オーディオエフェクトライブラリ

最終更新日 : 2025年10月19日

Adobe Premiere Pro で幅広いオーディオツールを使用して、ビデオプロジェクトのサウンド品質を向上させ、クリエイティブな要素を追加し、プロフェッショナルグレードのオーディオを実現しましょう。

オーディオエフェクトにアクセスするには、プロジェクトを開き、タイムラインで変更したいオーディオクリップを選択します。次に、ウィンドウエフェクトに移動して、エフェクトパネルを開きます。オーディオエフェクトフォルダーを展開して、利用可能なエフェクトを参照します。

オーディオエフェクトの種類

Premiere Pro には、いくつかのカテゴリーのオーディオエフェクトがあります:

  • 振幅と圧縮音量レベルとダイナミックレンジを調整します。
  • ディレイとエコーオーディオに奥行きと空間を追加します。
  • フィルターとEQサウンドの周波数コンテンツを形成します。
  • モジュレーションオーディオに動きとテクスチャを作り出します。
  • ノイズ除去/修復不要なノイズやアーティファクトをクリーンアップします。
  • リバーブさまざまな音響空間をシミュレートします。
  • 特殊クリエイティブなサウンドデザインのためのユニークなエフェクト。
  • ステレオイメージオーディオのステレオフィールドを強化します。
Premiere Pro のオーディオエフェクトパネルのハイライト表示。振幅と圧縮、ディレイとエコー、フィルターと EQ、モジュレーション、リバーブなどの展開可能なカテゴリを表示しています。
Premiere Pro のオーディオエフェクトパネルでは、サウンドエフェクトが振幅と圧縮、ディレイとエコー、リバーブなどのカテゴリに整理され、効率的なオーディオ編集が可能です。

振幅と圧縮

振幅エフェクトは、オーディオ信号をブーストまたは減衰します。このエフェクトはリアルタイムで動作するので、エフェクトラックの他のエフェクトと組み合わせることができます。

  • ゲインスライダー個々のオーディオチャンネルをブーストまたは減衰することができます。
  • リンクスライダーチャンネルスライダーを一緒に移動させることができます。

チャンネルミキサー

チャンネルミキサーエフェクトは、ステレオまたはサラウンドチャンネルのバランスを変更します。サウンドの聴感上の位置を変更したり、不釣り合いなレベルを補正したり、位相の問題に対処したりできます。

  • チャンネルタブ出力チャンネルを選択します。 
  • 入力チャンネルスライダー出力チャンネルにミキシングする現在のチャンネルの割合を決定します。
  • 位相反転チャンネルの位相を反転します。すべてのチャンネルを位相反転すると、サウンドに聴覚上の違いは感じられません。 ただし、1 つのチャンネルのみを位相反転すると、サウンドが大きく変化します。

チャンネルボリューム

Cチャンネルボリュームエフェクトでは、ステレオまたは 5.1 のクリップや、トラックの各チャンネルのボリュームを、個別に調整することができます。各チャンネルのレベルはデシベル単位で指定します。

DeEsser

DeEsser エフェクトは、歯擦音やその他の高周波数の「SSS」タイプの音を除去します。これらのサウンドは、多くの場合、ナレーターやボーカリストが「s」や「t」の文字を発音したときに作成されます。このエフェクトは、5.1、ステレオまたはモノラルクリップに適用することができます。

  • モード広帯域」を選択するとすべての周波数が一様に圧縮され、「マルチバンド」を選択すると歯擦音の範囲のみが圧縮されます。「マルチバンド」はほとんどのオーディオコンテンツに最適ですが、処理時間が少し長くなります。
  • しきい値ここで設定した振幅を超えると圧縮が発生します。
  • センター周波数歯擦音が最も強くなる周波数を指定します。確認するには、オーディオを再生中にこの設定を調整します。
  • 帯域幅コンプレッサをトリガーする周波数範囲を決定します。
  • 歯擦音のみを出力検出された歯擦音を聞くことができます。再生を開始して、上記の設定を微調整します。
  • ゲインリダクション処理対象の周波数の圧縮レベルを表示します。

ダイナミック

ダイナミックエフェクトは、次の 4 つのセクションで構成されています。このセクションのそれぞれを個別に制御できます。 LED とゲインリダクションメーターにより、オーディオ信号の処理の概略が分かります。

ダイナミックエフェクトの各種パラメーターは以下のとおりです。

  • オートゲート特定の振幅しきい値未満のノイズを削除します。LED メーターは、オーディオがゲートを通過している際には緑色です。 オーディオが通過していないときには赤色になり、アタック、リリースおよびホールドタイム中には黄色になります。
  • コンプレッサ特定のしきい値を超えるオーディオを減衰することによってオーディオ信号のダイナミックレンジを縮小します。比率パラメーターを使用すると、ダイナミックレンジの変化を制御できます。アタックおよびリリースパラメーターは、経時的な動作を変更します。 ゲインパラメーターを使用すると、信号にコンプレッサーをかけた後のオーディオレベルが増加します。 ゲインリダクションメーターは、オーディオレベルの減少量を示します。
  • エクスパンダー特定のしきい値に達しないオーディオを減衰することによってオーディオ信号のダイナミックレンジを拡大します。比率パラメーターを使用すると、ダイナミックレンジの変化を制御できます。 ゲインリダクションメーターは、オーディオレベルの減少レベルを表示します。
  • リミッター:特定のしきい値を超えるオーディオを減衰します。 信号が制限されると、LED メーターが点灯します。

ダイナミックス操作

ダイナミックス操作エフェクトは、コンプレッサ、リミッターまたはエクスパンダーとして使用できます。コンプレッサーやリミッターとしては、このエフェクトはダイナミックレンジを減少させ、ボリュームレベルを一定にします。 エクスパンダーとしては、低レベルの信号のレベルを低下させてダイナミックレンジを増大させます。(エクスパンダー設定を極端に効かせると、特定の振幅しきい値に達しないノイズを完全に除去するノイズゲートを作成できます。)

ダイナミック

  • グラフ水平ルーラー(x 軸)は入力レベルを表し、垂直定規(y 軸)は新しい出力レベルを表します。デフォルトのグラフでは、左下から右上に向かう直線が表示され、信号が変更されていないことを示します。すべての入力レベルは同じ出力レベルを持ちます。グラフを調整すると、入力レベルと出力レベルの関係が変更され、ダイナミックレンジが変更されます。例えば、-20 dB 近辺の音の要素が必要な場合、レベルが -20 dB 近辺の入力だけをすべて増幅し、それ以外は変更しないままにすることができます。 また、反転した線(左上から右下)を描画して、静かなサウンドをブーストし、大きなサウンドを抑制することができます。
  • ポイントを追加入力レベルと出力レベルを数値で指定して、コントロールポイントをグラフに追加します。グラフをクリックして、ポイントを追加するよりも正確です。
  • ポイントを削除選択したポイントをグラフから削除します。
  • 反転グラフを反転することで、圧縮から拡張または拡張から圧縮に切り替えます。
  • リセットグラフをデフォルト状態にリセットします。
  • スプラインカーブ:コントロールポイント間を、急な直線状ではなく滑らかなカーブ状に遷移します。
  • メイクアップゲイン処理対象の信号をブーストします。
Premiere Pro でダイナミックス操作エフェクトパネルが開き、リニア圧縮カーブとしきい値、比率の設定が表示されます。
ダイナミクス処理エフェクトを使用して、圧縮カーブとしきい値レベルを調整することで、オーディオクリップのダイナミックレンジをコントロールします。

設定

  • 一般全体の設定を行います。
  • ルックアヘッドタイムコンプレッサのアタックタイム設定値を超えた大きい信号の始めに発生する一時的なスパイクを処理します。ルックアヘッドタイムを長くすると、オーディオが大きくなる前に圧縮が実行されるので、振幅が一定のレベルを超えることはありません。反対に、ドラムの打撃音などのインパクトを強調するときは、ルックアヘッドタイムを短くします。 
  • ノイズゲート拡張率が 50 : 1 未満の信号を完全に無音化します。
  • レベルディテクターオリジナルの入力振幅を指定します。 
  • 入力ゲインレベルディテクターへの入力前の信号にゲインを適用します。
  • アタックタイム入力信号による振幅レベルの変更が登録されるまでにかかる時間をミリ秒単位で指定します。例えば、オーディオが突然 30 dB 下がる場合、指定したアタックタイムが経過した後に、入力による振幅の変更が登録されます。 この選択により、一時的な変更による振幅の読み込みエラーが回避されます。 
  • リリースタイム別の振幅の変更を登録できるようになるまでにかかる、現在の振幅レベルが維持される時間をミリ秒単位で指定します。 
  • ピークモード振幅のピークに基づいてレベルを指定します。このモードは、ダイナミックスグラフにピークが明確に反映されないので、RMS に比べて使いやすくありません。ただし、このモードは、オーディオに含まれる一時的に大きなピークを抑制したい場合に役立ちます。
  • RMS モード二乗平均平方根の計算式に基づいてレベルを指定します。より人間の耳の感覚に近付けるための平均化方式です。このモードは、ダイナミックスグラフに振幅を正確に反映します。例えば、-10 dB のリミッタ(平坦な並行線)では、出力の RMS 振幅は平均 -10 dB になります。
  • ゲインプロセッサー検出された振幅に応じて信号を増幅または減衰します。 
  • 出力ゲインすべてのダイナミックス操作の終了後に、出力信号にゲインを適用します。
  • アタックタイム出力信号が指定されたレベルに到達するまでにかかる時間をミリ秒単位で指定します。例えば、オーディオが突然 30 dB 下がる場合、指定したアタックタイムが経過した後に、出力レベルが変更されます。
  • リリースタイム現在の出力レベルが維持される時間をミリ秒単位で指定します。
  • リンクチャンネルすべてのチャンネルを均等に処理して、ステレオまたはサラウンドのバランスが保持されるようにします。例えば、L チャンネルのドラムのレベルが小さい場合、R チャンネルのレベルも同じ量だけ低減されます。
  • バンドリミット指定した周波数範囲にダイナミックス操作を限定できます。 
  • ローカットオフダイナミックス操作が影響する周波数の下限を指定します。
  • ハイカットオフダイナミックス操作が影響する周波数の上限を指定します。

ハードリミット

  • ハードリミットこのエフェクトは、指定したしきい値を超えているオーディオを大幅に減衰できます。通常、この制限は、ディストーションを回避しながら全体のボリュームを増加させる入力ブーストに適用されます。
  • 最大振幅使用可能なサンプル振幅の最大値を設定します。
  • 入力ブーストオーディオを制限する前にあらかじめ増幅し、クリッピングを発生させずに選択範囲の音を大きくすることができます。このレベルを上げると圧縮も増加します。 最近のポップミュージックのような、大音量でインパクトの強いオーディオにするには、極端な設定を試してみてください。
  • ルックアヘッドタイム最大ピークに達する前に、減衰するために必要な時間(ミリ秒単位)を設定します。
  • リリースタイム減衰が 12 dB 戻るまでの待ち時間(ミリ秒単位)を設定します。一般的に、100(デフォルト)程度の設定が最適で、低域が保持されます。
  • リンクチャンネルすべてのチャンネルのラウドネスをリンクし、ステレオまたはサラウンドのバランスを保持します。
Premiere Pro のハードリミッターエフェクトパネル。最大振幅、入力ブースト、先読み時間、リリース時間のコントロールを備えています。
ハードリミッターエフェクトを使用して、振幅、入力ブースト、解放時間を調整することで、オーディオクリップの最大音量を制限し、歪みを防ぎます。

マルチバンドコンプレッサ

マルチバンドコンプレッサエフェクトを使用すると、4 種類の周波数バンドを個別に圧縮できます。各周波数バンドには通常、ユニークなダイナミックコンテンツが含まれているので、マルチバンド圧縮はオーディオのマスタリングに適したツールです。

  • クロスオーバー各バンドの幅を決めるクロスオーバー周波数を設定します。特定の「」「」および「」周波数を入力するか、グラフの上のクロスオーバーマーカーをドラッグします。
  • ソロボタン特定の周波数バンドを聞くことができます。一度に 1 つのソロボタンを有効にしてバンドを分離して聞くか、複数のボタンを有効にして 2 つ以上のバンドを一緒に聞きます。
  • バイパスボタンバンドを処理しないで通過するように個々のバンドをバイパスします。
  • しきい値圧縮が開始される入力レベルを設定します。設定可能な値の範囲は -60 ~ 0 dB です。 最適な設定はオーディオのコンテンツと音楽のスタイルによって異なります。 極端なピークのみを圧縮し、ダイナミックレンジを比較的広く保つには、しきい値をピーク入力レベルの 5 dB 下方に設定してみてください。オーディオを高度に圧縮してダイナミックレンジを大幅に減少させるには、ピーク入力レベルの 15 dB 下方に設定してみてください。
  • ゲイン圧縮後に、振幅をブーストまたはカットします。設定可能な値の範囲は -18 db ~ +18 dB です。0 はユニティゲインです。
  • 比率圧縮比を 1:1~30:1 の間で設定します。例えば、3.0 に設定すると、圧縮しきい値より 3 dB 増加するごとに 1 dB を出力します。 通常の設定範囲は 2.0~5.0 です。設定値を大きくすると、ポップミュージックでよく耳にする圧縮された音になります。
  • アタックオーディオがしきい値を超えたときに圧縮を適用するまでの時間を指定します。設定可能な値の範囲は 0 ~ 500 ミリ秒です。 デフォルトは 10 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。 この設定を短くすると、打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには適していますが、そのような音が少ないオーディオの場合は不自然に聞こえます。
  • リリースオーディオがしきい値を下回ったときに圧縮を停止するまでの時間を指定します。設定可能な値の範囲は 0 ~ 5000 ミリ秒です。 デフォルトは 100 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。 打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには設定を短くし、そのような音が少ないオーディオには設定を長くしてください。
  • 出力ゲイン圧縮後に、全体的な出力レベルをブーストまたはカットします。設定可能な値の範囲は -18 db ~ +18 dB です。0 はユニティゲインです。 ピークインジケーターおよびクリップインジケーターをリセットするには、このメーターをダブルクリックします。
  • ゲイン圧縮後に、振幅をブーストまたはカットします。設定可能な値の範囲は -18 db ~ +18 dB です。0 はユニティゲインです。
  • リミッター信号パスの最後に、出力ゲインの後にリミッティングを適用して全体のレベルを最適化します。しきい値アタック、およびリリース設定には、類似のバンド特有の設定よりも穏当な値を指定します。続いてマージン設定を、0 dBFS に相対的な上限値として指定します。

オプション

  • 入力スペクトル出力信号でなく入力信号の周波数スペクトルをマルチバンドグラフに表示します。各バンドに適用されている圧縮量をすばやく見るには、このオプションのオンとオフを切り替えます。
  • 低歪高精度リミッター現在のマージン設定で、ハードリミッティングをすぐに適用します。(低速のソフトリミッティングを適用するには、このオプションの選択を解除します。サウンドの圧縮率は低くなりますが、マージン設定を超える可能性があります)。 注意:低歪高精度リミッターの最大アタックタイムは 5 ms です。
  • リンクバンドコントロールバンド間の相対的な差異を保持しながら、すべてのバンドに対して圧縮設定を一括で調整します。
Premiere Pro のマルチバンドコンプレッサパネル。4 つの周波数帯域のクロスオーバー周波数、ゲインスライダー、圧縮比、リミッター設定を表示しています。
マルチバンドコンプレッサーエフェクトを使用すると、特定の周波数範囲に圧縮を適用でき、低域、中域、高域にわたるダイナミクスをコントロールできます。

シングルバンドコンプレッサ

シングルバンドコンプレッサエフェクトは、ダイナミックレンジを減少させ、ボリュームレベルを一定にして、知覚音量を増加します。シングルバンドコンプレッサは、サウンドトラックやバックグラウンドオーディオに対して会話を際立たせることができるので、ボイスオーバーで効果的です。

注意:

モダンポップミュージックの録音は、高度に圧縮されたオーディオの典型的な例です。 一方、多くのジャズの録音では圧縮率は低く設定されており、一般的なクラシック音楽の録音ではまったく圧縮されていません。

  • しきい値圧縮が開始される入力レベルを設定します。最適な設定はオーディオのコンテンツとスタイルによって異なります。 極端なピークのみを圧縮し、ダイナミックレンジを比較的広く保つには、しきい値をピーク入力レベルの 5 dB 下方に設定してみてください。オーディオを高度に圧縮してダイナミックレンジを大幅に減少させるには、ピーク入力レベルの 15 dB 下方に設定してみてください。
  • 比率圧縮比を 1:1~30:1 の間で設定します。例えば、3 に設定すると、しきい値より 3 dB 増加するごとに 1 dB を出力します。 通常の設定範囲は 2 ~ 5 です。設定値を大きくすると、ポップミュージックでよく耳にする圧縮された音になります。
  • アタックオーディオがしきい値設定を超えたときに圧縮を開始するまでの時間を指定します。デフォルトは 10 ミリ秒で、多様な素材に適しています。 打楽器のようなすばやく瞬間的な音を持つオーディオの場合にのみ、この設定を短くしてください。
  • リリースオーディオがしきい値設定を下回ったときに圧縮を停止するまでの時間を指定します。デフォルトは 100 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。 打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには設定を短くし、そのような音が少ないオーディオには設定を長くしてください。
  • 出力ゲイン圧縮後に、振幅をブーストまたはカットします。設定可能な値の範囲は -30 db ~ +30 dB です。0 はユニティゲインです。

チューブモデルコンプレッサー

チューブモデルコンプレッサエフェクトを使用すると、ビンテージハードウェアのコンプレッサが持つ暖かみをシミュレートできます。このエフェクトは、オーディオに快い味わいを出す微妙な歪みを加えます。

  • しきい値圧縮が開始される入力レベルを設定します。設定可能な値の範囲は -60 ~ 0 dB です。 最適な設定はオーディオのコンテンツと音楽のスタイルによって異なります。 極端なピークのみを圧縮し、ダイナミックレンジを比較的広く保つには、しきい値をピーク入力レベルの 5 dB 下方に設定してみてください。オーディオを高度に圧縮してダイナミックレンジを大幅に減少させるには、ピーク入力レベルの 15 dB 下方に設定してみてください。
  • 出力ゲイン圧縮後に、全体的な出力レベルをブーストまたはカットします。設定可能な値の範囲は -18 db ~ +18 dB です。0 はユニティゲインです。 ピークインジケーターおよびクリップインジケーターをリセットするには、このメーターをダブルクリックします。
  • 比率圧縮比を 1:1~30:1 の間で設定します。例えば、3.0 に設定すると、圧縮しきい値より 3 dB 増加するごとに 1 dB を出力します。 通常の設定範囲は 2.0 ~ 5.0 です。設定値を大きくすると、ポップミュージックでよく耳にする圧縮された音になります。
  • アタックオーディオがしきい値を超えたときに圧縮を適用するまでの時間を指定します。設定可能な値の範囲は 0 ~ 500 ミリ秒です。 デフォルトは 10 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。 この設定を短くすると、打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには適していますが、そのような音が少ないオーディオの場合は不自然に聞こえます。
  • リリースオーディオがしきい値を下回ったときに圧縮を停止するまでの時間を指定します。設定可能な値の範囲は 0 ~ 5000 ミリ秒です。 デフォルトは 100 ミリ秒で、広範囲にわたるオーディオに適しています。 打楽器のような音がすばやく瞬間的なオーディオには設定を短くし、そのような音が少ないオーディオには設定を長くしてください。

ディレイとエコー

アナログディレイ

アナログディレイエフェクトを使用すると、ビンテージハードウェアのディレイユニットで生成される暖かいサウンドをシミュレートできます。固有のオプションは、特徴的な歪みの適用とステレオスプレッドの調整をします。 別個の音と認識されるエコーを作成するには 35 ミリ秒以上のディレイタイムを指定し、より微妙な効果を得るには短いディレイタイムを指定します。

  • モードハードウェアエミュレーションのタイプを指定し、イコライゼーションおよび歪み特性を決定します。テープとチューブはビンテージディレイ装置の音響特性を反映し、アナログは電子ディレイ装置の音響特性を反映します。
  • ドライアウトオリジナルの未処理オーディオのレベルを指定します。
  • ウェットアウトディレイのかかった処理済みのオーディオのレベルを指定します。
  • ディレイディレイの長さをミリ秒単位で指定します。
  • フィードバックディレイラインにディレイオーディオを再度送ることにより、エコーを連続して作成します。例えば、20 %の設定では、ディレイオーディオがオリジナルの 5 分の 1 のボリュームで送られ、エコーは徐々に小さくなります。 200 %の設定では、ディレイオーディオがオリジナルの 2 倍のボリュームで送られ、エコーは急激に強くなります。
  • トラッシュ歪みを大きくして低周波数を増幅し、暖かみを加えます。
  • スプレッドディレイ信号のステレオ幅を指定します。
Premiere Pro のアナログディレイ設定。ドライアウト、ウェットアウト、ディレイ、フィードバック、トラッシュ、スプレッドのスライダーと、テープ、テープ/チューブ、アナログのモードオプションを表示しています。
アナログディレイエフェクトは、オーディオに温かみとエコーを加え、クリエイティブなサウンドデザインのためにディレイタイム、フィードバック、スプレッドをカスタマイズできます。

ディレイ

ディレイエフェクトは、単一のエコーやその他の様々なエフェクトの作成に使用できます。35 ミリ秒以上の長いディレイは別個の音と認識されるのでエコーとなり、15~34 ミリ秒のディレイは単純なコーラスまたはフランジエフェクトとなります。

マルチタップディレイ

マルチタップディレイエフェクトは、クリップ内のオーディオのエコーを最大 4 つまで追加します。このエフェクトは、5.1、ステレオまたはモノラルクリップに適用することができます。

フィルターとイコライザ

バンドパス

バンドパスエフェクトは、指定範囲(周波数帯域)外の周波数を除去します。このエフェクトは、5.1、ステレオまたはモノラルクリップに適用することができます。

バス

バスエフェクトでは、オーディオの低周波数(200 Hz 以下)を増加または減少させることができます。「ブースト」には、低周波数の増加量または低減量をデシベル単位で指定します。 このエフェクトは、5.1、ステレオまたはモノラルクリップに適用することができます。

FFT フィルター

FFT フィルターエフェクトを使用すると、特定の周波数を除外またはブーストするカーブやノッチを容易に描画できます。「FFT」は、周波数と振幅をすばやく分析するアルゴリズムである Fast Fourier Transform(高速フーリエ変換)を表します。

このエフェクトにより、以下が生成できます。

  • 広帯域のハイパスフィルターやローパスフィルター(高周波数または低周波数を保持する)
  • 狭い帯域のバンドパスフィルター(電話での通話サウンドをシミュレートする)
  • ノッチフィルター(小規模で、正確な周波数バンドを除去する)
  • スケール:水平方向の x 軸での周波数の調整方法を指定します。
    • 低周波数を細かく制御するには、「対数」を選択します。対数スケールを設定すると、耳に聞こえる音により近くなります。
    • 高周波数を細かく制御し、周波数を均等な間隔に分けて操作するには、「リニア」を選択します。
  • スプラインカーブ:コントロールポイント間を、急な直線状ではなく滑らかなカーブ状に遷移します。
  • リセット:グラフをデフォルトの状態に戻してフィルター設定を解除します。
  • 詳細:三角形をクリックすると、次の設定が可能になります。
    • FFT サイズ高速フーリエ変換サイズを指定して、周波数と時間の精度のバランスを決定します。急勾配の精密な周波数フィルターには、大きい値を選択します。 打楽器のようなオーディオで瞬間的なノイズを減らすには、小さい値を選択します。 ほとんどの場合、1024 ~ 8192 の値が適しています。
    • ウィンドウ高速フーリエ変換の形状を決定します。オプションごとに、周波数応答カーブが異なります。関数は、幅の小さいものから大きいものの順番に表示されます。 幅の小さい関数は、周辺(サイドローブ)周波数が少なく、センター周波数はあまり正確に反映されません。 幅の大きい関数は、含まれる周辺周波数は多くなりますが、中央の周波数の反映精度は上がります。 全体的な結果が優れているのは、「ハミング」と「ブラックマン」のオプションです。

Graphic Equalizer 

グラフィックイコライザーエフェクトを使用すると、特定の周波数バンドをブーストまたはカットでき、結果の EQ カーブを視覚的に示すことができます。パラメトリックイコライザーとは異なり、グラフィックイコライザーでは迅速で容易なイコライゼーションのためにプリセット周波数バンドを使用します。

各周波数バンド間を、次の間隔で設定することができます。

  • 1 オクターブ(バンド数 10)
  • 1/2 オクターブ(バンド数 20)
  • 1/3 オクターブ(バンド数 30)

グラフィックイコライザーエフェクトでバンド数を少なく設定すると、調整時間が短くなります。バンド数を多く設定すると、精度が増します。

  • ゲインスライダー選択したバンドのブーストや減衰(デシベル単位)を設定します。
  • 範囲スライダーコントロールの範囲を定義します。 1.5 ~ 120 dB の任意の値を入力します。 (標準的なハードウェアイコライザの範囲は約 12 ~ 30 dB です。)
  • 精度イコライゼーションの精度レベルを設定します。精度レベルが高くなると、低い周波数範囲での周波数応答が向上しますが、処理時間は長くなります。 高い周波数だけをイコライゼーションする場合は、精度レベルを低くすることもできます。
  • マスターゲインEQ 設定を調整した後、全体的なボリュームレベルを補正します。 デフォルト値の 0 dB はマスターゲインが補正されていない状態を表します。

ハイパス

ハイパスエフェクトは、指定されたカットオフ周波数より低い周波数を除去します。 ハイパスエフェクトは、5.1、ステレオまたはモノラルクリップに適用することができます。

ローパス

ローパスエフェクトは、指定されたカットオフ周波数より高い周波数を除去します。 ローパスエフェクトは、5.1、ステレオまたはモノラルクリップに適用することができます。

ノッチフィルター

ノッチフィルターエフェクトは、最大 6 つのユーザー定義の周波数バンドを削除します。 60 Hz のハムノイズなど、狭い周波数バンドを削除し、周囲のすべての周波数をそのまま残すには、このエフェクトを使用します。

注意:

甲高いサウンドを削除するには、「歯擦音抑制」プリセットを使用します。 または、「DTMF」プリセットを使用して、アナログ電話システムの標準トーンを削除します。

  • 周波数:各ノッチのセンター周波数を指定します。
  • ゲイン:各ノッチの振幅を指定します。
  • 有効化処理せずに通過するボタンを有効にします。
  • ノッチ幅すべてのノッチの周波数範囲を指定します。 「狭い」から「非常に狭い」まで 3 つのオプションがあります。 「狭い」は、2 次フィルター用で、一部の隣接する周波数を削除します。 「非常に狭い」は限定的な 6 次フィルター用です。
  • ノイズレス このオプションはノイズや人工音をほぼ完全に除去します。ただし多くの処理能力を必要とします。 違いを耳で判別するには、高性能のヘッドホンとモニタリングシステムが必要です。
  • ゲインの固定ノッチが均等であるかまたは個々のゲインレベルであるかを指定します。

パラメトリックイコライザー 

パラメトリックイコライザー エフェクトを使用すると、音調を最大限に制御できます。 これを使用すると、周波数、Q、ゲインの各設定を自由に制御することができます。 

  • 周波数バンド 1 ~ 5 のセンター周波数と、バンドパスフィルターおよびシェルビングフィルターのコーナー周波数を設定します。
  • ゲイン周波数バンドのブーストまたは減衰、およびバンドパスフィルターのオクターブごとのスロープを設定します。
  • Q/幅影響を受ける周波数バンドの幅を制御します。 Q の値が小さい場合、より大きい範囲の周波数に影響します。 Q の値が大きい(100 に近い)場合、狭いバンドに影響するので、60 Hz のハムノイズなど、特定の周波数を削除するノッチフィルターに最適です。
  • バンド最大 5 つの中間バンド、ハイパスフィルター、ローパスフィルター、シェルビングフィルターを設定し、イコライゼーションカーブを細かく制御できるようにします。 対応する設定を有効にするには、バンドボタンをクリックします。 ローシェルビングフィルターとハイシェルビングフィルターのスロープボタンを使用すると、ローシェルビングとハイシェルビングをオクターブあたり 12 dB を単位として調整できます(デフォルトでは、オクターブあたり 6 dB を単位として調整されます)。
  • コンスタント:周波数バンドの幅を、Q 値(センター周波数に対する幅の比率)または Hz 単位の幅の絶対値として示します。 「コンスタント Q」が最も一般的な設定です。
  • ノイズレスこのオプションはノイズや人工音をほぼ完全に除去します。ただし多くの処理能力を必要とします。 違いを耳で判別するには、高性能のヘッドホンとモニタリングシステムが必要です。
  • 範囲より精細に調整するにはグラフを 30 dB 範囲に調整します。より極端な調整を行うには 96 dB 範囲に設定します。

サイエンティフィックフィルター 

サイエンティフィックフィルターエフェクトを使用すると、オーディオの高度な操作をおこなうことができます。 また、波形エディターの単一のアセット、またはマルチトラックエディターのトラックやクリップに対して、エフェクトラックからエフェクトにアクセスすることもできます。

  • タイプサイエンティフィックフィルターのタイプを指定します。 次のオプションを使用できます。
    • Bessel共鳴やオーバーシュートがない正確なフェーズ応答を提供します。 ただし、パスバンドがそのエッジで傾斜するため、ストップバンドの除去はすべてのフィルタータイプの中で最低になります。 このような性質から、「Bessel」はパーカッションやパルスのような信号に最適です。 その他のフィルタリング処理では、「Butterworth」を使用します。 
    • Butterworthフェーズシフト、共鳴、およびオーバーシュートを最小限に抑えて、フラットなパスバンドを提供します。 このフィルタータイプによるストップバンドの除去は、「Bessel」よりも優れており、「Chebychev 1」および「Chebychev 2」よりも少し劣る程度です。 これらの全体的な特性により、Butterworth はほとんどのフィルタリング作業に最適な選択肢となります。 
    • Chebychevストップバンドの除去は最も優れていますが、パスバンドのフェーズ応答、共鳴、およびオーバーシュートは最低になります。 このフィルタータイプは、正確なパスバンドの維持よりも、ストップバンドの除去が重要である場合にのみ使用します。 
    • Ellipticalカットオフが鋭く、トランジション幅が狭くなります。 また、Butterworth や Chebychev フィルターとは異なり、出力周波数をノッチすることもできます。 ストップバンドとパスバンドの両方でリップルが発生する可能性があります。
  • モードフィルターのモードを指定します。 次のオプションを使用できます。
    • ローパス低周波数をパスし、高周波数をブロックします。 周波数がブロックされるカットオフポイントを指定します。 
    • ハイパス高周波数をパスし、低周波数をブロックします。周波数がブロックされるカットオフポイントを指定します。
    • バンドパスバンド、つまり周波数の範囲を保持し、他のすべての周波数をブロックします。2 つのカットオフポイントを指定して、バンドのエッジを定義します。
    • バンドストップこのフィルターは指定された範囲内のすべての周波数をブロックします。「バンドストップ」はノッチフィルターと呼ばれることもあり、「バンドパス」の反対です。 2 つのカットオフポイントを指定して、バンドのエッジを定義します。
  • マスターゲインフィルター設定を調整した後、全体的なボリュームレベルを補正します。
  • カットオフ:パスする周波数とブロックする周波数の間の境界となる周波数を定義します。 このポイントで、フィルターはパスから減衰へ、またはその逆に切り替わります。 範囲を必要とするフィルター(「バンドパス」と「バンドストップ」)の場合は、「カットオフ」で低い方の周波数の境界を定義し、「ハイカットオフ」で高い方の周波数の境界を定義します。
  • ハイカットオフ:範囲を必要とするフィルター(「バンドパス」と「バンドストップ」)の高い方の周波数の境界を定義します。
  • 次数:フィルターの精度を指定します。 次数が高いほど、フィルターの精度も高くなります(カットオフポイントでのスロープの勾配が大きくなるなど)。 ただし、次数が高くなると、フェーズの歪みのレベルも高くなります。
  • トランジションバンド幅:(Butterworth および Chebychev のみ)トランジションバンドの幅を設定します。 (値が小さいほど、スロープの勾配が大きくなります)。 トランジションバンド幅を指定すると、「次数」の設定が自動的に入力されます。逆の場合も同じです。 範囲を必要とするフィルター(「バンドパス」と「バンドストップ」)の場合は、このオプションは低い方の周波数のトランジションとして使用され、「高域幅」で高い方の周波数のトランジションを定義します。
  • 高域幅:(Butterworth および Chebychev のみ)範囲を必要とするフィルター(「バンドパス」と「バンドストップ」)の場合は、このオプションは高い方の周波数のトランジションとして使用され、「トランジションバンド幅」で低い方の周波数のトランジションを定義します。
  • 停止減衰:(Butterworth および Chebychev のみ)周波数を削除する場合にゲインを低減する量を指定します。
  • パス/実際のリップル:(Chebychev のみ)リップルの最大許容量を指定します。 リップルとは、カットオフポイント付近の周波数が意図せずにブーストおよびカットされるエフェクトです。

トレブル

トレブルエフェクトでは、4000 Hz 以上の高周波数を増加または減少させることができます。 「ブースト」コントロールで、増加または減少する量をデシベル単位で指定します。 このエフェクトは、5.1、ステレオまたはモノラルクリップに適用することができます。

変調

コーラス/フランジャー

コーラス/フランジャーエフェクトは、よく使用される 2 つのディレイ系のエフェクトを組み合わせたものです。 コーラスエフェクトは、軽いフィードバックを含む複数のショートディレイを加えることにより、複数のボイスや楽器が同時に演奏されている様子を擬似的に再現します。 魅力的で豊かなサウンドが得られます。 このエフェクトは、ボーカルトラックの向上や、モノラルオーディオにステレオの広がりを与えたりする場合に使用します。

  • モード:次のモードを使用できます。 
    • コーラス:複数のボイスや楽器が同時に演奏されている様子を擬似的に再現します。
    • フランジャー:フェーズがシフトされディレイのかかった、サイケデリックミュージックの雰囲気を持ったサウンドを擬似的に再現します。
  • スピード:ディレイタイムをゼロから最大値までの範囲で変化させるサイクルのレートを制御します。
  • :最大ディレイを指定します。
  • 強さ:処理済みのオーディオとオリジナルのオーディオの比率を制御します。
  • トランジエント:瞬間的な音が強調され、より鋭く明瞭なサウンドになります。

フランジャー

フランジャーとは、さまざまなショートディレイをほぼ同じ割合でオリジナルの信号にミックスすると発生するオーディオエフェクトです。 元来は、同一のオーディオ信号をオープンリール方式テープレコーダー 2 台に送信し、一方のリールのフランジを押して速度を下げ、この効果を出していました。 このようにして録音された 2 種類の音を組み合わせて、1960 年代および 1970 年代のサイケデリックな音楽特有のフェーズシフトされたタイムディレイエフェクトが作成されました。フランジャーエフェクトを選択すると、特定の間隔またはランダムな間隔で信号を少し遅らせたり、フェージングしたりしたときと同様の効果を作り出すことができます。

  • 初期ディレイタイム:オリジナルの信号の背後でフランジングを開始するポイントをミリ秒で設定します。 フランジングエフェクトは、初期ディレイ設定から第 2(または最終)ディレイ設定までの間、繰り返し発生します。
  • 最終ディレイタイム:フランジがオリジナル信号に遅れて終了するポイントをミリ秒単位で設定します。
  • ステレオフェージング:L と R に対するディレイの差を、度単位の値で設定します。 例えば、180°に設定すると、R チャンネルの初期ディレイと、L チャンネルの最終ディレイが同時に発生します。 このオプションで L チャンネルと R チャンネルの初期 / 最終ディレイ設定を反転することにより、広がりのあるサイケデリックなエフェクトが得られます。
  • フィードバック:フランジャにフィードバックする、フランジングした信号の割合を指定します。 フィードバックがない場合は、オリジナルの信号のみが使用されます。 フィードバックが追加されると、現在の再生位置の前から、フランジングした信号が指定の割合で使用されます。
  • 変調レート:初期ディレイ時間から最終ディレイ時間までの、ディレイのサイクルのレートを決定します。1 秒あたりのサイクル数(Hz)または 1 分あたりの拍数(拍)で測定します。 設定を少し変更するだけで、多岐にわたるエフェクトが得られます。
  • モード:3 種類のフランジが指定できます。
    • 位相反転:信号を補強するのではなく、ディレイ信号を反転して、定期的にオーディオを相殺します。 「ドライ - ウェット」でミックスを 50/50 に設定している場合、ディレイがゼロになるたびに波形が無音に相殺されます。
    • 特殊エフェクト:通常のフランジエフェクトと反転フランジエフェクトをミックスします。 ディレイ信号がエフェクトに追加され、最初の信号が減じられます。
    • サイン波:初期ディレイから最終ディレイへのトランジションがサインカーブを描いて行われるようにします。このオプションを選択しない場合、トランジションは直線で、初期設定の値から最終設定の値へのディレイのレートは一定になります。 「サイン波」を選択した場合、ディレイの信号は、初期ディレイおよび最終ディレイの値をとっている時間の方が、その中間の値をとる時間より長くなります。
  • ミックス:オリジナル(ドライ)信号とフランジングした(ウェット)信号の配合を調整します。フランジング中に発生する特徴的な中断と補正を生成するには、両方の信号が必要です。 「Original」が 100% の場合、フランジングはまったく発生しません。 また、「ディレイ」を 100%に設定した場合は、故障したカセットデッキのように揺れるサウンドになります。

フェーザー

フランジャーと同様、フェーザーでは、オーディオ信号のフェーズをシフトしてオリジナル信号と再合成することで、1960 年代のミュージシャンたちが広めたようなサイケデリックなエフェクトが得られます。 ただし、可変ディレイを使用するフランジャーエフェクトとは異なり、変調フェーザーエフェクトでは、一連のフェーズシフトフィルターが上限周波数からスイープおよび上限周波数へスイープします。フェーザーを使用すると、ステレオイメージが劇的に変化し、神秘的なサウンドができあがります。

  • ステージ:フェーズシフトフィルターの数を指定します。 値を大きくすると、高密度のフェージングエフェクトが得られます。
  • 強度:信号に適用するフェーズシフトの量を指定します。
  • デプス:フィルターが上限周波数からスイープする幅を指定します。 大きい値を設定すると、幅広いトレモロエフェクトが得られます。100%で上限周波数からゼロ Hz までスイープします。
  • 変調レート:変調レートではフィルターが周波数上限から移動する速度を制御します。 値は Hz(1 秒あたりのサイクル数)で指定します。
  • フェーズ差異:ステレオチャンネル間のフェーズ差異を指定します。正の値はフェーズシフトを L チャンネルで開始し、負の値は R チャンネルで開始します。 最大値の +180°および -180°では、完全な差異が生じますが、音響的には同じことになります。
  • 上限周波数フィルターがスイープする起点となる上限周波数を設定します。選択したオーディオ範囲の中央付近にあたる周波数を選択するのが最も効果的です。
  • フィードバック:フェーザー出力の一定の割合を入力に戻し、エフェクトの効果を強めます。 負の値では、オーディオをフィードバックする前に、フェーズが反転されます。
  • ミックス:処理済みのオーディオとオリジナルのオーディオの比率を制御します。
  • 出力ゲイン:処理後の出力レベルを調整します。

ノイズリダクション/レストレーション

自動クリックノイズ除去

レコードのクラックルノイズや静電ノイズをすばやく除去するには、自動クリックノイズ除去エフェクトを使用します。広い範囲のオーディオを修正することも、単一のクリックノイズやポップノイズを修正することもできます。

  • しきい値:ノイズの感度を指定します。 この設定を低くすると、検出されるクリックノイズとポップノイズは多くなりますが、保持したいオーディオも検出される場合があります。 設定の範囲は 1 ~ 100 で、デフォルト値は 30 です。
  • 複雑度:ノイズの複雑度を指定します。 この設定を高くすると、より多くの処理が適用されますが、オーディオの品質が低下する場合があります。 設定の範囲は 1 ~ 100 で、デフォルト値は 16 です。

ハンマーノイズ除去 

ハンマーノイズ除去エフェクトを使用すると、狭い周波数のバンドおよびその倍音が削除されます。最も一般的なアプリケーションでは、照明や電子機器からの電源ハムノイズが処理されます。 ハンマーノイズ除去では、ノッチフィルターを適用して、共鳴が過剰な周波数をソースオーディオから削除することもできます。

注意:

ルート周波数とゲインを目で見て調整するには、グラフ内で直接ドラッグします。

  • 周波数:ハムノイズのルート周波数を設定します。 正確な周波数が不明な場合は、オーディオをプレビューしながら、この設定を前後にドラッグします。
    • Q:上記のルート周波数と倍音の幅を設定します。 値を大きくするほど周波数範囲は狭くなり、値を小さくするほど範囲は広くなります。
    • ゲイン:ハムノイズの減衰量を決定します。
  • 倍音数:影響する倍音周波数の数を指定します。
  • 倍音スロープ:倍音周波数の減衰率を変更します。
  • ハムノイズのみを出力:削除したハムノイズをプレビューして、必要なオーディオが含まれているかどうかを特定できます。

ノイズ除去 

ノイズ除去エフェクトを使用すると、オーディオファイルからノイズを低減、または完全に除去できます。 ノイズには、不要なハムノイズ、ヒスノイズ、ファンノイズ、エアコンなどのバックグラウンドノイズがあります。 スライダーを使用して、ノイズ低減量を制御できます。 値の範囲は 0 ~ 100%で、オーディオ信号に適用される処理量を制御します。

リバーブ除去 

リバーブ除去エフェクトは、リバーブのプロファイルを推定して、リバーブ音量の調整を支援します。 値の範囲は 0 ~ 100%で、オーディオ信号に適用される処理量を制御します。

リバーブ

コンボリューションリバーブ

コンボリューションリバーブエフェクトを使用すると、コートクローゼットからコンサートホールまで、様々な空間を再現できます。 コンボリューション(畳み込み演算)に基づくリバーブでは、インパルスファイルを使用してアコースティック空間をシミュレートします。 結果は非常にリアルで、現実に近いものになります。 

注意:

Convolution Reverbは大量の処理を必要とします。処理能力の低いシステムでプレビューする場合、クリック音やポップ音が聞こえることがあります。そのようなノイズは、エフェクトを適用した後には発生しません。

  • インパルス:アコースティック空間をシミュレートするファイルを指定します。 WAV または AIFF 形式のカスタムインパルスファイルを追加するには、「読み込み」を選択します。
  • ミックス:リバーブのかかったサウンドとオリジナルのサウンドの比率を制御します。
  • ルームサイズ:インパルスファイルで定義したフルルームサイズをパーセンテージ単位で指定します。 パーセンテージが大きいほど、リバーブは長くなります。
  • ダンピング LF:リバーブ内の低域の強調された低周波数帯を減衰することにより、音の濁りの発生を抑え、クリアで鮮明なサウンドを生成します。
  • 高域ダンピング:リバーブ内の瞬間的な高周波数帯を減衰することにより、耳障りな音の発生を抑え、暖かみのある豊かなサウンドを生成します。
  • プリディレイ:リバーブが最大振幅に達するまでにかかる時間をミリ秒単位で指定します。 最も自然なサウンドを生成するには、0 ~ 10 ミリ秒の短いプレディレイを指定します。 特徴のある特殊効果を生成するには、50 ミリ秒以上の長いプリディレイを指定します。
  • :ステレオスプレッドを制御します。 設定値を 0 にすると、モノラルのリバーブ信号が生成されます。
  • ゲイン:処理後に、振幅をブーストまたは減衰します。

スタジオリバーブ

スタジオリバーブエフェクトを使用すると、アコースティック空間をシミュレートできます。 ただし、畳み込みを使用しないため、他のリバーブエフェクトよりも高速で処理の負荷も重くありません。 そのため、トラックのエフェクトをプリレンダリングする必要がなく、マルチトラックエディターで手軽かつ効果的にリアルタイムの変更を加えることができます。

特性

  • ルームサイズ:部屋の広さを設定します。
  • ディケイ:リバーブディケイの量をミリ秒単位で調整します。
  • 初期反射音:最初に耳に届くエコーの比率をコントロールし、ルームサイズ全体の広がり感を出します。 値を大きくしすぎると人工的な音になり、小さくしすぎるとルームサイズのオーディオキューが失われます。 最初はオリジナル信号のボリュームの 1/2 程度を基準に調整していくことをお勧めします。
  • :ステレオチャンネル間の広がりを制御します。 0%ではモノラルのリバーブ信号が生成され、100%ではステレオ再生の分離度が最大限になります。
  • 高周波数カット:リバーブが発生する最も高い周波数を指定します。
  • 低周波数カット:リバーブが発生する最も低い周波数を指定します。
  • 減衰:リバーブ信号の高周波数に対し時間経過に従って適用する減衰の量を調整します。 比率を高くするほど、減衰が進み、暖かみのあるリバーブトーンが得られます。
  • ディフュージョン:リバーブ信号がカーペットやカーテンなどで反射する際の吸収をシミュレートします。 値を小さくするほどエコーが増え、値を大きくするほど、エコーが減少してスムーズなリバーブが得られます。

出力レベル

  • ドライ:エフェクトをかけた出力に対するソースオーディオの比率を設定します。
  • ウェット:出力に対するリバーブの比率を設定します。

サラウンドリバーブ

サラウンドリバーブエフェクトは主に 5.1 のソースを対象としていますが、モノラルソースまたはステレオソースにサラウンドの雰囲気を提供することもできます。波形エディターで、編集サンプルタイプを変換を選択して、モノラルまたはステレオファイルを 5.1 に変換し、サラウンドリバーブを適用できます。マルチトラックエディターでは、モノラルトラックまたはステレオトラックを 5.1 バスに送信したり、サラウンドリバーブを使用してマスタリングしたりできます。

  • 入力センター:処理対象の信号に含まれるセンターチャンネルの割合を特定します。
  • 入力 LFE:他のチャンネルのリバーブを励起するために使用する低周波数拡張チャンネルの割合を特定します。 LFE 信号自体はリバーブされません。
  • リバーブ設定
    • インパルス:アコースティック空間をシミュレートするファイルを指定します。 6 チャンネルのカスタムインパルスファイルを WAV または AIFF 形式で追加するには、「読み込み」をクリックします。
    • ルームサイズ:インパルスファイルで定義したフルルームサイズをパーセンテージ単位で指定します。 パーセンテージが大きいほど、リバーブは長くなります。
    • ダンピング LF:リバーブ内の低域の強調された低周波数帯を減衰することにより、音の濁りの発生を抑え、クリアで鮮明なサウンドを生成します。
    • 高域ダンピング:リバーブ内の瞬間的な高周波数帯を減衰することにより、耳障りな音の発生を抑え、暖かみのある豊かなサウンドを生成します。
    • プリディレイ:リバーブが最大振幅に達するまでにかかる時間をミリ秒単位で指定します。 最も自然なサウンドを生成するには、0 ~ 10 ミリ秒の短いプレディレイを指定します。 特徴のある特殊効果を生成するには、50 ミリ秒以上の長いプリディレイを指定します。
    • フロント幅:フロントの 3 つのチャンネルに広がるステレオスプレッドを制御します。幅の設定値を 0 にすると、モノラルのリバーブ信号が生成されます。
    • サラウンド幅:リアのサラウンドチャンネル(L と R)に散在しているステレオを制御します。

出力

  • C ウェットレベル:センターチャンネルに追加されるリバーブの量を制御します。 (このチャンネルにはダイアログが含まれていることが多いため、通常はリバーブを低くする必要があります)。
  • L/R バランス:フロントスピーカーとリアスピーカーの左右のバランスを制御します。 100 を指定するとリバーブは L のみに出力され、-100 を指定すると R のみに出力されます。
  • F/B バランス:左右のスピーカーの前後のバランスを制御します。 100 を指定するとリバーブはフロントのみに出力され、-100 を指定するとリアのみに出力されます。
  • ミックス:リバーブのかかったサウンドとオリジナルのサウンドの比率を制御します。 100 を設定すると、リバーブのみが出力されます。
  • ゲイン:処理後に、振幅をブーストまたは減衰します。

スペシャル

ディストーション

このエフェクトを使用すると、オーディオに軽いグラブル効果やサチュレーション効果を適用することができます。 このエフェクトを使用して、カーオーディオの音割れ、覆いのかかったマイク、アンプの過大入力などのエフェクトをシミュレートできます。

  • 正と負のグラフ:正と負それぞれのサンプル値のディストーションカーブを指定します。 水平ルーラ(x 軸)は入力レベルのデシベル値を表し、垂直ルーラ(y 軸)は出力レベルを表します。 デフォルトの斜線は、入力値がそのまま出力値となる無加工の信号を表しています。 グラフ上のポイントを作成して調整するには、クリックしてドラッグします。 ポイントを削除するには、ポイントをグラフの外までドラッグします。
  • リセット:グラフを歪みがないデフォルトの状態に戻します。
  • カーブスムージング:コントロールポイント間に曲線のトランジションを作成します。デフォルトのリニアトランジションより自然な歪みが得られる可能性があります。
  • タイムスムージング:歪みが入力レベルの変更に反応するまでの時間を指定します。 レベルの測定は低周波数の要素に基づいており、よりソフトで音楽的な歪みが作成されます。
  • dB 範囲:グラフの振幅範囲を変更し、指定した範囲に歪みを限定します。
  • リニアスケールグラフの振幅スケールを、対数のデシベルからノーマライズ値に変更します。

右チャンネルを左チャンネルに振る

右チャンネルを左チャンネルに振るエフェクトは、オーディオクリップの左チャンネルの情報を複製し、右チャンネルに配置します。クリップの右チャンネルの既存の情報は破棄されます。

左チャンネルを右チャンネルに振る

左チャンネルを右チャンネルに振るエフェクトは、オーディオクリップの右チャンネルの情報を複製し、左チャンネルに配置します。クリップの左チャンネルの既存の情報は破棄されます。このエフェクトはステレオのオーディオクリップのみに適用することができます。

ギタースイート 

ギタースイートエフェクトを使用すると、ギタートラックのサウンドを最適化および改変する一連のプロセッサを適用できます。コンプレッサーステージでは、ダイナミックレンジを縮小し、より強いインパクトのあるタイトなサウンドを生成します。 フィルターディストーションおよびボックスモデラーの各ステージでは、ギタリストが表現力豊かでアーティスティックな演奏をするためによく使用するエフェクトをシミュレートします。

  • コンプレッサー:ダイナミックレンジを縮小して振幅を一定に保ち、ギタートラックがミックス内で引き立つようにします。
  • フィルター:このメニューからオプションを選択し、以下のオプションを設定します。
    • フィルター:リゾネータからトークボックスまで、様々なギターフィルターをシミュレートします。
    • 種類:フィルターする周波数を指定します。 高周波数をフィルタするには「ローパス」を、低周波数をフィルタするには「ハイパス」を、センター周波数の上下をフィルタするには「バンドパス」を指定します。
    • 周波数:ローパスおよびハイパスフィルターの場合はカットオフ周波数、バンドパスフィルターの場合はセンター周波数を指定します。
    • レゾナンス:カットオフ周波数付近の周波数をフィードバックします。低い設定で使用すると明瞭さが加わり、高い設定で使用すると笛のような倍音が加わります。
  • ディストーション:ギターソロでよく使用される鋭い表現をサウンドに加えます。 ディストーションの特性を変更するには、種類メニューからオプションを選択します。
  • アンプ:ギタリストが独自のトーンを作成するために使用する、アンプとスピーカーの様々な組み合わせをシミュレートします。
  • ミックス:処理済みのオーディオとオリジナルのオーディオの比率を制御します。

反転

反転エフェクト(オーディオ)は、すべてのチャンネルの位相を反転します。このエフェクトは、5.1、ステレオまたはモノラルクリップに適用することができます。

ラウドネスレーダー

ラウドネスレーダーエフェクトを使用して、クリップ、トラック、またはシーケンスのオーディオレベルを測定できます。 

マスタリング

マスタリング(Mastering)とは、ラジオ、ビデオ、CD、Web などの特定のメディア用にオーディオファイルを最適化する処理全体を意味します。

オーディオをマスタリングする前には、最終的なメディアの必要条件を検討してください。 例えば、最終的なメディアが Web である場合、ファイルは低音の再現性の低いコンピュータのスピーカで再生される可能性が高くなります。 これを補うために、マスタリング処理のイコライゼーションの工程で、低周波域を重視して調整することができます。

  • イコライザー:全体的な音調バランスを調整します。
  • グラフ:周波数を水平ルーラー(x 軸)に、振幅を垂直ルーラー(y 軸)にして、特定の周波数での振幅の変化を表すカーブを表示します。 グラフ内の周波数は最低周波数から最高周波数へと対数形式(オクターブごとに均等な間隔)で表示されます。
    • ローシェルビングを有効にする:周波数スペクトルの下端にあるシェルビングフィルターを有効にします。
    • ピーキングを有効にする:周波数スペクトルの中央でピーキングフィルターを有効にします。
    • ハイシェルビングを有効にする:周波数スペクトルの先端にあるシェルビングフィルターを有効にします。
    • Hz:各周波数バンドのセンター周波数を指定します。
    • dB:各周波数バンドのレベルを指定します。
    • Q:影響を受ける周波数バンドの幅を制御します。 Q に 3 以下の小さい値を指定すると、より広範囲の周波数に影響するので、全体的なオーディオ品質を向上する場合に最適です。 Q に 6 ~ 12 の大きい値を指定すると、狭いバンドにのみ影響するので、60 Hz のハムノイズなど、問題のある特定の周波数を削除する場合に最適です。
  • リバーブ:残響効果を追加します。 適用量スライダをドラッグして、元のサウンドとリバーブサウンドの比率を変更します。
  • エキサイタ:高周波数の倍音が誇張され、明瞭度と透明度が向上します。 
    • レトロ:軽いディストーションを調整します
    • テープ:明るいトーンを調整します
    • チューブ:すばやい、動的な応答を調整します
    • 適用量:処理のレベルを調整します
  • ステレオ幅:ステレオイメージを調整します(モノラルオーディオの場合は無効)。 幅スライダを左にドラッグすると、イメージは狭くなり、中央にフォーカスが集まります。 スライダを右にドラッグすると、イメージは拡張され、個々のサウンドの空間的な広がりが強調されます。
  • ラウドネスマキシマイザー:ダイナミックレンジを縮小するリミッタを適用し、知覚上のレベルをブーストします。 0%の設定が元のレベルに相当し、100%に設定するとリミッタの強さが最大になります。
  • 出力ゲイン : 処理後の出力レベルを指定します。 例えば、EQ 調整による全体的なレベル低下を補うには、出力ゲインをブーストします。

チャンネルの入れ替え

チャンネルの入れ替えエフェクトは、左チャンネルと右チャンネルの情報をスワップします。 このエフェクトはステレオクリップだけに適用することができます。

ボーカル強調 

ボーカル強調エフェクトを使用すると、ボイスオーバー録音の品質を簡単に向上できます。 「男性女性」モードでは、低音域のうなり音などのマイクハンドリングノイズに加え、歯擦音や破裂音も自動的に低減されます。また、これらのモードはマイクモデリングや圧縮も適用することで、ボーカルを特徴あるラジオ風のサウンドに加工できます。 「音楽」モードでは、ボイスオーバー向きにサウンドトラックを最適化します。

  • 男性:男声用にオーディオを最適化します。
  • 女性:女声用にオーディオを最適化します。
  • 音楽:楽曲やバックグラウンドオーディオに圧縮とイコライゼーションを適用します。

ステレオイメージ

ステレオエクスパンダー

ステレオイメージエフェクトは、ステレオイメージの配置と拡張のために使用します。ステレオエクスパンダーは VST ベースなので、マスターラックやエフェクトラックの他のエフェクトと組み合わせることができます。 マルチトラックビューでは、オートメーションレーンを使用してエフェクトを時間と共に変化させることもできます

  • センターチャネルパン:ステレオイメージのセンターを、ハード L(-100%)からハード R(100%)までの任意の位置に合わせることができます。
  • ステレオエクスパンダー:ステレオイメージを「狭い」、「標準」(0)から「広い」(300)まで拡張できます。「狭い」と「標準」は、オリジナルの未処理オーディオを反映しています。

タイムとピッチ

ピッチシフター

Pitch Shifter エフェクトでは音程を変更します。 これはリアルタイムなエフェクトで、マスターラックやエフェクトラックの他のエフェクトと組み合わせることができます。 マルチトラックビューでは、オートメーションレーンを使用して、ピッチを時間と共に変化させることもできます。

  • ピッチトランスポーズ:ピッチを調整するオプションです。
    • 半音:半音単位でピッチを置き換えます。これは二分音符に相当します(例えば、音符 C# は C より 1 半音分高い)。 0 に設定すると、元のピッチのままです。+12 半音は 1 オクターブ高く、-12 半音は 1 オクターブ低くなります。
    • セント:半音より小さな単位でピッチを調整します。指定できる値の範囲は -100(1 半音低い)~ +100(1 半音高い)です。
    • 比率:シフトした周波数と元の周波数の関係を指定します。指定できる値の範囲は 0.5(1 オクターブ低い)~ 2.0(1 オクターブ高い)です。
  • 精度:音質を決定します。
    • 低精度:8 ビットまたは低品質のオーディオには「低精度」を使用します。
    • 中精度:中品質のオーディオには「中精度」を使用します。
    • 高精度:「高精度」は処理に最も時間がかかります。プロフェッショナルな録音オーディオには「高精度」設定を使用します。
  • ピッチ設定:オーディオの処理方法を制御します。
    • スプライシング周波数:オーディオデータの各チャンクサイズを指定します。 (ピッチシフターエフェクトは、オーディオを細かいチャンクに分割して処理します。)値が大きいほど、ストレッチされたオーディオは時間経過に沿って正確に配置されます。 ただし、値を上げるほど偽音の発生は目立つようになります。 精度を高く設定した場合、スプライシング周波数が低いと、音づまりやエコーが生じることがあります。周波数が極端に高いと、甲高い金属音になることや、ボイスがトンネルにこもったような音質になることがあります。
    • オーバーラップ:オーディオデータの各チャンクを前後のチャンクとどの程度オーバーラップさせるかを指定します。 ストレッチによってコーラスエフェクトが生じる場合は、「オーバーラップ」の比率を下げます。それによりサウンドが途切れる場合は、途切れが生じる設定値とコーラスが生じる設定値の中間に比率を調整します。 値の範囲は 0 ~ 50%です。
    • 適切なデフォルト設定を使用する:スプライシング周波数とオーバーラップに適切なデフォルト値を適用します。

旧バージョンのオーディオエフェクト

プロジェクトに古い効果が適用されている場合は、プロジェクトを開いたときに、効果を置き換えるかどうかを確認するメッセージが表示されます。 新しいバージョンのエフェクトを適用するには、「はい」を選択します。