ワープスタビライザーの設定

最終更新日 : 2025年10月19日

Premiere Pro のワープスタビライザーの使用方法を学び、モーション分析、スタビライゼーション方法、およびボーダー処理の設定を調整してスムーズなフッテージを実現します。

エフェクトコントロールパネルのワープスタビライザーの下で、分析とキャンセルのオプションがハイライトされています。
揺れのあるフッテージをスムーズにするには、ワープスタビライザーエフェクトを適用します。

  • 分析初めてワープスタビライザーを適用したときには、このボタンを手動で選択する必要はありません。自動的に選択された状態になります。分析ボタンは、レイヤーのInポイントやOutポイントの調整、またはレイヤーソースの上流での変更など、変更が発生するまで非アクティブのままです。このような変更後にフッテージを再分析するには、ボタンを選択します。 
  • キャンセル処理中の分析をキャンセルします。分析中は、「キャンセル」ボタンの横にステータス情報が表示されます。
注意:

分析では、同じクリップに直接適用されるエフェクトは考慮されません。

スタビライズ

UI オプション

機能

結果

フッテージの結果を制御します(「滑らかなモーション」または「モーションなし」)。

  • 滑らかなモーション(デフォルト)元のカメラの動きを保持しつつ、滑らかにします。選択した場合、カメラの動きを滑らかにする度合いを制御する「滑らかさ」が有効になります。
  • モーションなしショットから、カメラのすべての動きの除去を試みます。選択した場合、「詳細」セクションの「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」機能が無効になります。 この設定は、分析範囲全体にわたって、メインの被写体の少なくとも一部がフレーム内に残っているフッテージで使用します。

滑らかさ

カメラの元の動きをどの程度スタビライズの対象にするかを選択します。値を小さくすると元のカメラの動きに近くなり、値を大きくすると滑らかになります。 100%を超える値にすると、より多くの画像領域が切り抜かれます。 「結果」を「滑らかなモーション」に設定すると有効になります。

方法

ワープスタビライザーでフッテージをスタビライズする際の非常に複雑な動作を指定します。

  • 位置位置データのみに基づいてスタビライズします。フッテージをスタビライズするための最も基本的な方法です。
  • 位置、スケール、回転位置、スケールおよび回転データに基づいてスタビライズします。トラッキングする領域が十分にない場合、ワープスタビライザーによって前の種類(位置)が選択されます。
  • 遠近フレーム全体が効果的にコーナーピンされるスタビライズを使用します。 トラッキングする領域が十分にない場合、ワープスタビライザーによって前の種類である「位置、スケール、回転」が選択されます。
  • サブスペースワープ(初期設定)フレーム全体をスタビライズするためにフレームの様々な部分に異なるワープを適用します。トラッキングする領域が十分にない場合、ワープスタビライザーによって前の種類である「遠近」が選択されます。 特定のフレームで使用されている補間方法が、トラッキング精度に基づいてクリップの流れで変わることがあります。

スケールを保持

選択時にクリップのスケールの変更を防ぎます。

注意:

場合によっては、「サブスペースワープ」により不要なワープが追加されたり、「遠近」により不要なキーストーンが追加されることがあります。より単純な補間方法を選択することでこれを防止できます。

境界線

境界線の設定は、スタビライズされるフッテージで境界(移動するエッジ)をどう扱うかを調整します。

UI オプション

機能

フレーム

スタビライズの結果でエッジがどのように表示されるかを制御します。フレームは、次のいずれかに設定できます。

  • スタビライズのみ:移動するエッジを含めてフレーム全体を表示します。 スタビライズのみは、画像をスタビライズするのにどの程度の処理が行われたかを示します。 スタビライズのみを使用した場合、ほかの方法を使用してフッテージを切り抜くことができます。 選択した場合、「自動スケール」セクションと「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」プロパティが無効になります。
  • スタビライズ、切り抜き:スケールせずに移動するエッジを切り抜きます。 「スタビライズ、切り抜き」は、「スタビライズ、切り抜き、自動スケール」で「最大スケール」を 100%に設定した場合と同じ結果になります。このオプションを有効にすると、「自動スケール」セクションは無効になりますが、「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」プロパティは有効になります。
  • スタビライズ、切り抜き、自動スケール(初期設定):移動するエッジを切り抜いて、画像を拡大してフレームを埋め直します。自動スケールは、「自動スケール」セクションの各種プロパティで制御できます。
  • スタビライズ、エッジを合成:移動するエッジによって作成される空のスペースを、前のフレームおよび後のフレームの内容で埋めます(「詳細」セクションの「合成入力範囲」によって制御)。 このオプションでは、「自動スケール」セクションと「切り抜きを縮小 <-> より滑らかに」プロパティが無効になります。
注意:

メモ:フレームのエッジにカメラの動きとは関係ない動きがある場合、望ましくない処理結果が生じることがあります。

自動スケール

現在の自動スケール値が表示され、自動スケールの制限値を設定することができます。 「自動スケール」を有効にするには、フレームを「スタビライズ、切り抜き、自動スケール」に設定します。

  • 最大スケール:クリップがスタビライズ用に拡大される際の最大値を制限します。
  • アクションセーフマージン:0 以外の場合、表示しない画像のエッジの周囲に境界が指定され、 自動スケールによって埋められないようになります。

追加スケール

クリップを拡大し、「トランスフォーム」の「スケール」プロパティを使用したスケール処理と同じ結果が得られますが、画像の再サンプリングは行われません。

詳細

UI オプション

機能

詳細分析

(オンにすると、)トラッキングする要素の検索が次の分析フェーズで実行されます。このオプションを有効にした場合、結果のデータ(エフェクトの一部としてプロジェクトに保存されるデータ)のサイズが大きくなり、処理速度が低下します。

高速分析

実際の安定化プロセスを変更せずに、Premiere Pro でぶれのあるフッテージを分析するのにかかる時間を短縮します。 このオプションは、初期設定で選択されています。 このチェックボックスは、必要に応じてオフにすることができます。

ローリングシャッターリップル

スタビライズしたローリングシャッターフッテージに含まれているリップルを自動的に削除します。デフォルトは「自動リダクション」です。 フッテージに大きなリップルが含まれている場合は、「拡張リダクション」を選択します。いずれかの方法を選択するには、「補間方法」を「サブスペースワープ」または「遠近」に設定します。

切り抜きを縮小 <-> より滑らかに

スタビライズした画像の上を移動する際の切り抜く長方形のなめらかさとスケールの兼ね合いを調整します。 値を小さくするとなめらかになりますが、画像のより多くの部分が表示されます。 100%に設定した場合、「スタビライズのみ」オプションを選択して手動で切り抜くのと同じ結果になります。

合成入力範囲(秒)

不足しているピクセルを補うのに必要な合成処理の前後時間範囲を制御します。 「スタビライズ、エッジを合成」フレームで使用されます。

合成エッジぼかし

合成された部分のぼかし量を選択します。「スタビライズ、エッジを合成」フレームを使用している場合のみ有効になります。合成されたピクセルが元のフレームと合わさるエッジ部分をなめらかにするには、ぼかしコントロールを使用します。

合成エッジ切り抜き

「スタビライズ、エッジを合成」フレームオプションを使用しているときに、ほかのフレームとの結合前に、各フレームのエッジをトリミングします。 アナログビデオや低品質なレンズで生じる不良なエッジを切り抜くには、切り抜きコントロールを使用します。初期設定では、すべてのエッジが 0 ピクセルに設定されます。

警告バナーを隠す

再分析する必要があることを示す警告バナーが表示されても、フッテージを再分析しない場合に使用します。