレームレートが低いと、 非現実的な印象を与えるので、一般にクリエイティブな作業のときは、 NTSC ビデオの標準である 29.97 fps よりも、 24 fps などの低いフレームレートが好まれます。
インターレース されたビデオフッテージで 3:2 プルダウンを解除すると、 フレームレートは元の 5 分の 4 のレートに 自動的に調整されます。NTSC ビデオで 3:2 プルダウンを解除すると、 フレームレートは 24 fps になります。
コンポジションのフレームレートは最終出力形式のフレームレートと一致させる必要があります。ほとんどの場合、コンポジション設定のプリセットを選択するだけです。これに対して、各フッテージアイテムのフレームレートは、元のソースフッテージのフレームレートに一致させます。
フッテージアイテムのフレームレートを 変更する
-
プロジェクトパネルでフッテージアイテムを選択します。
-
ファイル/フッテージを変換/メインを選択します。
-
「次のフレームレートに調整」を選択し、「フレーム/秒」に新しいフレームレートを入力し、「OK」を選択します。
「フッテージを変換」を使用して フッテージアイテムのフレームレートを変更する代わりに、 フッテージアイテムに基づいてレイヤーを時間伸縮できます。例えば、レイヤーを 100.1%時間伸縮して 30 fps と 29.97 fps の間に変換できます。時間伸縮を行うと、 オーディオとビデオの速度が変わります。(レイヤーの時間伸縮 を参照。)
コンポジションのフレームレートを変更する
-
コンポジション/コンポジション設定を選択します。
-
次のいずれかの操作を行います。
プリセットメニューからコンポジション設定のプリセットを選択します。
「フレームレート」の値を設定します。
ピクセル縦横比(PAR) とは、イメージ内の 1 つのピクセルの幅に対する高さの割合のことです。フレーム 縦横比とは、イメージフレームの幅に対する高さの割合のことで、イメージ縦横比(IAR) とも呼ばれます。
ほとんどのコンピューターモニターでは正方形ピクセルが使用されますが、 ITU-R 601(D1)や DV を含む多くのビデオ形式では 非正方形ピクセルを使用します。
ビデオの形式によっては、 出力のフレーム縦横比は同じでも、異なるピクセル縦横比を使用する場合があります。 例えば、ある NTSC デジタイザーは、 正方形ピクセル(1.0 ピクセル縦横比)を使用する 4:3 のフレーム縦横比で、ピクセルサイズ 640 x 480 のフレームで出力します。D1 NTSC は、同じ 4:3 のフレーム縦横比で出力しますが、 非正方形ピクセル(0.91 ピクセル縦横比)を使用し、 ピクセルサイズ 720 x 486 のフレームになります。D1 のピクセルは常に非正方形で、 NTSC ビデオを出力するシステムでは垂直方向、 PAL ビデオを出力するシステムでは水平方向で使用されます。
非正方形ピクセルを変更せずに 正方形ピクセルモニターで表示すると、円が楕円になるなど イメージやモーションが歪みます。ただし、 ビデオモニターではイメージは正しく表示されます。D1 NTSC または DV のソースフッテージを After Effects に読み込むと、D1 システムや DV システムで表示するときより、 イメージが少し幅広に見えます。(D1 PAL フッテージアイテムの場合は、少し幅が狭く見えます)。D1/DV NTSC ワイドスクリーンや D1/DV PAL ワイドスクリーンを使用してアナモルフィックフッテージを読み込むと、 反対の結果になります。ワイドスクリーンビデオ形式のフレーム縦横比は 16:9 です。
プレビューのピクセル縦横比補正の画質は、プレビューカテゴリのズームの画質環境設定の影響を受けます。詳しくは、ビューアの画質の環境設定を参照してください。
A. 正方形ピクセルと 4:3 フレーム縦横比 B. 非正方形ピクセルと 4:3 フレーム縦横比 C. 正方形ピクセルモニターに表示された非正方形ピクセル
非正方形ピクセルを使用したフッテージアイテムの場合、プロジェクトパネルのフッテージアイテムのサムネールの横にピクセル縦横比が表示されます。フッテージを変換ダイアログボックスで、個別のフッテージアイテムに対し、ピクセル縦横比変換を変更することができます。すべてのフッテージアイテムが正しく変換されていることを確認することにより、同一のコンポジションの中でピクセル縦横比の異なるフッテージアイテムを組み合わせることができます。
After Effects は、ピクセル縦横比を直接 QuickTime ムービーから読み書きします。例えば、ワイドスクリーン(16:9 DV)としてキャプチャしたムービーは、読み込むと自動的に正しいタグが付けられます。同様に、AVI ファイルと PSD ファイルにはその画像のピクセル縦横比を明示する情報が含まれます。
フッテージアイテムにその画像のピクセル縦横比を明示する情報が含まれていない場合は、フッテージアイテムのピクセルサイズを使用して推測が行われます。ピクセルサイズが 720x486 の D1 フッテージアイテム、またはピクセルサイズが 720x480 の DV フッテージアイテムを読み込むと、ファイルのピクセル縦横比は、自動的に D1/DV NTSC に設定されます。また、ピクセルサイズが 720 x 576 の D1 または DV フッテージアイテムを読み込むと、ファイルのピクセル縦横比は、自動的に D1/DV PAL に設定されます。ただし、プロジェクトパネルまたはフッテージを変換ダイアログボックスで、すべてのファイルが正しく変換されていることを確認することをお勧めします。
ピクセルサイズが 720 x 480 の非 DV イメージなど、D1 や DV のピクセルサイズを持つ正方形ピクセル ファイルを読み込むときは、必ずピクセル縦横比を「正方形ピクセル」に 再設定してください。
コンポジションのピクセル縦横比の設定は最終出力形式のピクセル縦横比と一致させる必要があります。ほとんどの場合、コンポジション設定のプリセットを選択するだけです。これに対して、各フッテージアイテムのピクセル縦横比は、元のソースフッテージのピクセル縦横比に一致させます。
ピクセル縦横比を適切な値に アップグレードする
After Effects CS3 以前では、標準精細形式のビデオに、正しい絞り値の概念を無視するピクセル縦横比が使用されていました。標準精細形式のビデオでは、正しい絞り値が生成時の絞り値と異なることを考慮していなかったので、After Effects CS3 以前で使用されていたピクセル縦横比はわずかに間違っていました。ピクセル縦横比が間違っていたため、イメージがわずかに歪んで見えることがありました。
正しい開口部とはイメージのエッジに現れる不具合やゆがみがない部分のことで、生成時の絞り値とはイメージ全体のことです。
次の表に、After Effects のピクセル縦横比の詳細を示します。
形式 |
After Effects CS4 以降での値 |
前の値 |
D1/DV NTSC |
0.91 |
0.9 |
D1/DV NTSC ワイドスクリーン |
1.21 |
1.2 |
D1/DV PAL |
1.09 |
1.07 |
D1/DV PAL ワイドスクリーン |
1.46 |
1.42 |
この違いは、正しい絞り値が生成時の絞り値と異なる以前の標準精細形式でのみ発生し、新しい形式では発生しません。
After Effects で作成する新しいプロジェクトとコンポジションには、初期設定で正しいピクセル縦横比が使用されます。
After Effects CS3 以前で作成されたプロジェクトとコンポジションは、After Effects CS4 以降で開いたときに正しいピクセル縦横比を使用するようにアップグレードされます。
カスタムの変換規則ファイルがある場合は、 変換規則ファイルを更新して正しいピクセル縦横比を反映する必要があります。
フレーム全体に表示される正方形ピクセル フッテージアイテムを非正方形ピクセルのコンポジションで使用した場合、 ピクセル縦横比の変更によって異なる動作になります。 例えば、以前に PAL D1/DV コンポジションで 使用する 768 x 576 の正方形ピクセルフッテージアイテムを作成した場合は、 それらのアイテムを 788 x 576 の正方形ピクセルサイズで作成する必要があります。
標準精細形式の 正方形ピクセルに相当するコンポジション設定のプリセットは、次のように 変更されました。
形式 |
After Effects CS4 以降でのピクセルサイズ |
以前のピクセルサイズ |
NTSC D1 正方形ピクセル相当 |
720 x 534 |
720 x 540 |
NTSC D1 ワイドスクリーン正方形ピクセル相当 |
872 x 486 |
864 x 486 |
PAL D1/DV 正方形ピクセル相当 |
788 x 576 |
768 x 576 |
PAL D1/DV ワイドスクリーン正方形ピクセル相当 |
1050 x 576 |
1024 x 576 |
フッテージアイテムのピクセル縦横比の変換を 変更する
-
プロジェクトパネルでフッテージアイテムを選択します。
-
ファイル/フッテージを変換/メインを選択します。
-
ピクセル縦横比ドロップダウンメニューで比率を選択し、「OK」を選択します。
コンポジションのピクセル縦横比を 変更する
-
コンポジション/コンポジション設定を選択します。
-
次のいずれかの操作を行います。
プリセットメニューからコンポジション設定のプリセットを選択します。
ピクセル縦横比ドロップダウンメニューで値を選択します。
一般的なピクセル縦横比(アスペクト比)
|
ピクセル縦横比 |
使用する状況 |
正方形ピクセル |
1.0 |
フッテージのフレームサイズが 640 × 480 または 648 × 486 である場合、1,920 × 1,080 HD(HDV や DVCPRO HD を除く)である場合、1,280 × 720 HD または HDV である場合、または非正方形ピクセルをサポートしていないアプリケーションから書き出された場合。この設定は、フィルムから転送されたフッテージや、カスタマイズしたプロジェクトに適している場合もあります。 |
D1/DV NTSC |
0.91 |
フッテージのフレームサイズが 720 × 486 または 720 × 480 で、フレーム縦横比を 4:3 にする場合。この設定は、3D アニメーションアプリケーションなど、非正方形ピクセルで動作するアプリケーションから書き出したフッテージの場合にも適しています。 |
D1/DV NTSC ワイドスクリーン |
1.21 |
フッテージのフレームサイズが 720 × 486 または 720 × 480 で、フレーム縦横比を 16:9 にする場合。 |
D1/DV PAL |
1.09 |
フッテージのフレームサイズが 720 × 576 で、フレーム縦横比を 4:3 にする場合。 |
D1/DV PAL ワイドスクリーン |
1.46 |
フッテージのフレームサイズが 720 × 576 で、フレーム縦横比を 16:9 にする場合。 |
アナモルフィック 2:1 |
2.0 |
フッテージがアナモルフィックレンズを使用して撮影された場合や、または 2:1 の縦横比のフィルムフレームからアナモルフィック転送された場合。 |
HDV 1080/DVCPRO HD 720、HD アナモルフィック 1080 |
1.33 |
フッテージのフレームサイズが 1,440 × 1,080 または 960 × 720 で、フレーム縦横比を 16:9 にする場合。 |
DVCPRO HD 1080 |
1.5 |
フッテージのフレームサイズが 1,280 × 1,080 で、フレーム縦横比を 16:9 にする場合。 |